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不死の恋  作者: ねぎま
3/9

不死の始まり②

ホームで死んでから線路沿いをずっと走っているが、街の風景や歩く人々、車、信号機。

何一つ変わっていない。とてもリアルに再現された夢とは思えないほどだ。

でも、それでも自分は死んだ事を認めたかった。あれだけホームの人を騒がせて、動画も多分撮られて、個人情報はとっくに世に出回っているだろう。

そんな中で生きて行きたいとは思わない。


空はもうほとんど紫色だった。まだかすかに夕日がビルの上にあるのが見える。まだ日は沈んでいないが、辺りのランプが明るく見える。

私は線路沿いを走り続け、大通りに出た。

車は相変わらずリアルに再現されている。大通りなので人が多く歩いている。一人一人の動き、声など全てが完璧に再現された夢だ。

本当はもう夢ではないことは分かっている。でも、でも、信じたくはなかった。


信号が青にもうすぐなる。しかし、私は急いで家に帰りたい。


少しぐらい...早く出てもいい...よね?


私は信号がまだ変わりきっていない状態で横断歩道を走って渡ろうとした。

突然周りが白く光る。何が起きたのか。横を見ればトラックのライトが。白い光に包まれるのと同時に大きな音が鳴る。


そして今日2度目の死を迎える。


-------------------------------轟音--------------------------------


駅と同様に彼女の体はトラックにはねられて、グチャグチャになっていた。どうやらはねられた後、頭から着地してしまい、首があらぬ方向へ曲がっている。僅かに首が裂け、裂け目からは大量の鮮血が流れ出ていた。赤黒い円がどんどん大きくなり、最後には少女が鮮血の円盤に浮いているようにも見える。

大通りは駅と同様に騒がしくなっていた。


その後、私は真っ白な空間の中にひとりぼっちでいた。

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