爬虫類、まじすか!?
初心者みたいなものなので、暖かく見守っていただけると幸いです。
超不定期投稿です。なるべく一週間に一回、月曜あたりに出そうとは思っていますが、できないこともありますし、誤字脱字やキャラ崩壊など、色々あるかもしれません。そこのところご了承ください。
そこは、魔法も科学も発展した世界。
その一大国、ファリス神国のとある街。
シンクロス州.第1市.第3街.3区.2-3-7
の極一般的な家庭で育てられた、
ヴレイシア=フォン・リストルは
今年、神歴35年、19翆、31日に、
冒険者適正を認められる、17才を迎えた。
「ピピピピ ピピピピ ピピピピ
朝です 朝です 起きてください」
「ん、ん〜 ふぁあ〜 おはよう、ナビさん」
「誕生日おめでとうございます、ヴレイ。今日は冒険者団体に冒険者申請をしに行く日です」
「知ってるよ、忘れるわけないだろう。今日をどれほど待ち望んだか!」
「下で母様が朝食を作って待っています」
「おーけー」
ヴレイは待ち望んでいた日を迎えて、上機嫌で食卓に向かう。
「誕生日おめでとう! ヴレイ!」
ヴレイの父がヴレイをめでたく迎える。
父は、バルト・リストル
能力は建造
限度はあるが、あらゆる物を容易に道具や模型などに変形できる能力。
母は、フレア・リストル
能力は火操作
火を作り出し、操れる能力。
「あ、ヴレイ、おはよう! 誕生日おめでとう! 今ご飯作ってるからね」
フレアがそう言いながら、科学大国ファリス神国ではあたり前の熱して食べれるレトルト料理をキッチンに置いて、それに向かって手から火を放っている。
このファリス神国では、法律で、自分の領地内又は許可のある領地内以外での魔法及び能力の使用は禁止されている。というのは常識である。
「今日もレトルトかー」
「手料理とほとんど変わらないからいいでしょう?」
「まぁそうだけど、レトルトってやっぱり手料理とは違うんだよ〜」
「ん〜 そうね〜 誕生日なのに手料理じゃなくてごめんね〜」
「まーお母さんの火操作で、他の家よりは楽だからいいや」
「もっとお金あれば、全自動料理機買えるんだけどねー、とか言ってるうちにできたよ!」
できた料理が食卓に運ばれる。
それを口に運ぶ前にヴレイは、
「ナビ! テレビつけて!」
と、ナビに呼びかける。すると
「かしこまりました」
ウィーーーン ウィーーーン ガチャ
天井からテレビが出て来た。
「えー本日のニュースは、あの有名冒険者ギルドのセブンスターズが、ヴォルケイノドラゴンを討伐しました。こちらがその映像の一部です。」
流れたのはニュース。獣耳の生えた獣人女性がアナウンスをはじめた。
「『お前ら行くぞ! あと少しだ!』 ジャキッ ズバッ
『もっと切れ!』 スバァ ジャキィ
『トドメだ! くらえ、俺のスキル! 超爆発!』」
冒険者たちが一心不乱に竜と戦う映像が流れる。
「えーさすがはセブンスターズですね。団長のユーグレアの超爆発が特に迫力がありますねぇ。」
しばらく解説が続いあと、
「えーこの映像は一部ですので、全部見たいという方は、ショップにてご購入下さい。
では、次のニュースに参ります。」
と、ニュースキャスターが竜討伐のニュースをしめた。
「えー次は、我がファリス神国、グリッド・ファリス最高統治務が進行中のファリス神国誕生35周年、活力上昇計画の演説の映像です。」
とアナウンサーが言うと、グリッド・ファリス最高統治務が演説をしている映像が流れる。
「あの日、我らがファリス国は、先代ファリス様の予言通り、地球に接近するはずのなかった彗星〈ファリシア〉が隕石となって、この地球に降りかかろうとした。それを防ぎ、この地球に新たに衛生ファリシアを誕生させ、我らがファリス神国になった日から35年が経った。今、我らに大地を与えた先代ファリス様と、我らが大地であり神である衛生ファリシアを崇めようではないか!」
そう、最高統治務が言い放つと、現在絶賛開拓中の衛生ファリシアの映像が流れた。
そんな間にヴレイは朝食を食べ終えていた。
「ごちそうさま」
そうヴレイが言う時には、両親が椅子に腰かけ、真剣な眼差しでいた。
「ヴレイ、ちょっといいか、大事な話があるんだ」
「今日? こんな時に?」
「あぁ、お前が冒険者になろうって決めた日から、今日話そうって決めていたんだ」
「わかった」
バルトがそう言い出すと、ヴレイもうなずいて、椅子に腰掛けた。
「驚くかもしれないが、ふざけないで聞いてほしい」
「はい」
「実はヴレイは」
バルトが一回下を向いた。
また真剣にヴレイと目を合わせると。
「養子なんだ。」
そう、言い放った。
「信じられないかもしれないが、本当の事だ。」
ヴレイは何も言えない。
「お前の名前、ヴレイシア=フォン。 どうしていちいち2つ名前をつけたと思う?」
「実は、『ヴレイシア』はお前の本当の親が付けた名だ。『フォン』は私達が付けたもう一つの名前」
そう言うと、バルトはヴレイがやってきた日の事を語り出した。
「ある日、私達は普通の夫婦として過ごしていた。結構遠い、未開拓のリセリア州のおとなしい魔獣たちが暮らす山へと散歩をしていたんだ。そこで、私達は良い場所を見つけ、昼寝をしていた。すっかり爆睡してしまった。すると突然大きな音がしたから起きてみると、目の前に赤子が置かれていたんだ。」
「それが、僕。」
「そうだ、その巻かれていた布に『ヴレイシア』と書かれていた。というより、削られていた。」
しばらくの沈黙。
それを破るようにヴレイが、
「例え父さん母さんが養親だとしても、れっきとした僕の両親だよ」
と言った。
二人はありがとうと言って、泣いた。
「それにさ、変かもしれないけど僕あんまり取り柄とかなかったじゃん、両性なんて今の世の中さほど珍しくもないし」
「だからさ、悲しくはないよ、僕にもなにか取り柄があるかもしれないって可能性が見えたしさ」
ヴレイはそう言って笑った。
「今日で、ここともおさらばかー。父さん、母さん、今までありがとう。僕、行かなきゃ」
「あぁ」
「そうね」
「それより」
ヴレイは昨日済ませた仕度を持って、聞く。
「僕って何族なの?」
「あ」
「あ」
二人は拍子抜けしたように口を空けた。
「え、わからないの」
「えーと、実は、このときが来るまでって事で、調べてないんだ……」
「えぇぇぇぇえええええええ」
ヴレイが驚きを隠せずに、叫んだ。
「ってことで、種族検診所によってからだな」
「うん、じゃあ行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
二人は、ヴレイが見えなくなるまで手を振った。
ヴレイは基本的に養子でも親は親だという考えであったため、養子であった事実はさほど気にならなかった。それより、自分が何族かという疑問がヴレイの心を震わせていた。
種族検診所に到着。
受付人に案内され、種族診断能力を持つ診断師のところへ来た。
「お名前は?」
「ヴレイシア=フォン・リストルです」
「えー、年齢は?」
「今日17になりました」
「性別は?」
「両性です」
「わかりました。では種族診断を始めます。手のひらを上にしてください」
診断師がそう言うとヴレイの手の上に手をかざした。
数分後。
「わかりました。あなたの種族は」
ヴレイは唾を飲み込む。
「爬虫類です」
「え」
予想外の答えにヴレイは何も言えない。
「正確にはわかりませんが、おそらく通常は人型でいる、リザードマンの亜種かなにかでしょう」
この世界ではまぁリザードマンは普通にいてもおかしくないが、ファリス神国にはあまりいない種族。いてもあまり良いイメージなかった。
「爬虫類族なので変化しようと思えばできるはずです。やってみましょう」
そう言われて信じたくはないが、体に集中した。すると、
スァアアアア
体から鱗が生えて来た。
ヴレイは叫んだ。
「マジすかああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
それは、ヴレイが出せる可愛い声や、かっこいい声や、やその他の声が行ったり来たりしながら響いた。