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異変
「え…?なん…で?減ってる?」
そう、減っていたのだ。
減っているといっても残機の事ではない(いつも通り減っているんだけどね)
減っているのはその残機の上にある電池残量のマークのようなものだ。
元々、その電池残量のマークは、ケータイやパソコンで充電が満杯の時のようになっていたが、今は違う…いや、正確にはトラックに轢かれて死んだときから、充電少し無くなったかのようになっていた。
「なぜだッ!なぜ減っている!」
僕はこれまで死んできた時の事を思い出す。
しかし、これと言って特別なことがあったわけではない。
何も思いつかないが故に僕がイラつき始めたその時。
「がぁッ!!」
とてつもない激痛が僕の頭を襲った。
それと同時に何か、僕に似た声が頭の中に入り込んできた。
(…最…後は に 付けろ…)
その声はノイズが入っていたかのように、聞き取りにくかった。
「なんだ…今のは?」
今の言葉の意味を考えようとするが、頭が痛すぎて集中する事が出来ない。
僕はそのまま、激痛に意識を刈り取られた。