違和感から確信へ
何もない空間にただ一人、宙に浮かぶディスプレイを眺めていた。
「またかよ…一日に二回も死ぬって…何年ぶりだよ…。しかも、死に方くっそダサかったし…」
そう、僕はまた死んだのだ。
子供を助けに行った彼女を追って、子供を助けたまでは、よかったのだが…
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「大丈夫?」
彼女はきれいな声で子供に聞いた。
さっきまで色々ありすぎて気づかなかったが、よく見ると同じクラスのアイドル的存在の皐月 晴だった。
余りにも綺麗で見とれていると
大きな音を立ててガソリンスタンドが壊れ始めた。
どうやら、爆発によって柱が何本か折れたみたいだ。
「ッ!!ここは危ないから、速くッ!」
僕は子供を持ち上げ、彼女の手を引っ張って走った。
こういう時、ある程度運動ができてよかったと思う。
そうして、何とか子供を救出できたのだが。
次の瞬間……こけた。
別に大した理由があるわけではない。
ただ単にこけたのだ。
こけた瞬間、持ち上げていた子供を助けるために体をひねったのだ。
そして、こけた時にそのまま頭が車道に出ていたのだ。
そのまま…こう…ぐしゃっと…逝ってしまった。
まあ、今回も簡単に避ける事ができるからいいのだが。
と、思いつつまた一つ減った数字(恐らく残機的なものなのだろう)を横目にいつも通り「YES」を選択しようとしたとき、確信した。
死ぬ少し前に感じた違和感は、正しかったのだ。