3/16
更なるトラブル
ゴオッと、トラックが風を切る音が聞こえた。
考え事をしている間にさっき自分が死んだ時間になっていたようだ。
我ながら本当にバカだと思う。
「あの…大丈夫ですか?」
後ろから声がした。
振り返るとそこには、同じ高校の制服を着た女子がしりもちをついていた。
僕を引っ張った時に勢い余って転んでしまったのだろう。
「はい。おかげさまでなんとか…。そちらこそ大丈夫ですか?」
なんてことを言いつつ僕は立ち上がって手を差し伸べようとした瞬間。
後ろで爆発音がした。
トラックがガソリンスタンドに突っ込んだようだ。
居眠り運転か何かだったのだろうか。
「なっ?!」
余りにも急なことだったので心臓が止まりそうになる。
目の前にいる彼女も驚いて目を見開いていたが、すぐに状況を理解し、ガソリンスタンドに向かって走り出した。
どうやらガソリンスタンドの近くにいる子供を助けに行くようだ。
本当によくできた子だ。
一瞬の間に色々なことがありすぎて混乱していた僕だったが、一度深呼吸をして何とか冷静になることができた。
「よしっ!!」
と、気合を入れて僕も彼女の後を追い救助に向かうことにした。