違和感そして出会い
刹那、僕は光に包み込まれた。
光が消え周りを見渡すと、いつも通りの風景があった。
時計を見るとちょうど八時十分を指している。
僕が死ぬ五分前だ。
と、死んだときいつもする時間の確認を済ましたら次は、死を回避するための行動を開始する。
「死を回避するための行動」と聞くと難しそうに思えるが、がそこまで難しいものではない。
特に今回に関してはかなり簡単なほうだ。
ただ単にトラックを避けるだけでいいのだから。
つまりは、さっきより早めか遅めに信号に行って渡ればいいだけなのだ。
といっても、急がなくちゃ学校に遅れるから選択肢はあって無いようなものだ。
みたいなことを考えつつ僕は速足で歩きだした。
少したってから僕は立ち止まった。
目の前にはさっき僕が死んだ道路がある。
これまで二十回も死んできたが(さっきのも入れたら二十一回)やはり、自分が死んだ場所をもう一度歩くというのは勇気がいるものだ。
覚悟を決め歩き出そうとしたとき、少し違和感を覚えた。
別に目の前でおかしなことが起こっているわけではない。
ただ、何かがおかしいということだけがわっかた。
そう、何かがおかし…かっ…た?
なんてことを考えていると…
「危ないッ!」と、綺麗な女の人の声がした。
その瞬間、僕の体が後ろに引っ張られる。
「へ?」
僕は間抜けな声を出しながら声の主にされるがままに引っ張られた。