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ころされる けど、あまえる??

「ほんとのとこ、

 どうなの??」


 食事も終わって二人きりになって、お姉さんを問い詰める。

 

「まあ、私がソフィア=リンドヴェル

 なのは間違いないよ?」


 奴隷商人さん達は、とりでの来客用の部屋をあてがってくれた。

 明日は女剣士さんを山越えのガイドで付けてくれるらしい。

(……なんでいきなり親切にしてくれるように なっ

 たかは、私にはよく分からないのだけれども?)



「聞きたいのは、そうじゃなくて

 何か隠してることあるんじゃないの?」

 

 どれ? って顔に書いてある。

 ほんとにソフィアさんは

 正直な人だ。

 

「いいや、言いたくないなら

 それはそれでいいですー」

 

 せっかく食べないで居てもらって、

 私の約束に付き合ってくれているんだ。

 わざわざ機嫌を損ねて殺されたり不具ヒトブタ

 されて、妹の願いを無駄にしたくない。


 明日早いから横になると、

 わざわざお姉さんは私の

 寝床に潜り込んでくる。


 

「なに? 寝たいんだけど」 

「傷が良くなる、おまじない……」

「……そっか、ありがとう」


 なんでこんなに みんな優しいんだろうか。

 突然に失ってしまいそうで、恐ろしい。

 そうだ、これはきっと夢に違いない?


 背中をさすられると、シビ

 でなく心地よさを感じる。



「ごめんね……」


 なんでか私は謝られる。

 声が震えてて、何度も謝られる。

 どうしてか お姉さんは泣いてる。


 今日はみんな

 どうかしてるよ!


 それか、外の世界では1日1回以上

 泣くのが常識なんだろうか??

 ……よく わかんないけど!


 後ろから抱き締められ、頭を頭に寄せられる。

 ……なぜか、抵抗する気が起きなかった。



 

「失っちゃった、全部

 無くしちゃったよぅ……」

 

 お姉さんなのに、

 私より歳上なのに。

 子供みたいに泣いてる。


 今日の驚きは、大人でも

 ワンワン泣くんだって知ったこと。

 

「今日は私まだ泣いてないから、

 私の方がおねーさんだね??」

 

 慰めてあげようと

 振り向こうとすると、

 

「だめ、はずかしい……」


 抑えられ、

 抵抗された。

 ……あれ? ほんき。



「ずるい、昨日自分だけ

 好きなだけ慰めたくせして!」

 

 ばんばん抗議すると、

 ソフィアは くすと笑い、

 

「大人になったら、

 好きなだけさせてあげる。

 今はリンは私の物なんだから

 必要な時には私に使われなさい!」

 

 そう言って後ろから

 耳を甘噛あまがみしてきた。

 夜、のしかかる黒い影の

 暗い大きな穴を思い出す。



 ―――歯を立てないで―――



 と、できるだけ可愛くお願いしなくて済むだけ

 今夜は全然マシなんだけど、やっぱり思い出してしまうので

 機嫌を損ねないよう理性で無理やり衝動を抑えつけ、身を固くする。

 

「! ごめんなさい……」


 今夜は長くなると、明日歩く体力を

 残せるか算段を立て始めると、

 またソフィアに謝られる。

 柔らかい体温がスと離れ、

 寂しさと冷たさが襲う。


 あれ……?

 

「リンがイヤなことは

 絶対しないから……」

 

 別にイヤじゃないのに。

 ソフィアは私の嫌がること

 一度もしたこと無いのに!


 でも、[してもいいよ?] って私が言うのも

 なんか違う気がしたので、しぃと黙ってた。



「うっうっ……」


 ソフィアはグズグズ、泣き止めないでいる。

 ……なんか、妹みたいで ちょっと面白くなった。



 ―――ちょこっと、試して

 みたいことが出来た!♪



 

======




「ねー?」 

 

 もしソフィアがイヤだったら、

 腕か足を折られるか犯されるか

 最悪食べられるだけだからいっか?


 ……でも、穴豚は勘弁して欲しいかなー。

 手が使えないと人間的な生活

 出来なくなっちゃうから。



 殺されても辱められても文句言わない

 覚悟で、ソフィアの寝床に潜り込む。

 ……しょうじき、めちゃくちゃ怖い。


 

 今まで優しかったソフィアさんが

 豹変してしまうんじゃないか?

 そうしたら私はわたしの いま

 持っている幸せのすべてを失う。


 ほんとは、確実な今の幸せを得続けるため

 には、決してやってはいけなかったんだろう。



 一生に一度くらいの勇気を出した! 

 

 ……だって、年上のソフィアちゃんを

 慰めるって やってみたかったんだもん!!

 

 

 

 向かいのソフィアさんの寝床に

 潜り込んで、後ろ姿に手を伸ばす。


 怖くて震えて、

 ソフィアさんの

 頭に手を当てる。


 ……まだ反応はない。

 撫でる、1回、2回。

 

「ねえ、知ってた?」


 ソフィアさんは私に

 やんわり尋ねる。


 失礼だって、私は殺さ

 れちゃうんだろうか?


「私は人の気持ちを読む

 ことが出来るんだよ?」



 ……んん?

 予測と違う!


 


======




「えっと……?」


 ソフィアさんの気持ちが読めない。

 これは機嫌を損ねた

 って事なんだろうか?

 遠回しにゆっくり私は罰を与え

 られるってことなんだろうか?


「私だけだと不公平だよね?

 だからリンにも味わってもらうよ?」

 

 そうしてソフィアさんは額を

 合わせ、感情が流れ込んでくる。

 いとしさ、さみしさ、喜び、切なさ。

 

「これが私の今の

 気持ちなんだよ?」

 

 何を言っているんだろう、

 このおねーさんは。

 ……そしたら、戸惑い・喜びの

 気持ちが新たに湧き起こる。

 


「……で、復讐しないの?」


 私は早く結論が欲しかった。

 裏切られるなら、できるだけ早くがいい。

 時間をかける復讐よりかは、サックリ殺してくれた

 ほうが助かる。宙ぶらりんの状態は、耐えられなかった。

 

「ん……これが

 答えだよ??」

 

 額に口吻くちづけをもらい、

 与えられた感情は[ 尊敬リスペクト ]。

 初めて 味わう、私に向けられた こうこう気持ち♪


 こそばゆくて、くすぐったくて照れくさくて

 小声で あなたにも教えたくなってしまいそうな?



「尊敬、してるんだよ??

 リンのこと、ソフィアは」

「……!」

 

 う、うん……!

 胸が いっぱいで

 ろくに返事も返せない。


「な……ん…で??」


 とりあえずコヤツに

 話させなければ!!




「ん、全身全霊で

 生きてるところ」


 なんか難しい

 言葉使われた! 

 

「ぜんしん ぜんれー?」

「……力いっぱい?」

「? みんなそう

じゃないの??」


 全力を出さないと夜を生き残れないのは、

 みんな一緒なんだと思うんですけど!?



「う~ん」


 なにやらソフィアたんは

 頭を抱えこんでいる!!

 思いついて話し始める。

 

「夜一人で横になって寝ます」

「……蹴り起こされます?」

「蹴られないです!」


 良かった足のアザ

 増えないみたいだ。



「じゃあ、首を絞められ起こされます?」

「絞められないです!」

「じゃあ、皮を剥がされ起こされます?」

「剥がされないです! てか、そんな

起こし方イヤすぎるよ!!」


 良かった腕のカワ

 また失わないで済む。


「じゃあ、何されるんですか?

 ……ああ、寝ても起きても

 どっちでも構いやしないから、

 ひたすら犯され続けるんですね??」


 足を折られなければ、

 最悪腕は捨ててもいい!☆


 

「何もしないです!!」

「ああ、服を取り上げられて、[ なにもするな! ]

 って朝まで外に締め出されるんですね??」

 

 夜ずっと立たされ続ける。ずっと見張られ

てるから、ずっと座れないし休めないし、

立ちながら寝るしか無い。


 ―――もう一人の兄は

冬にソレで殺された。

 


 でも、夏は一晩中村人来るから地獄だし

 冬は寒くて到底眠れないから、

 立ち寝は理想でしか無かった。



「安らかに横に

 なって眠れます!!」

 

 ソフィアさんは涙目で

 高らかと宣言する!!


「ああ、イジめていたぶって楽しまないで、

 ちゃんと最短で殺してくれるんですね?」


 それはいいや♪

 素敵だ……☆


 どうされるにしても、もう眠さには勝てなかった。

 結果を知るまでの少しの間だけ眠りたい!


 約束を守れなかったのは心残りだけれども、

 私を食べてくれるソフィアさんが いつか

 山の向こうに行くことも あるだろう。


 

「うう……リンちゃんが

 まったく分かってくれない……!」

「?」


 もう、わたしは限界です!


 そうして安らかに心地よい

 眠りに落ちていったんだ!




【つづくよ!☆】

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