くぅくぅ そふぃと、どれい とりせつ??
「うーん?」
さすがに、魔王の力を受け継いだと言っても、エルフの少女3人に掛けるつもりの魔法は、私が考えてただけで 実際に使ったことはなかったから、術式の構築には異様に時間がかかる。
「なにして、る
ですか……??」
エルフ奴隷3姉妹の末っ子が おそるおそる話しかけてくるけど、この人達、魔術とか魔法の理解が どこまでおっつくか分かんない。
「実験……?」
「さすがリン様!
魔王として最初の試練をこの者たち
に与えようというのですねッ??」
「「「えっ?」」」
さすが3姉妹だけあって、
エルフっ子達は気が合う!
うーん、この子達で上手く行ったら、
あなたにも掛けるつもりだけれど??
「えっ?」
―――ソフィの寝息が、
やけによく聞こえた!!
「えっと…」
ひしょーさんが居てくれれば だいぶラクになったんだろうけど、どっちにしても魔法の中枢部分は自分で書かないといけないので、頭使うのには変わらない。
魔法は、何もない空間の裏側に感情を埋め込んでいく感じだ。つか、地球に居た時も ちょっと感じたけど、なにもしないのに時間が経つにつれだんだんと 私の魔法とか言葉とかの知識が増えてる感じがする!
どっかから、流れ込んで私の血肉に勝手になっている感覚。便利ではあるけど、昨日までは[ 中枢部分 ]なんて言葉 知らなかったから、自分のことながら ちょっと不気味ではある??
「元からです!!
―――ぐぎゃ!」
……ライラが馬鹿なことを言ってたので、エルフ次女に全力蹴りを入れさせる!!
「てやー!」
「ぎゃー!」
「あわわ!」
「……!」
外回りは自分でいちいちテストするのがめんどかったので、汗かいて眠ってるソフィの記憶を あさって、使えそうな術式を探してく。
……つか ソフィ、地球で 大きくなって暴れるとか、夜の道で ひたひた ナニカに追われる夢とか、節操ないな―??
「にゃー!」
パコン!
……うへ! 夢の
ソフィに叩かれた!!
発情した そふぃに また襲われそう
だったので、めぼしい術式を手に
入れたら 急いで逃げ出す!!
……ふう。
◇
「てゆうか」
ハルン聖王国と戦争してる
合間にエルフ小国滅ぼすとか、
イスエルって強かったんだ?
「ええ、我が国は独自の奴隷制度と、
それを裏付ける最先端の契約魔術を
保有しておりますからね……!」
ふーん、この前 ダンディーのロリコン商人が私を買いたいとか言ってたけど、あれってホントに落とし込める自信があったから言ってたんだ?
「虹石の地球・天球・火球を保持していた、[ カロリーナ=ユーハンション ]のことですか?」
いぶかしげにライラ
さんは聞いてくる!
「うん」
ぶくぶく太ってて、
武器屋の隣に あるやつ!
「あいつめー! リン様が お優しいから
と調子に乗りおって~~!!」
わなわな怒りに打ち
震えてるライラたん♪
ダンディーろりこん商人、奴隷にでも
落とされるん じゃないだろーか??
「すっごく、ふくざつで
おっきい術式なのです……」
「こんなの、みたことない……!」
「なんで、お母様と同じ匂い……ッ!?」
―――なんか、奴隷といいつつも、魔術
とか そこそこ使える雰囲気……??
つか、無口な長女が しゃべったと
思ったら、なんか気になるセリフ
吐いてるんだけどー??
「なにしろ! エルフ国の王家
正統血統ですからねッ??
世が世なら、この代で魔法の域に
達したかもしれない物達ですから!!」
ライラは自慢してくるけど、
……とりま奴隷はモノ扱い
っぽかった―――?
◇
「すん!」
長女は小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、
ライラは徹底的に痛めつけようとする。
「【 やめて! 】」
人が痛めつけられるのは、私の痛みを
じんじん思い出させるから 見たくなかったので、
とっさに魔術で命令を掛けて ライラをピタ止める。
「……それがリン様の ご意思であるならば、
以後 家具は丁寧に取扱うよう、この
国の者たちに徹底させましょう!」
ライラは私の前に ひざまづいて尊重の意思を見せるけれど、
私が知りたいのはそんなことじゃない!
―――ライラは、なんの ためらいもなく自然と1番急所にダメージを与える攻撃を選んでた。
それってつまり、日常的にライラは こういう行為を行っていたということ??
「……なにしろ、ベールヴェルト家ですからね。
ソフィア様にこの土地への祝福を頂いてから、代々 この土地を支配して来ました。
その間、ソフィア様の祝福を魔術家として分析し、応用することによって、
奴隷制度を裏付ける革新的な魔術での無能化
からの奴隷化技術を手に入れ、
それがこの国の発展の
礎と なっているのです!」
淡々と歴史を語る態度にあったのは、自嘲と諦めと軽い絶望と、そして大いなる誇り。
……そっか、ライラにはライラの生き方があるんだ。
([ ロボトミー ]って言葉に予兆の引っか
かりを覚えたけれど、今は重要なこと
じゃないので パッサリ捨て置いとく!)
―――でも、私の物への許可のない暴力とか破壊?
(殺しって言ったらモノ扱いじゃなくなっちゃう??)
とかは許さないからね……?
◇
「ごしゅじんさま!」
「ご主人様ー!」
「……ッ!」
エルフ3姉妹がキラキラした視線を送ってくるけど、たぶん わたしが救世主にでも見えていたんだろう??
ソフィに命を拾ってもらった私としては、ちょっと胸が痛い!
……こんな時、ソフィならなんて言うんだろう?
ベッドに横たわって ぐっすり眠ってるソフィに目をやるけど、当然答えてはくれない。
「りん……! そこは
だめだって! もう~、
だいたん なんだからー☆」
そふぃ! なんか
しゃべってきた
~~~~!!!
「いいよ……? りんになら、
とくべつ なんだからねっ?」
なんか寝言 言ってやがる!!
よだれ垂らしてニヤけてるので、
恥ずかしくてムカついたから、
とりあえず お仕置きに そふぃの
おなかに どんと座って話を続ける!
「リンが重いー!
うぎゅ~~!!」
まあ、色んな
意味でね??
◇
「えええ……」
「わー」
―――ドン引きしてるエルフ3姉妹と、
うずうず羨ましそうなライラには
気にせず、さっきの考えを進める。
「んー?」
……ライラの常識がこの国の他の人
(こくみんさん?)の[ ふつう ]の
感覚と同じなのかは分からないけど
(とうぜん非常識なリンネ家
のメンバーとは除くっ…!)
ライラはイスエル国の偉い人っぽかった
ので、ライラが そうだと言ったことは
だいたい、ホントのことでなくても
ホントのことに成るんだろう。
「普通は奴隷にした際、感情を完全に消し去って絶対に逆らえないようにするのです。
感情がないため、主人の命令への理解はIQ(頭の良さ)に依存します。
―――なので、奴隷の値段はIQが高いほど高くなります。」
……ふーん?
頭の良いほど評価される
ってことなのかな…??
(主人より奴隷の方が頭良かったら
反逆起こりそうで面白いよね??)
いちお、ライラなりに [ やんちゃな奴隷 ]
を押し付けちゃったから、そのフォローを
してくれてるって感じみたい……?♪
[ IQ ]って言葉、なんとなく話の流れと
ライラの感情読み取って意味は わかった
けど、まだまだ私の知らない言葉
は たくさんある みたいだ!
([ ロボトミー ]の時と同じ、
みょうな違和感を感じる)
「魔術は術者の生きてきた人生そのものの反映を行うので、
感情を消し去っては、魔術を使うことは完全にできなくなるのです。
そのため、魔術を家具に使わせたい
者は、使い魔として契約を結びます」
「……あれ?」
わたし、けいやく
むすんでなくね……?
◇
「ええ、今は感情を奪わない最新の
奴隷化魔術で縛っております!
無能化を使わないので、奴隷の人生は生きたままで、
命令があれば魔術をフルに使うことが出来ます!
ちなみに、100人体制で常時 魔術維持体制を引いておりますので、
もしリン様に この物たちを手懐ける お考えがございましたら、
お早めにお試しいただければと存じます!」
……ああ、なるほど やっと理解した!
これは私が地球からイスエル国に帰ってきてからの、
初めての魔王(…国王??)としての お仕事ってワケなのね??
「はい……、ご理解いただけて幸いです。
出来れば 特に優秀な魔術師を多数、この3名の奴隷化魔術に拘束されておりますので、もしリン様が使われないと判断された場合は、直ちに処分致します」
チーン!
「あ!」
ちょうど、試してみたい魔法の
準備が整ったみたいだった!
……つか、操作関連の外回りで ソフィの魔術式 流用したけど、なにこの妙な音??
「ううう!
れんじい……」
下にいるソフィは、
なんだか寝苦しそうだった!
限界まで苦しそうだったので、
慌てて、ぴょん跳ね降りる!
―――ごめんね、ごめんね?
(なでなで)
「ふにゃにゃ♪」
「では!」
やってみよう、
そうしよう!
「「「ひぃぃぃぃ!」」」
「すてき♪」
ふはは、リン魔王さまの
本気を知るがいい~~!!☆




