くるった ひぃへ、いちゃいちゃ こうげき??
しゃーないなー。
ねえ、いつものあれ!
「……して??」
かわいめ(?)に
おねがいするっ!
魔術の式を組むのは苦手なので、
ソフィさんに手伝ってもらう。
おでこを突き出し、感情共有の
魔術を うるうるお願いする。
「あ! うんうん、リンにとって
私は必要だもんねー??」
にやけ顔で ちっこいソフィは
またデコを しし突き出し、
よろよろ合わせてくる!
(ちなみに ひぃは、ソフィの出した
最大可能数の空を埋め尽くす火魔法
攻撃にズブズブ埋められてる)
ふふるる、るるる。
……吐息が、近い。
私に生まれて初めて、世界を信じさせて
くれた、ズタボロだった私の自尊心を
助けてくれた、とっても
とっても特別な魔術。
―――さっきソフィと ひぃがやってきた
感情共有の魔術を、ちょっとだけ
進めてみようと思う。
「おっけー?」
ソフィはわたしの意図を
理解し、体制に入る。
ほんとは、目を閉じてた方が (今は敵の)
ひぃの気配も取りやすいし、術式の構成
にも集中できるのだけれども、
「じゃ、わたしの
息に集中してね?」
ソフィは や目をつむり 式を組み始める。
穏やかな ん吐息、愛らしい くちびる。
なんとなく、くちびるを付けてみる。
近しいところの わたしたち??
ゆんゆん……♪
あ、やわらかい?
◇
「りんんんん……
!!!!!!!
!!!???」
はたはた。
そふぃは、すげー反応してきた!
なに? ただ わたしと あなたの
唇を合わせただけじゃない?
驚いてソフィ
から口を放すと、
「あ、うん、なんでもないんだよね?
互いを深く知るための、スキン
シップなんだよね??」
って、顔を ふるる赤くしながら、
そっぽ向いて わたしの顔も
まともに見れないでいる。
ふつふつ。
こんなに近くにいるから、
ソフィの体温が上がったこと
も、すぐに分かってしまう。
何の気なしにやってみたことなので、
正直ソフィの反応は予想外だった。
……頭撫でたり手を繋いだり抱きしめたり
するのと同じ感覚で居たのだけれども、
もしかして[ くちびる ]とかって、
ソフィにとっては特別なトコ
だったりするんだろうか??
「あーうん。互いの唇を合わせるのは、
[ キス ]って言って、特別な仲とか
恋人同士で することなんだー??」
……へー、でも私たちって、
もう特別な関係じゃないの?
……わたし、ソフィの居ない人生
なんて もう考えられないよ??
「え、それって
遠回しな告白!?
わたしからリンへの
キスも し放題!??」
……なんか一部 勘違い
してる気がするので、
(たぶん照れ隠し)
「ほら、早くして?
ソフィの感情、まだ
流れ込んできてないよ??」
べつに、さっき教えてくれたから、
今やろうとしてることに感情共有は
特に必要はなかったんだけど、
なんかソフィをもっと側で感じたかった。
わざと冷たい声で
リリ要求する。
「リンが長い言葉を しゃべった!!
調子に乗ったの怒ってる……!?」
なんだ、自分でも
自覚してるんだ……?
(……といいつつも、わたしの感情の本音、
ソフィが感情共有に今 手をかけてる以上、
知られてるん だろうなって安心もあった)
こくこく。
怒ってないけど、
怒ってるふりしとく☆
……そっちの方が、
たのしいから…っ♪
「ひぃぃ!」
悲鳴と我が暴走系秘書ひぃさんって、
響きがよく似てるなとか あんま関係ない
こと考えてたら、自分じゃない感情が
溢れこんできた。
きっと さっきと同じ感じなんだ
ろな? って予測してたら……。
◇
よろこび、喜び、ためらい、怯え、
幸福、楽しさ、愛、気遣い―――。
……あれ?
ぜんぜん違うじゃない??
「ん……? わたしの感情のこと?
だってそうだよ、感情は揺れ動くんだよ?
少し時間が経てば、強さの順位が変わっ
たり、今まであった感情が無くなったり、
今まで無かった感情が出てきたり、
そんなことは人間界では
よくあることなのですっ!!」
堂々と言い切ってくるが、それはもしか
したら夢魔の わたしにも
当てはまるのかもしれないと おもった。
「それに、さっきはリンへの感情だけに
絞ってあなたに伝えたから、いま読み
取ってるのは 私の ぜんぶの
感情なんだよー??」
へー、伝える感情の中身は、自分の
意志で変えられたりするんだ。
……あれ? わたしって周りに
心の声だだ漏れだよね?
―――もしかして、感情も
こんな風に おもいっきし
伝わってたりすんの??
「え……?」
「え……?」
「まあ、否定しないというか、
否定出来ないというか……?」
ああ、なんとなく、旅に出てから
周りのみんなの対応に いま
ようやく納得がいったよ??
「たぶん、夢魔としての特性
が強く現れてるんじゃないかな??」
……ほう。
自分でも全然
わかってないけど?
「リンと一緒の夢を見せる能力
って言っていいのかな……?
悪夢でも、幸福な夢でも。
さすがに魔王候補に入るだけあって、
リンは意識して無くても、起きてる
昼間でも、リンはリンの夢を
周りに見せ続けてる」
……ああ、最初会った時は ただの普通の
女剣士だったライラさんが[ 幸福まおう教 ]
なんてウサンくさい宗教まで作って、
私を大好きな理由が、なんかまた
1つ分かってしまった気がする??
「うほほ、
えほほ?」
なんか、かわいくない かわいい
声で、甘えてくる人が居る…??
◇
「えへへへ♪」
「ウリャアアアアアア!」
遠くでは、ひぃさんがまだソフィの
展開した火魔法を払ってた!
―――あれ? 半分くらいになってね?
つか、さっきの攻撃、ソフィの火魔法
全力だったんじゃなかった?
「へへ♪」
ソフィは ひぃの周りの異変に、
まだ気付いてないみたいだった!
ぺたぺた♪
すーすー。
……なんかソフィは、まだ ひぃが
苦戦してることを いいことに、
私に甘え(?)てくる。
ひたいとひたいを
付けたり離したり。
感情共有の引き金に してるから、
ソフィの感情が入ってきたり途切れたり、
そろ入ってきそうで入って来なかったり、
―――これが
地味に うざい!
「あ、ちなみにリンのこの感覚は、
リンの周りの人間がいつも
感じてるのですっ!!」
……なんか、ソフィが宣言してくる。
ん? どーいうこと?
「リンリンリンリンリンリンリン!
リンリンリンリンリンリンリン!
ククククククケケケケケケケケ!」
(ゆん遠くでは、ひぃさんは いまだキチガイ
モードから帰ってこないけど、ひぃさんの
歪み方はチチハハとはなんか違う気がした)
◇
「えっと…?」
それって私の感情が 今リンがした風に、
いつも私の回りにいる人たちに流れ込ん
だり、来なかったり してるってこと?
「にゃー!!☆
∩(・ω・)∩」
にこにこ顔で、意味不明な
返事が よんと帰ってきた!
「にゃ~
……?」
……ちょっとイラッとくるけど、ソフィ
に くわしく説明させても きっと、
ふわふわでガバガバな言葉に混乱するだけ
なので、かえって[ はいorいいえ ]
だけの方が分かりやすいかも
しれない? と思い直す!
「ひどい!
が~~!」
私の胸を ぽかぽか殴ってくるが、
幼女なので大して効きはしない!!
「そう……??」
ぽつつつつ!!
……やめて! 先っ
ぽは敏感だから!!
―――こんな時、我が ひしょ さんなら、
難しい言葉は使ってくるけど、ちゃんと
わたしの欲しい解説をしてくれるので、
絶対に ひぃさんは取り戻さないと
いけないと、改めて決意を固める!!
◇
「……わたしだって、
やればできるもん!」
ほう……? なら…、
やってみるがいい!!
「……えっと、離れると
リン欠乏症に成る??」
……うん、私にはやっぱり
分からなかったよ!!
足りないと、死んでしまうんですか??
わたしって、そんなに重要なんですか!?
「ええ!!」
どど自信満々に答えられても、
はあ そうですか、としか
答えようがないっ!!
―――つか、それって もし仮に万が一
当てはまるとしても、ソフィだけじゃね??
「ちがうもん! ほら ひぃちゃんだって、
リンから離れてるから、あんなに
さみしそうに禁断症状が出て!!」
「「あれ…??」」
さっきまでソフィの火魔法と格闘してた
ひぃの姿は ゆんゆん遠くには見当たらず、
空を真っ赤に シタタタ染め尽くしてた
ソフィの火魔法も消え、カラッと青空
とトロトロ朽ち果てたビル群だけが
ホンン変わらずにあり……、
「ケキキキキキ
キキ!!!」
そして、ひぃはリリリ間近から
攻撃を仕掛けてきた……ッ!!




