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初めての食事

ニャルラトテップとの会話で分かったことはクトゥグア陣営を倒すか負けを認めさせると出向が終わり元いた世界に帰れる。

疑問が幾つか出てきてその一つが、ニャルラトテップが面白がってこのままこの世界に閉じ込めておく、という線も考えれたがそういった類のたらればはよしたほうがよい。

彼は愉快犯なので面白がって採用しかねない。



客室で話終えた天羽は扉を開け、近くのメイド服を着た女性に書庫への道を聞き案内され書庫に着く。

流石公爵家の書庫、といった所か。

壁一面に床から天井まで棚が伸びており棚に収まりきらない本が倉庫に幾つか入っているという。

書庫中央に据えられた机の上に本が出てあり表紙にはお掃除の達人、上巻といったものが読み取れる。

翻訳機能は会話だけでなく読むだけなら文章でも問題ないようだ。

道案内を頼んだメイド服の女性に倉庫にある魔術関連の本を持ってくるようにお願いをする。

自分は早速書庫から手当たり次第魔術に関する本を机に積み上げ机に置けない分は床に積ませてもらうことにした。



書庫の扉をノックする音が書庫に響く。

どうやら昼食の時間になったらしくダイニングへ食事を取りに来て欲しいとのことだった。

ダイニングに到着すると既にアーケロン公とカトレアが座っている。

天羽はカトレアの正面に座るようセッティングされていたのでそこに座ることにした。

この世界でまともな食事は初めてなので若干期待したが席に着き料理が運ばれてきて現実を思い知ることになる。


中央にパンの入ったかご1つ、手元には陶器のスープ皿に入ったコンソメスープ、そして干し肉が二切れ。


非常に質素な料理を前にアーケロン公とカトレアが何やらつぶやき食事するように勧めてくる。

魔術の本で書いていたが此方の世界ではキリスト教のようなものは無く土着信仰が主で火、水、雷、木の四大精霊に祈りを捧げていると書いていた。

多分その信仰の一部なのだろうと思い食事を頂く。


「どうだね、この世界の食事は。」

「スープが美味しくいいと思いますよ。」

「お世辞はいいんだ、正直なところはどうかね。」

「・・・想像していたより非常に質素なものに感じます。」


アーケロン公が言うには城下町の東に海へと繋がる港があり港より少し南に下った先の岬に灯台があるらしい。

その灯台が魔物に占拠され海の幸が満足に取れなくなり果てには今回のグール襲撃事件でこの質素な食事になってしまったらしく本来は山の幸海の幸で有名な街だったそうな。



食事を終え、アーケロン公に今から岬の灯台に向かうことを伝えると四名の兵士と随伴して行くことになった。

書庫に倉庫に合った一冊の本を持って行っても良いかアーケロン公に尋ねると快く承諾して貰う。

その一冊とは正にこの世界でのネクロノミコンである。

魔術はほんの一部の人間以外衰退してしまったらしく書庫に入れても意味がなく倉庫に仕舞っていたらしい。

中身はある程度呪文の知識が書いていたり唱え方、効果が書いていたがどうやら複製本だったらしく全ては記るされてはいなかったがとても貴重でそこからイレイザーがMP25しか消耗しない理由が判明した。

それに伴い四大属性の初歩的な呪文行使を身につけた。



公爵家を出た天羽は屋敷の入口で待機していた兵士四名とグール襲撃のために土砂を積み上げ物理的に閉ざしていた港へと続く東の城門に向かっていく。

街はある程度活気が戻り商店の扉が開いていてそこから見える街の人々は買い物をしているように見えた。

城門へ向かう途中兵士と世間話の1つや2つする。

三人は妻子持ちで自分より年上だった。

残りの一人は自分より年下で一八歳と弟がいればこの程度の年齢なのではと少し情が移ったのであった。



一行は東の城門へと到着する。

城門はグール防衛の時の西の城門とは違い簡素なものである。

それでも門兵が六人警護しており詰め所の方にも数人居るようだった。


「このまま南に二〇分ほど向かうとあそこに見える灯台にたどり着きます、道中魔物が現れるかもしれないのでお気をつけてください。」

「おうよ!」


門番の激励に答え意気揚々と海沿いの道を辿り灯台へ向かうのであった。

ふと読み返すと明らかに意図しない接続詞のおかしい所があったので公開後修正

今後気をつけます。

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