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殺意満載な異世界に出向する羽目になった。  作者: 二都遊々
一章 青年は人生で最も大きな欲を抱いた
2/9

黒いローブと美男美女

社長に色々質問しようとするが瞬きをすると目の前に何やら唱える黒いローブ集団、シルク製のワンピースのようなものを着た容姿端麗な男女が一人づつ机の上で仰向けで恐怖に怯えつつ寝ている様子が伺える。

自分の周りにはよくわからない魔法陣なようなもの、蝋燭が何本も地面に立てられやはり黒いローブを羽織った人がぐるりと囲み何かを唱えている。


「あ、あのぉー」


声を発したと同時に黒いローブ集団の唱える呪文がとまり正面にいた黒いローブの一人がフードを取り言葉を発した。


「我々はラスキア領の民でございます。どうか我らに救いを」


何がなんだか分からないがとりあえずわかったことは二つ

まず相手は敵対的ではない

それと言語が日本語かそれに近いものを使用している


少し思案していると足元に付箋で忘れ物と貼られたA4サイズの封筒が出現していた。

中を開けると契約書やら説明書きの書類など10枚ほど入っている。

思案したがとにかくこの資料を読み現状を把握しなくてはならない。


「具体的に救うとはどうすればいいのですか。」


資料を読むと時間がかかるため先に何のために自分が出向してきたのか問いただしてみた


「人類の神ニャルラトテップ様に今この城の置かれている危機を救っていただきたく願います。召喚させていただいた代償としてまずこの美男美女を生け贄に受け取ってもらいたく存じます。」


とんでもない内容を聞いた

ニャルラトテップって例のアレだよな

高校の時クトゥルフ神話に興味があって少しかじったことがある

となると自分の置かれた奇妙な立場は社長=ニャルラトテップ=愉快犯に出向という名の自分のお遊びの駒として異世界に召喚された

ということに近いことが起こされたってことかよ、信じランねぇ


「少し状況把握のために時間をもらってもいいですか?」

「分かりました。客室へと案内させていただきますがこの生け贄はいかが致しましょう。」

「二人共一緒に客室までお願いします。」

「そのように」


黒いローブの集団の案内で生け贄の二人と自分は客室まで連れられていくのであった。

道中生け贄の二人が酷く怯えていたため危害を加えないことを伝えると生け贄の二人にも日本語が通じるらしく安堵の表情が見てとれた。




客室に到着する。

ベッドが1つ、個人用の背の高いイスと机、3人ぐらい座れるソファーと一人掛けの一般的なイスが2つ、それを挟むように低めに机、天井には綺羅びやかとはいかないが如何にも金の掛かってそうなシャンデリアがある。

窓から光が入ってきていたためシャンデリアに明かりはついていなかったが蝋燭が見て取れた。

窓から眺める景色は遠くまで見渡せる平野、更に遠くに山々が見える。

斜め下をみると城下町が広がっている。

石やレンガで出来た家、それも2階建てや3階建てにみえるがやはり電気は通ってないようだ。

なんとなくこの世界では科学は元いた世界より進歩していないのは見て取れた。

大体の世界観がわかったため書類を読むことを優先する。


「少し書類を見るので時間頂きますね。」


特に返答はなくフードを取った黒いローブの人だけが残りあとの黒いローブ集団は扉から出て行ったようだ。

生け贄の二人はこの後どうなるかわからなかったためとりあえずそのままいてもらうことにする。



 -契約書-

前略


あなたはニャルラトテップ勝利のため全力を尽くしクトゥグア陣営と退治する。

その際命を落とすことがあっても労災認定は出ません。

あまりに不憫なので呪文を使えるようにしておきました。


上記に異論が無いとここに承諾致します。

----------------------------------------------


サイン欄に記憶にはないが綺麗に自分の筆跡と同じもので天羽才蔵と書かれている。

他の書類には説明書と書かれたものが大半のようだ。

要約すると、

・この世界はクトゥグアとの戦いのために作った世界だよ!

・死んだら本当に死ぬから気をつけてね!

・魔法が使える世界だから面白いと思うよ!

・自動で翻訳される魔法使っておいたから言語の心配はないよ!

・多分もう戻ってこれないと思うけど頑張って!


等このようなことがダンディーなおっさんが書いたと思えないコミカルな絵と文化祭の露天で書かれていそうな文章で説明されている。

ある程度状況を把握した上で理解した、もう元の世界のしがらみも何もなくなったのだと。

天羽はスーツの上着を脱ぎネクタイも解きリラックスな状態にした。


「黒いローブのおっちゃん、大体把握した。俺の名前は天羽才蔵。」

「カイル・マルチス カイルとお呼びください、この領の魔術顧問をしています。」


40歳前後と思われる金髪のおっちゃんはカイルという名前だそうだ

話を聞けば人間は魔法を使いすぎると発狂するらしくあまり使用しないらしい

それに使える人間もそこまで多くないらしくそういえば説明書に発狂しないようにしといたとも書いてたっけな


「ところで危機、とは一体。」

「それが各地で魔物に襲われていまして、グールがこの城に攻めてきているのです。」

「そのグールを倒して欲しいと。」

「奴らは堅い皮膚、強靭な顎でカミツキなど行い最近100体ほどに攻めこまれラスキア領のこの城下町が危険なのです、どうかお救いください。」

「そのグールってもしや走ったり集団行動をしたり?」

「します。」

「oh...。」


初め歩くゾンビ程度に考えていたがどうやら本当にグールらしい

というかグール100体を自分が相手しろだって?無理に決まってるだろ

大体グールって元の世界で調べた時は4,5人でタコ殴りにしてやっと倒せるかどうかの生物って見たぞ

どう闘うか・・・

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