二話:冒険者ギルド
冒険者、それは罪を重ねる為の人生。
やっとのことで、冒険者ギルドらしき場所についた、まぁ冒険者ギルドの目印を見つけるのに少し時間がかかったが、まだ日が出てるから問題はないだろう。
木の扉を開けると、すぐにアルコールの臭いがする、どうやら一階は酒場を経営してるタイプのようだ。
とそんな事から思考をかえて、すぐに冒険者登録をする場所を探す。
(あっちかな?)
と暇そうにしてる女性の元に向かう。
「すみません、少しいいですか?」
と話かけると気だるそうにこちらを見ると。
「………我慢してくださいね」と言って自分に手のひらを見せると。
「!?…………」
一気にだるくなるのを感じた、多分だがこの力は…。
「…怠惰の力ですか」
と言うと、その女性の方はさっきまでの様子が違っていた。
「ええ、その通りですよ。新たな冒険者さん」
と笑顔で言った。
あの人の説明通り、怠惰の力で、俺は冒険者の期待を奪われた、だが全部ではないようで、なる気持ちはある。
「でいきなり、怠惰の力を?」
とギルドスタッフに聞くと「テストですよ」と笑顔で答えた。
「あれがですか?力の強さとか見るのかと思ってたのですが」
と疑問をぶつけると、目の前に持ち出し禁止と書かれた本を見せて、説明してくれた。
「基本的に、冒険者ギルドは来るものはある一定は拒みませんがやる気がない者や子供は入れないようにしてるんです」
とニコニコと微笑みながら、話を続ける。
「ですので、私等の怠惰の力でやる気があるかどうかを確認するんです、それが合格であれば説明を受けられると言うルールとなっているのです」
あなたは合格ですよ、言いさっきとりだした本のページをひらく。
「先ず、この手形が描かれたページに手をのせてください」
と言われたので、のせてみると。
「…………?!」
何かが体に巡る感覚がした。
「ステータス及びスキル確認完了です、そう言えばステータスとスキルの意味はわかりますか?」
その言葉に、いいえと答えると「わかりました、説明しますね」と言いページをめくった。
「ステータスは7つ、あなたの命の数値である『生命力』魔法や技等のスキル等を使う為の『気力』、そして残りの『力』『器用さ』『賢さ』『素早さ』『魔力』等は戦闘の為の数値で『力』は重い武器を使うときやスタミナ等に、『器用さ』は武器の扱いや精密な事をするときに、『素早さ』は行動の時の速さや判断の速さ等に、『賢さ』は知識の覚えやすさや魔法の発動の速さ等に、『魔力』は魔法の使える量と威力等に関係します、ですがこれらは目安などで過信し過ぎないようにお願いします」
そう言って、またページをめくると。
「スキルは、その人が持ってる技や魔法や技能の事をまとめてスキルと読んでいます、それではあなたのステータスとスキルを確認しましょう」
ギルドスタッフの方はそう言って、本の最後のページを切り取って自分に見せてきた。
そこにはこう書かれていた。
名前:不明
罪:生欲1
生命力300/300
気力45/50
力5
器用さ5
素早さ5
賢さ5
魔力5
スキル:異世界人・一般知識・読み書き・魔力矢=気力消費2
「これって、低いですか?」
と聞くと、ギルドスタッフは珍しいものを見るかのように自分を見てた。
「レベル1にしては生命力と気力は多めですね。ですが残りのステータスがオール5なのは珍しいです、基本的にステータスは平均値が5です、他の人達は2つほどそれより高く残りが低いていった感じなのですが」
と言ってきた、まぁ全体的に平均値なのは良かった事だろう。
「そう言えば、レベルって何ですか?」
と自分の持ってる一般知識にはない言葉が出たので聞いてみる。
「あなたの罪の横に数字が書かれてますよね、それがレベルです。それが上がると同時に生命力と気力はランダムに上がり残りのステータスはレベルが上がると1~5か振り分け出来る事が出来る成長ポイントが手に入るですよ」
と言ってきた、まるでRPGのようだな、と思いつつ次の説明を待つ。
「そして罪は、変わりますがレベル自体は変わらないので安心して下さい、罪についての説明は大丈夫ですか?」
その言葉に「大丈夫です」と答えると。
「それでは、冒険者カードを作るために最後に名前をつけましょうか」
と俺にインクペンを渡してきた…名前か、確かに名無しのままじゃあなにかと不便だろう。
(ここはファンタジーらしく横文字の名前にするか…いや、普通に和名でいいか。)
見た目日本人が横文字の名前とか似合う分けないしな。
少し考えて、ペンを使ってステータスが書かれた紙の不明と書かれた部分に、新たな名前を書く、そしてギルドスタッフに渡す。
「それでは、冒険者カードを作ってきますね、『新田 始』さん」
ギルドスタッフはそう言って、奥の部屋に入っていった。
どんな理由でこの、世界に来たのかわからない、けど俺は新たに始めるためにこの世界に来た、そんな風に思えてこんな名前をつけた。
(分かりやすいな)
自分は案外単純なのかも知れない、そんな事を思いながら冒険者カードが出来るのを近場の椅子に座り待っていた。