表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(旧)闇夜に踊る  作者: 東雲飛鶴
四章 腭<アギト>に喰われる者
58/134

10

【10】


 勝利とベロニカの二人が教会裏の駐車場に出ると、ワンボックスカーにシスターたちが弾薬などを積み込んでいる最中だった。

「お疲れ様です。まもなく積み込みが終わりますので、もう少し待っていてくださいね」

 二人に気付いたシスターの一人が声を掛ける。


 この教会には、戦闘訓練を受けた職員はほぼいないと言っていい。異界獣と接触することを想定されている、ゲート観測員のシスターアンジェリカのみが、教団本部で基本的な訓練を受けているに過ぎなかった。いま作業をしているシスターたちでは、せいぜい荷物番や通信係が関の山で、駆除作業の実務においては、勝利とベロニカの二人でほとんどを賄わなければならない。


「今夜も騒々しいですね」もう一人のシスターが呟く。

 夜の街に緊急車両のサイレンが響き、湿度を伴った風が、災いを予感させる。

「諸君はあくまで非戦闘員だ。くれぐれも無謀なマネはしないでくれ」

 初めての実戦で高揚する二人に、ベロニカが釘を刺した。


 市民には、極力不要不急の夜間外出は避けるよう、行政から指示が出ているのだが、徹底するのは難しい。毎晩どこかしらで、誰かが異界獣の餌食になっているが、いつ市民がパニックを起こしてもおかしくない状況になりつつある。

 そんな中を、ひとり無邪気に撮影して歩いていた遙香を思うと、勝利は苦笑せざるを得なかった。

「こんな時に言う話じゃないとは思うんだけど……」

 勝利はベロニカに話しかけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ