25
【25】
――ガンッ! 勝利の頭上に、いきなりゲンコツが降ってきた。
「ぎゃッ!」
殴ったのは遙香だった。
「なにやってんのよ! はやく食べちゃいなさい。昼休み終わっちゃうでしょ!」
「はーい」
(怒られちまった……。でもなあ……)
意識したことはないが、言われてみれば、どこの学食も固定メニューは全く同じだ。
そうか。そうなんだ。自分は全国の学校のメニューが同じだと思い込んでいたんだ。
でも違う。同じ系列の学校だから同じなんだ。同じ、系列? 同じ?
(同じ系列という事すら、俺は気付いていなかったのか!)
これってどういうことなんだ? すぐいなくなるから気にしてなかったのか? いやそれだけじゃないだろう。普通なら気付くはずだ。フィクションの中の学校ですら、多種多様なのだから。自分はそれを知識として知っていたはずなのに、現実では皆同じだと誤認していた。
――それは、何故?
自分には分からないことが多すぎる。あえて意図的に伏せられていたのか。ただ気にせずにいただけなのか。それとも教団は何かの都合で自分を騙していたのか。
勝利の思考はどんどん迷走し、頭が本気でパンクしそうになっていた。
「ねえ、具合でも悪いの? それとも……ケガのせい?」
いつまで経っても食事に手をつけない勝利に、遙香が声をかけた。心配そうに勝利を見つめている。
「ケガはもう、大丈夫。痛みはなくなったから。どっちかというと……頭、かな」
「頭……ねえ。あの……もしかして、昔のこと、とか関係ある?」
「昔……あ……子供の頃のことか!」
勝利の中で、複雑な何かが一本の線でつながりかけた。だが、武闘派で考えるのが苦手な男だから、思うように思考が繋がってくれない。それが彼にはすごくもどかしかった。
俺の脳裏にハルカの家にあった地図が浮かんだ。
あれがきっと鍵になる。勝利はそう思った。
ここからしばらく謎解きパートに入ります(´・ω・`)




