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(旧)闇夜に踊る  作者: 東雲飛鶴
三章 迷宮の入り口
48/134

25

【25】


 ――ガンッ! 勝利の頭上に、いきなりゲンコツが降ってきた。

「ぎゃッ!」

 殴ったのは遙香だった。

「なにやってんのよ! はやく食べちゃいなさい。昼休み終わっちゃうでしょ!」

「はーい」

(怒られちまった……。でもなあ……)


 意識したことはないが、言われてみれば、どこの学食も固定メニューは全く同じだ。

 そうか。そうなんだ。自分は全国の学校のメニューが同じだと思い込んでいたんだ。

 でも違う。同じ系列の学校だから同じなんだ。同じ、系列? 同じ?

(同じ系列という事すら、俺は気付いていなかったのか!)

 これってどういうことなんだ? すぐいなくなるから気にしてなかったのか? いやそれだけじゃないだろう。普通なら気付くはずだ。フィクションの中の学校ですら、多種多様なのだから。自分はそれを知識として知っていたはずなのに、現実では皆同じだと誤認していた。

 ――それは、何故?

 自分には分からないことが多すぎる。あえて意図的に伏せられていたのか。ただ気にせずにいただけなのか。それとも教団は何かの都合で自分を騙していたのか。

 勝利の思考はどんどん迷走し、頭が本気でパンクしそうになっていた。


「ねえ、具合でも悪いの? それとも……ケガのせい?」

 いつまで経っても食事に手をつけない勝利に、遙香が声をかけた。心配そうに勝利を見つめている。

「ケガはもう、大丈夫。痛みはなくなったから。どっちかというと……頭、かな」

「頭……ねえ。あの……もしかして、昔のこと、とか関係ある?」

「昔……あ……子供の頃のことか!」

 勝利の中で、複雑な何かが一本の線でつながりかけた。だが、武闘派で考えるのが苦手な男だから、思うように思考が繋がってくれない。それが彼にはすごくもどかしかった。

 俺の脳裏にハルカの家にあった地図が浮かんだ。

 あれがきっと鍵になる。勝利はそう思った。


ここからしばらく謎解きパートに入ります(´・ω・`)

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