カーネーション
掲載日:2026/05/10
【短歌】
霞んでゆくのは光が眩しいからだと思えるくらいの笑顔
回覧板の白紙にはタールの煙が滲んでゆく雨のサイン
今日の空は真っ青で誰かのジャンプは潔白と信じられた朝
水晶の中であたためてほしい空に涙を溶かした海を
苦くとも夕暮れキッチン少しだけ美味しくなる魔法を下さい
チリチリとふたつの静脈繋がって落ちてく点滴線香花火
あのひとの一部になるほどのキスを送るよまた明日
苦しい平和をチョイスする数珠繋ぎの運動はあの花の願い
カーネーションの花束の中で聴く震えた音に生かされてゆく




