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きらきらは夜空のもの

掲載日:2026/01/07

「冬の童話祭2026」、テーマ「きらきら」応募作品です。


 すぐに読めるショートショートですので、よかったら、ぜひ読んでやってください。

 ぼくの小屋の後ろには小さな池がある。

 そこには、ときどき星が落ちてくる。


 そんな小さな池に星が落ちるわけがないって?

 信じられないなら見てみるといい。


 ほら、今夜は白鳥座が沈んでる。

 水面に白鳥座が裏返しで見えるだろう?


 ぼくの仕事は、こんな星々を夜空に帰すことなんだ。

 今夜のは鳥の星座で助かったよ。

 水からすくい出せば、自分で飛んでいくから楽なんだ。


 なんとか、元どおりにおさまったかな?

 うん、大丈夫だ。


 こないだ、オリオン座が落ちてきたときは大変だったよ。

 ベテルギウスがおじいちゃん星だから腰が重くてね。


 え?どうしてここに星が落ちてくるのかって?

 それは、ぼくにもわからないよ。

 でも、いつからなのかは、なんとなくわかる。

 人が地上に灯りを灯すようになってからだと思う。

 もしかしたら、その光を仲間だと思って落ちてくるのかもね。

 

 手ですくうのかって?

 いくらぼくでもそれは無理だよ。

 このひしゃくを使うんだ。


 あれれ、ひしゃくがないぞ?

 あれがないと困るんだけどなあ……。


 あ、白鳥座がくわえていったのか?

 天に戻っちゃったみたいだね。

 まいったなあ。


 大変だ!

 こんな時に、こぐま座が落ちてきた!


 何が大変なんだって?

 こぐま座のしっぽの先には北極星があるんだ。

 北極星は天の中心なんだよ。

 北極星が天にいないと、星々がバラバラになっちゃうんだ。

 そうなったら、星座がみんななくなって、この宇宙は終わりかも知れない。

 

 それは困るって?

 でも、ひしゃくが無いとすくい出すのも難しいなあ。

 

 君、何かいい方法を思いつかないかい?

 そうだよね、そんなに簡単な話じゃないよね。


 え?さっきの話?

 星が落ちてくる理由かい?

 それは、地上の灯りのせいかも知れないって言ったっけ?

 まったく、人間がやることときたら、ちょっと先のことも考えなしなんだから困ったものさ。

 

 だったら、灯りを消せばいいって?

 それは無理じゃないかな?

 地上の灯りを全部消すなんてできるわけないよ。

 世界中の人が、ひとつにまとまったことなんて、一度もないでしょう?


 なんとかやってみるって?

 そこまでいうなら、頼もうかな。


 ★ ★ ★


 いやあ、君も思い切ったことをするね。

 まさか、灯りを消すために大陸ひとつ沈めちゃうなんてね。

 そこの人たちはびっくりしたろうね。

 方舟を与えたから大丈夫だって?

 それで済ますなんて、君もひどいね……。

 でもまあ、宇宙がバラバラになるよりはましかな。


 おかげさまで、北極星も、こぐま座の他の星も天に戻ったよ。


 ところで、この池はもう埋め立てることにしたよ。

 何かあるたびに、君たちに迷惑をかけるのは申し訳ないからね。

 それに、やっぱり星は夜空できらきらしてるのがいいからね。

 ぼくの仕事も、これでおしまいかな。


 これからどうするのかって?

 星が落ちてきそうな池を埋め立てて回るよ。

 一人で出来るのかって?

 このポンプと水瓶で水を抜いてしまえばかんたんだよ。


 じゃあ、またね。


(おしまい)


 最後までお読みいただきありがとうございました!


 もし、少しでも気にいってくださったら、★やリアクションをいただけると嬉しいです。


 今回はちょっと不思議な童話でしたが、

普段はもうちょっと騒がしいVRゲーム長編

『デスゲームに巻き込まれたのでマジチートしてイイですか?』

(マジチー)を連載しています。


バグ技、名古屋弁、ラーメンなど色々入り混じった

にぎやかVR冒険ものです。

よかったらこちらもどうぞ!

マジチー本編:

https://ncode.syosetu.com/n4658kt/

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