後の祭り
最期の時を待つ
しかし衝撃と共に僕の身体は瓦礫の的から外れる
衝撃のあった方を見ると母上が笑顔で瓦礫の下敷きになっていく
「よかった…!」
『は……!』
『母上ーーーー!!!!』
ぐしゃっという音がし鮮血が飛び散る
瓦礫の下からは僕を押して命を救った両腕のみ除いている
周囲は阿鼻叫喚であったが僕には静かに思えた
『う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
「うっ…おえぇっっっっっ!!』
鉄の匂いで鼻が刺激され嘔吐する
吐瀉物と血の匂いで倒れそうだった
「ソルー!!」
「無事じゃなさそう!」
アポロとイポスが駆けつける
後ろには真っ白い集団がいた。おそらく神殿の連中だろう
『ごめ、姉さん…!ぼ、、僕、、、!』
「とりあえず落ち着いて、話は安全なところで聞く」
「さあソルこっちだよ!」
イポスに連れられ母上だったものから引き剥がされる
吐き気に堪えつつケルベロスから離れる
後ろを振り返るとアポロの攻撃や神官の雷が落ちまくっている
母上の遺体や他の人の遺体がある中で容赦ない攻撃を浴びせている神官に疑問を抱きつつ、ふらふらした足取りでイポスについて行った
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その後安全圏についた僕は気絶した
疲れが絶頂に至ったらしい
寝ている間に全て終わっていたようだ
最終的に神殿が終わらせたようで、魔界側は国の瓦礫を撤去していた
なぜ魔界側が戦いに参戦できなかったのかというとケルベロスが吹き飛ばされた先、僕たちが逃げ込んだ先が神殿付近であったことに起因する
悪魔は原則神殿への立ち入りは禁止されている
立ち入るためには時別な許可を得てから立ち入ることが可能である
しかし、今回は許可を得ていない、そのため悪魔側は足踏みしてしまったということだ
ケルベロスを討ち取ったと神殿側が三つの犬の首を掲げている
この国を救ったのだと偉そうに、復興の手伝いもせずに
しかし魔界側は黙々と作業を行なっている
神殿付近以外は簡易的な家が立ち並んでいる
この日は、この国の復興のための会議に公爵家代表として参加した
姉のアポロとイポスも一緒である
そして強欲の罪そしてこの国の神殿を統べる司教:忍耐の罰も同席している
「俺の名はぁ!アレク・イーブノスゥ!」
会議室の机の上に足をのせふんぞりかえっている
年は僕より若そうな坊主頭だ
後ろには何人もの従者を引き連れている
「こんなチンケな場所に救世主様がきてやったのだ感謝しろ!」
おいお茶!と叫んでいる
対して強欲の罪は静かに座っている
「さてお集まりいただきありがとうございます。これからカルテリやー共和国の復興に関して現状と今後についてです」
前に出て他貴族が話す
しかし忍耐の罪:アレクがワンワン騒いでいる
「今後のことをぉ話すならぁ!!」
「暴食の罪が出した被害について魔界側はどう考えているのかよぉ」
ビシッと強欲の罪に指を刺す
室内の温度が一気に低下する、皆刺された方向を向き、相手の出方を伺う
「…知るか」
「はあぁ!それだけかよぉ。行方不明になっている人たちに申し訳ないなぁとか思わないのかよぉ」
「なんで俺にいうんだよ。いうなら俺じゃなく、」
机の下に手を入れる、そこから引っ張り出されてきたのはオレンジ色のキノコ頭をした子供だった
その姿を見るや否や戦争に出ていた集団の顔色がさらに白くなる
「暴食の罪:フォルトナ・ベルゼブブ・グラトニー」
「うへぇぇ……助けてくれぇ」
暴食の罪…!?なぜ生きているんだ、神殿が討ち取ったのではないか!?
「おら、早く解放しろ、飲み込んだ奴らを」
暴食の罪の背中を叩く、叩けば叩くほど周囲の顔色が土色に変化する
「うぅっ…ぼうぅえぇ」
暴食の罪の口から出てきたものは人の手であった
「父上!!!間違いない!!父上の手だ!!」
「ひっぱれ!!」
「やめとけ、触ると手がなくなるぞ」
「は、はぁ…」