憧れは自分の目標であり自分の象徴
『僕の憧れは「沈黙のアサシン《デストピア》!1000年前の漫画が原作だが、未だに人気の衰えない作品の主人公「デストピア」の立ち振る舞い!あれは全男子が憧れ、目指した作品!』
そう主人公デストピアは寡黙なダークヒーロー
結構前の作品なため結構ひどい描写があるがそこが人気の衰えない理由なのだ
ちなみに僕が1番好きなシーンは…
「ストップ!!長くて話すのがはえぇ!!」
「知らねえしな、その…なんだあぁ?」
『沈黙のアサシン《デイストピア》』
「そうそれだ、その変なのはなんなんだ??」
『これは僕が1番最初に出会ったアニメでその後ちゃんと原作も手に入れて、今ではプレミア価格がついて一冊100万超えてくるほどなんだけど今でも人気の作品で、寡黙で任務を淡々とこなすだけだった主人公が人と出会っていく上で感情が芽生えていく作品で…』
そうして僕は朝のホームルームが終わった後も語り続けた_
そして放課後
「とりあえず!その作品の主人公に憧れてクールぶってるんだな!!」
『クールぶってるは余計だけど正解』
シルウァが1日のことをまとめた
そうか僕は今日1日話しまくってたのか
こいつらは一日聞いていてくれたのか
「今日一日その作品について聞いてたけどすげえな!なんだっけ、いっぱい人を殺して最愛の人を蘇らそうとしてるのやべえな!!」
『だろ!?そこのシーンでデイストピアが愛について深く悩むんだよ!!』
そう、そのシーンがトップを争うほど好きなシーンだ
最愛の人をデイストピアに暗殺され精神的不安定に陥り町の人びとを殺して周り死体を積み上げ死者蘇生を果たそうとした
しかし最愛の人は生き返ることはなかった…
「くうぅぅぅぅ!!なんとも悲しい話だ!!!」
シルウァはついに泣き出してしまった
まあその気持ちもわかる
僕も最初見た時泣いたし アポロにめっちゃ気持ち悪がられたしな
三人で帰路に着く 帰路といっても全員馬車だからそんなに長くないが
今日でこいつらに布教できたならよかった
二人に別れを告げ馬車に乗りこみ揺られながら家へ向かう
今日は新学期なため姉たちはあっちに泊まり込みだろう
コンクリートで舗装されてはいるが砂漠の砂でガタガタしている
砂埃を上げながら馬車は進んでいく
家につきすぐさま夜のトレーニングへ向かう
朝と同じメニューをこなし夕飯にがっつく
父上は仕事で同席していなかったため執務室へ向かう
今日の朝話したことを父上に相談するのだ
コンコン
『失礼します、父上いまお時間大丈夫ですか?』
「おう、ソルか大丈夫だぞ」
『ありがとうございます。今朝アポロとイポス
と話したんですけど…』
「なるほど…それで魔物か天使かどちらにするのか決めかねているんだな」
『そゆことです』
父上は事務作業を止め僕の話に耳を傾ける
父上と姉は悪魔を母上は魔物であるケルピーという上半身は馬、下半身は魚の形をした魔物を呼び出している
うちは悪魔一家である
というか最近は天使の召喚に成功した人は神殿に向かうから接点が少なくなる
つまり天使を召喚できる人間は同じく天使を召喚できる人と結ばれ悪魔を召喚できる人は同じように悪魔を召喚できる人と結ばれる
そのため悪魔を生み出す家庭、天使を生み出す家庭とくっきり別れてしまう
「天使を召喚すれば神殿に囲われてしまうからな、父親としては魔の方に行ってほしいが、選ぶのはソル、お前だ」
『わかりました。助言ありがとうございました。』
執務室を出て長い廊下を歩く
暗闇に浮かぶ一つの月を眺めながら考える
悪魔か天使か…
考えても答えは決まらない、仕方がないので部屋に戻った
そして夜が明け朝がきた
今日も僕は朝の特訓へ向かう