落ちこぼれ貴族は手段を選ばない
授業が終わりそれぞれが帰路に着く
「「おーーーーーーい!!!!!!!!」」
ライオとシルウァが駆け寄ってくる
屈託もない笑顔で カバンを持ちながら
「「一緒に帰ろうぜえええええええええ」」
「お断りする」
「「嘘だろおおなんでええ!!」」
誘いもうるさいが断ったもうるさい
なんでなんでと連呼する二人を無視して学校を出る 無視しているのについてくるので人混みに紛れて二人を巻く
路地裏に入り服を変える
顔、体格、体臭まで変化させる
そう今朝父上が話をしていた盗賊の一端はこの僕である
路地裏を散策するとまだまだ怪しい奴らはいる
そう言う奴らから金品を強奪する
僕は魔物の召喚にも天使の召喚にも才がなかった
才というか、両方に才があったのだ
魔物召喚の儀に参加した際、担当魔の人に
「なんでしょうね、、不思議なお子さんだ。 魔物召喚に向いているようでうっすら天使のような胸糞悪い雰囲気も感じる、、」
「天使の召喚の儀にも参加することをお勧めするっす!」
天使の召喚の儀のため神殿に向かえば、、
「悪魔共の召喚に赴き才があると言われてしまったのならこちらの儀式には参加不要です。 魔のものは予約してからお越しください。」
と追い出されてしまった。
そこで僕は考えた。
魔は悪、天使は善であるため、両者の才能があるなら善悪に当てはまる行動を行えば才能が伸びるのではないか、と
と、言うことで僕は強盗とヒーローを兼任していると言うわけだ
「さて、今日もひと稼ぎ、、!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
現在時刻 19:00
帰宅時刻 17:00
説教時刻 2時間
帰ってきて早々姉とイポスに連れられ向かったのは父上の執務室 砂漠のイメージとはとても似つかないシックな内装である
そこには母上も同席していた 普段寄り付かないのになぜだろう
「そこに正座なさい、ソル」
しかもとても怒ってらっしゃる、、、容姿端麗な顔が眉が吊り上がり、血管も浮き出ている
こんなに母上が怒る事なんてない、とりあえず言うことを聞いておく
「さてソル…お前は街で悪党相手に強盗しているのか?」
ギクゥ
冷や汗が尋常でないほど垂れる。正義のために活動している時的に追いかけられた時より汗がすごい
『ち、父上、、なぜそれを、』
「素直に認めるのね、全くどうしてそんなことをしたのか、、」
「部屋に金品が日々増えて行くのに使用人が気付いてな、少し尾行したらすぐボロが出た」
「な、なるほどぉ」
僕は足をつけまくっていたらしい
強盗から強盗した金品は貧しい人に渡すのではなく自分の財産として貯金していたのだ
僕はなぜこのようなことをしていたのか説明した
「はあぁぁぁぁ」
全員から深いため息が出る
「あのねぇ、努力の方向が間違っているのよ。始めるなら体力作りから始めなさい。 あなた引きこもってゲームやら勉強やらで一切運動しないじゃない。」
『ウッ!』
図星をつかれ何も言い換えせない
その後、罰として盗賊衣装一式と金品を没収され、反省文を書かされた。 僕の、数ヶ月の給料が、、
そして次の日から日が昇前に起床し、筋肉増強トレーニングを行い始めた
「嘘、、でしょ、、腕立て20回もできないの??」
「腹筋、背筋、スクワット全て20回もできてないねぇ」
『し、死ぬ、、 川が見えた、』
呼吸ができない 肺が一生酸素を取り得れているが機能しない
酸素が全体に行き渡っていない
「この程度で根を上げられたら困るんだけど。これ夜もやるからね。」
『嘘だろおぉぉぉぉぉぉ!?!?!?』
太陽が顔を出し店が開店準備を始め出した砂漠では珍しい涼しい時間帯に少年の叫び声が響いた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4年後……
『「97!98!99!」』
『「100」』
『よっしゃあああああああ!!!!!』
太陽は沈み暗がりが広がる午後19:00
強盗していた頃から4年の月日が経過し筋トレメニューである腹筋・背筋・腕立て伏せ・スクワットなど100回できるほど筋肉がついた
年齢は14になり今年一年乗り越えたらミドルスクールを卒業になる。
次にハイスクールに進むのだが、イニティウム皇国にある最高峰の学校に進学しようと思っている
姉の学校である
アポロの通う都市の学校は優秀な人材を集めた学校であり、長くて幼児期の頃から関わっている生徒がいる
アポロはミドルハイスクールの時から通い始めそのままハイスクールに通う予定だ
通うためにはまたあらためて実力を示す必要がある
そう、実力を示さなければならない
しかし未だ召喚には成功していない
毎年魔と天の召喚に挑んでいるがうんともすんとも言わない
「さあ、朝のトレーニングは終わりにしてご飯食べましょう」
「わあぁい!!ご飯だ!ご飯だ!」
僕の筋トレに付き合っていたアポロだけでなくイポスもなぜか筋肉が付きたくましくなっている
そのことを褒めたつもりで言ったらめっちゃ泣かれてめっちゃ怒られた
女心は難しい
食堂へ向かう
イポスはスキップしながら前を進む それを諌める形でアポロが歩く
何が僕に足りないのだろう
なぜ相手は答えてくれないのだろう
魔物と天使どちらか召喚できたら良いと考えて毎年どちらも挑戦しているからだろうか
『どちらかにしないとダメなのか…?』
今後のことを考えながら食堂へ向かう
「なぁに考えてるの?」
イポスが振り向き尋ねてくる
さっき考えていたことを二人に話した
「なるほどねぇ、」
「確かに魔物と天使を呼び出した人って未だかつていないもんね」
『だから今年はどちらかに賭けようかなと思って」
「そぉだねぇ…それがいいのかもね。 魔物と天使は互いを退ける力、存在だからどちらにも挑戦していたから呼び出しがどちらも遠ざかっていたのかもしれないねぇ」
魔と天は相反する存在 そのためどっちかを取ろうとしていたはずがどっちも遠ざけていたようだ
その後食事を経て学校へ向かう
新学期だがクラスメイトは変わらず、騒がしいライオとシルウァとも一緒である
「へぇー!ライオたち首都の学校に通うのかよ!!」
「おうよ!推薦状もこの前とどいたんだぜ!! しかも二人目の召喚の兆しも見えてきたんだぜ!」
「マジかよすげぇな!」
「二人目とか聞いたことねぇよ!」
「あるだろ去年授業でやったわ」 「そうだっけ」
ライオたちの机にすごい群がっている
僕が目指している学校から推薦状が届き、さらには二人目の召喚に成功しそうなようだ
稀に二人目三人目の召喚に成功する人がいる
魔物の召喚ならまだ結構いるようだが、悪魔の召喚などそうそういない
そのためライオが何を召喚するのか皆んな気になっているのだ
「よおおおお!!ソルじゃあぁぁぁねえぇぇかあぁぁぁ!!!!」
シルウァが駆け寄ってくる
ライオを皆に取られ暇だったようだ
「辛気臭い顔してんな!!」
わっはっはと笑うシルウァを避けて席に着く
「未だに何も召喚できない公爵家の長男さまとは大違いだな」
「本当に。貴族の恥晒しだわ」
「双子の姉に才能全て取られてるんだ、仕方ないさ」
言っとけ、言っとけ 僕はもう召喚の鍵に気がついたのだ
「俺らのことを無視しやがって」
「あの態度も気に入らない」
「確かにな!お前なんでそんなにクールぶってんだよ!!」
「うるさい」
「ほらぁ!!もっとこう…にこやかに、俺らみたいに元気よくさぁ!!」
「お前らはただ暑苦しいだけだろ。いいんだよ憧れに少しでも近づくためなんだから」
「なんだ?憧れって!!気になるぞ!!!」
囲まれていたライオが人の間から顔を出す
またうるさいものが増えてしまった…