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没落貴族の成り上がり  作者: 権兵衛
落ちこぼれ貴族として生きること
16/21

悪魔からのお願い

コハクにつれらるがままやってきたのは町外れにある小さな広場だった

前までここも少しは栄えていたようだが、人の気配すらしない寂れた場所になってしまった


「今から1時間俺とソル・クロノス・カルテリヤーとの会話は二人以外には絶対に聞かれることはない」


『言霊を使ったのか』


「聞かれては困る。本来ならばお前のような矮小な存在に話すことではないが、俺がお前の守護となってしまった手前話さなくたはならない」


今までになく神妙な面持ちで口を開くコハクに冷や汗が止まらない

面持ちというがコハクはフードで全顔を隠しているためどのような顔をしているのかはわからない


ゴクリと俺が唾を飲む音がコハクにまで聞こえそうなほどの静寂がさらに僕の緊張を昂らせる


「お前の目的についてだ」


『俺の目的?』


「あぁ、陛下にお前のことを告げ、魔界から離れる許可をもらった際、新たに命じられた


「お前が召喚されるとは、しっかり守護として役目を果たすが良い。決して魔界と人間界そして天界との亀裂をこれ以上広げるな」


と。だから問う。お前が俺に望む守護としての役割とはなんだ。」


コハクに課せられた命令、守護としての役割と3世界との揉めるな


『とりあえず僕が望むのは力だ。家族を守る力、相手を見返す力が欲しい』


「他は、ないのか?」


それだけかと言いたげな様子でコハクは聞き返すが本当にそれだけなのだ


『僕は公爵家だが、色々な人に馬鹿にされてきた。この国は共和国。貴族が収める国だから落ちこぼれは淘汰されるのは理解できる。だが僕は悔しかった!…』


強く拳を握る

前まで白くすぐ折れてしまいそうだった手は日焼けし大きくがっしりしていた

それでも上にはまだまだ化け物じみた同い年や年下がわんさかいる

その化け物でさえ目の前の悪魔に敵わないそうだ


『自分の存在が小さく、惨めであることが情けない、だから強くなりたい!』


コハクを力強く見つめる

片足重心で話を聞いているようで僕の話をしっかり聞いているかはわからない


「そおかよ。俺としては何がしたいか欲を聞ければ満足なんで理由とかどーでもいい」


コハクが近づいてくる

フードの中身は目を凝らしても何も見えない闇で覆われており、吸い込まれそうだった

僕の額にコハクの人差し指が突き刺さる


「まずは言葉使いから強制する」


ツンツン額に指を突き刺されながらコハクは言う

僕としては何を言っているんだか何もわからない


「僕をやめろ。お前としてもいい加減一人称俺になりたいだろ?」


『いつ変えればいいのか、タイミングが掴めなかったんだよ』


「今から変えろ。そうすれば少しはマシになる」


『それだけで強くなれんのかよ、』


「魔力や力はイメージだ。さっきのお前だって昔の石ころを想像して加護を使っただろ」


確かに昔の岩を想像して過去に戻した

想像より過去に巻き戻らなかったが


「あとは、基礎的戦闘技術か。それは姉とか赤いのに教わればいいだろ」


俺の仕事さほどねぇなと少し嬉しそうにするコハク

聞きたいことや重要なことはこれだけなのだろうか


「そうだ、あとひとつ。お前らに暴走化を行なっている人物の特定、排除を行なってもらう」


『は?』


「今回、カルテリヤー共和国で七つの大罪 暴食の罪7番目(ベルゼブブ)であるフォルトナ・ベルゼブブ・グラトニーが暴走化し国を壊滅状態まで追いやった。 暴食に罪が死んだわけでもないのにこの惨状。そして魔界や人間界でちらほら見られていた悪魔の狂気化。組織的犯行の可能性が高い。そこでお前らが滅ぼしてくれって話だ」


『はぁぁぁぁぁ!?!?』


コハクは七つの大罪に関して詳しく話し始めた


「まず前提として悪魔による人間界での大きい損傷、被害の度合いで七つの大罪が組まれている。つまりやらかした内容、度合いが大きいから七つの大罪は存在している。俺が把握している罪は

嫉妬の罪 1番目(レヴィアタン)はモスニィ公国を破壊して

傲慢の罪 2番目(ルシファー) は身内の不祥事を傍観して神に誓える者を死なせた

怠惰の罪 3番目(ベルフェゴール)はしらねぇ

憤怒の罪 4番目(サタン)はカルテリヤー共和国を燃してした

色欲の罪 6番目(アスモデウス)はどうせ催淫でもしてなんかしたんだろ

暴食の罪7番目(ベルゼブブ)は腹減って暴れたらしい

んで…」


『ちょっと待ってくれ、適当すぎないか?そんなに把握できていないものなのか??あとコハクお前は何をやらかしたんだよ。覚えてないのか???』


頭を抱える

情報量の多さとツッコミどころの多さで一回話を止めないと頭がパンクしそうであった


「あいつらが起こした最悪なんて何百年も前だ。俺が知っているわけねぇだろ。それに俺が起こしたことに関して一切記憶していない。記憶に蓋をされているような思い出すこともできねぇ」


顔を歪ませてコハクは言う

嘘はついていないようだ、裏に深い事情があるようだ。ただ他者を傷つけただけではなさそうだ


「話を続けるぞ

こういう災厄は個人の私利私欲で行われることがあるが一定の法則がある。それは七つの大罪が欠けることでその罪に沿った災厄が起きるとされている。」


『今回の惨状を引き起こした暴食の罪の座は欠如していない。なのに関わらずカルテリヤー共和国は被害にあった。』


確かに不可解だ。それに恐れられている七つの大罪だが街が壊滅したのはケルベロスによるもので暴食の罪はコハクたちによって抑えられていた

いくらなんでも被害が少なすぎる


「あいつが本気で暴れたら、建物なんかなくなる。全てのあいつの胃袋の中だ」


今の惨状以上の被害が出るらしい

それを聞いて身の毛がよだつ。今俺の目の前にいる人物もこの国なんか瞬時に破壊できる力を持つ悪魔であると痛感させられた

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