卒業式のハプニング
あの晩からライオやアポロとともに鍛え始めた
毎日鍛えて鍛えて頭も鍛えて知識だけはあいつらに劣らないように努力を続けた
春が近づく、僕たち三人は同じ学校を志望した
国立テオロギア士官学校
イニティウム皇国の中央都市アサナイトに位置する戦闘に特化した学校である
人間界トップの学校、召喚していないヤツが受験したのは初めてだと入試試験管に言われた
そして見事に俺だけが落ちた
しかし諦めない、来年も再来年も受験してやる
まあ、悔しくて泣いたのはいうまでもない
『ぢぐじょぉ』
「落ちたんだな、」
「俺も落ちたけど、ああいうヤツがいると冷静になれるよな、」
「そうだな、来年頑張ろうぜ、」
そして何も召喚できないまま、中学校卒業式を迎えた
「春の陽気が漂い、暖かいこの日に僕たちは卒業します」
卒業生代表はライオであった
こう見ると優秀な生徒なのだと実感する
しっかりと閉めたネクタイに姿勢がよく、スタイルも良い
隣に座る令嬢が頬を赤らめている
「卒業証書授与 アイイ・ルヤス」
「はいっ!」
一人一人前に出て卒業証書を受け取り燃やす
あの卒業証書には召喚紋が描かれており、対象者の守護を呼び出すことができる
そう、僕にとっては公開処刑である
「僕は商業の道に進みこの国の復興を支援していきたいと思います!」
召喚した後は自分の目標を述べ、礼をし下がる
これが続く
「次 ライオ・カイロス・カルテリヤー」
「はいっ!!」
次はライオのようだ
「来いっ!俺の守護者シルウァ・トロピカ!!モミジ・メンシス!!」
「ま、まじか?!?!」
「二人の守護者かよ!!」
マジかあいつ、成功させたのか
あいつは二人目の守護を呼び出すため僕と一緒に訓練に励んでいた
そして成功したらしいが、卒業式で披露すると隠されていたのだった
「ウオォオオ!!」
「ひゃ、ひゃあ!!」
いつもの暑苦しいシルウァの隣にはおとなしそうな少女が現れた
「この俺、ライオは国立テオロギア士官学校に通い!先日あった悲惨な事件を起こさないとここに誓う!!あの事件のせいで多くの者の未来が奪われ、幸せが薄れていった!!こんなことは許せない!!こんなこと二度と起こさないためにも俺は強くなる!!」
「「ウオォォォォォ!!!」」
歓声が上がる
すげえな、同じ公爵家なのにここまで差が出るものなのか
「次__」
そして着々と式は続いていく
「次、ソル・クロノス・カルテリヤー」
『はい』
呼ばれてしまった
卒業証書を受け取る
はぁあ、出ねぇのにな
「クスクス、公爵家の面汚し」
「強欲の罪に本当に面汚されてんでしょ?」
嘲笑が聞こえる、こいつらを見返してやるためにこんなところで止まっている時間はない
過去を取り戻すほどの力を手に入れる
強欲なんかひと蹴りでぶっ飛ばせるほどに
「……ふむ、面白い子じゃ」
決意を固め卒業証書を燃やそうとする
すると脳裏に問いかけが響く
お前は何を望む
『俺は、強くなりたい』
なぜ力を望む
『全てを覆せる力、あいつらを見返すために、コハク・グリードに一泡吹かせるために…!!』
へぇ、いいね、面白い
お前に貸してやるよ、俺の力
言葉にしろ、お前の中の《強欲》を…!
『俺は、!力が欲しい!!いつもお前らに馬鹿にされてきた!!公爵家のくせに無能だと!姉に全てを奪われたと!!すげぇ悔しかった!けど事実だから何も言い返せなかった!!』
「急に何言ってるの?」
「頭おかしくなったんじゃない?」
「ソル…」
ライオが不安そうに僕の、俺の顔を見る
『俺は、力が欲しい!!誰にも何も奪わせないほど強大な力が!!!』
俺は卒業証書を炎にかざす
すると真っ黒い霧が俺を包み込むように出現する
「ソル君!!」
先生が青ざめた表情で駆け寄ってくるが弾き飛ばされる
「どけっ!」
後方で待機していた神官が飛び込んでくる
「ライジング!!」
雷が霧に向かって放たれたが消えてなくなる
「何?!?!?」
『お、お前は、!』
霧が収縮して人型になる
「あぁ?なんだお前」
『ご、強欲の罪 5番目コハク・グリード…!様』
嘘だろぉぉぉぉぉぉ!?!?!?




