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66エピローグ


 数日後。王都シュターツにカルバロス軍指揮官のパトリスが連れられて来た。

 王宮の厳重な警備の元彼の取り調べが行われた。

 取調室でパトリスは王妃クレアと結託していた事。ディミトリーが国王になったらレントワール国に攻め込んでレントワール国をカルバロス国の属国にすることなどいろいろ計画をしていたらしい。

 王妃クレアは捕らえられ取り調べを受けた。

 ディミトリーも国王の子ではない疑いが掛かり幽閉された。



 すべての事が明らかになり宰相リカルドは絶句した。

 すぐにシャドドゥール公爵家は元通り公爵家として呼び戻された。

 ディミトリーは国王の座を奪われクレアは王妃でもなくなる。

 クレアとパトリスは厳重な警備の牢獄に入れられることになった。

 ディミトリーはクレアの生家である伯爵家が受け入れてもらうことになった。

 そうは言っても向こうも跡取りはいるので爵位はもらえないだろうが、ディミトリーはそれでもよかったらしい。

 ステイシーと一緒ならとふたりはカルバロス国で暮らすことになった。

 カルバロスの国王は、この事態の責任を取って引退を表明し新たにクレアの異母兄であるアンドルーが国王になった。


 そしてルヴィアナがニコライの子供であることも考慮されてレントワール国初の女王になることになった。

 夫はもちろんランフォードだ。

 ルヴィアナはものすごく忙しくなった。

 政務に追われ会議や隣国との調整など。

 ルヴィアナとランフォードは魔族のいけにえを廃止することとし、魔族とは今後何の弊害もなく行き来できることにした。


 これによってアルドやコレットも王宮に出入りできるようになった。

 コレットの出産は近い。見知った人たちの元で出産することになってコレットは安心できると喜んでいる。

 アルドはコレットに付きっ切りで魔王の仕事はジルファンとフォルドにまかせっきりにしているらしい。

 それにコレットが失言してジルファンがランフォードの父親であると言ってしまった。

 ランフォードは驚いたが何とも不思議な縁だと思った。

 もちろんジルファンを父親として心から喜んで受け入れることにした。


 レイモンドも血の繋がりはないと分かっても今まで通り兄としてルヴィアナの右腕として頑張っている。

 お母様。もちろん今までで一番張り切っているんじゃないかしら…



 *********


 ここはある日の王宮の王の執務室。

 今日もルヴィアナとランフォードは色々な政務に忙しい。

 「ランフォード。他にやらなくてはいけないことはなかったかしら?」

 「大体の事はこれで片付いたはずだ。他に残っているのは一番大事な事だ」

 「一番大事な事?なんです?えっ?それは何です?何を忘れているのです?」

 ランフォードがルヴィアナに近づく。


 「君と俺の結婚式だ。これが一番大事じゃないか?」

 「もう、ランフォードったら、驚かせないで。結婚式はコレットの出産が終わってからって決めたじゃない!」

 「書類だけでも先にどう?君が欲しいんだ。もう我慢できそうにない。だからいいだろう?いい加減お預けを食わされている俺の身にもなってほしい」

 そう言ってルヴィアナの唇を食むランフォードはとっても野獣みたいだ。

 「もう、ランフォードったら。そんなあなたを愛してるわ」

 「俺も死ぬほど愛してるルヴィアナ」



 「はい、そこまで。今日も忙しいんです。あなた達のお熱いシーンを見せられる私の身にもなって下さい」

 ローラン様は今度は王の書記官になって今ではこの執務室で仕事をしているのです。

 「はい、はい。ランフォードまた後でね」

 ルヴィアナはもう一度愛する夫の唇を食んだ。

 「クッソ、ローラン覚えてろ」

 ランフォードは名残惜しそうにその唇をもう一度味わうと仕事に戻る。

 「そんな事より仕事お願いします」

 「はい、はい、やりますよ」


 ルヴィアナが女王になったことでますます忙しくなった。

 おまけに前世で知っている自由と民主主義の精神がルヴィアナに国の改革邁進に拍車をかけた。

 なかなか二人きりにもなれず苛立つ日もあるがルヴィアナもランフォードも心から幸せだと思った。


 あっ、それから新婚旅行はぜひにとアルバキア国からご招待が届いてるんです。

 ここはローラン様にまかせていっそアルバキアで結婚式を挙げるのもいいかもしれない。 

 そんな事を考えているルヴィアナだった。





                               ーおわりー




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