「漫画の読書感想文はダメ」?
――漫画の読書感想文は上級者向き――
■読みやすさと語りやすさの違い
「どうして漫画の読書感想文を書いてきては いけないのか」と先生に言う小学生が居る。
必ずしも いけないというわけではない。ただ、難しいのだ。文章でなく絵が中心の本を言葉で どうこう言うのは難しいのである。
これは漫画だけでなく絵本にも言える。松谷みよ子の『いないいないばあ』は0歳の子供にも『読めてしまう』易しい本だ。だが、この『いないいないばあ』の感想文を書くことになれば、多くの人は途方に暮れてしまうだろう。『いないいないばあ』について それなりの事が書けるのは上級者だけだ。読みやすい本だからといって読書感想文を書きやすいわけではないのである。
何が起こってどうなったかを文章で説明している本の方が読書感想文は書きやすい。作者が言葉にしてくれている部分が大きいからだ。絵で説明されていることを言葉で説明するためにはそれなりの言語能力が必要になる。
読むだけなら、漫画の方が読みやすいだろう。だが、読書感想文を書きやすいのは文章が中心の本の方だ。漫画の読書感想文を書くのは「小学生には早い」のだ。
「それでも漫画の感想文が書きたい」という「上級者」の小学生は、「自由研究」の方に漫画の感想を出せばいい。
私は小学6年生の時に『ドラえもん』についての論考をまとめて本にした。そしてそれを夏休みの自由研究として学校に出した。先生からも級友からも褒められた。回し読みされてボロボロになってしまったけれども……。