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始まりの人

「なろうラジオコンテスト」でお題をもらい作った作品でしたが、読み返してみて言葉足らずなのが気にかかり、加筆・訂正しました。雰囲気は変わっていないと思います。

 まあねぇ。 あの時の俺はどうかしてたんだよ、きっと。

 暗闇が怖くって肝試しが駄目で、遊園地のお化けハウスなんかスルーしてた俺が曲がりなりにも覗こうって気になったんだから。


 ん? どこって聞く? あそこだよ、学校の横の坂道上がった森の中。

 あそこにボロいアパートがあるの知ってるだろ?

 地元じゃ有名だもんな。自殺した幽霊が出るとか、さ。


 何で行ったかって? よくぞ聞いてくれた! さすが俺の親友(ダチ)だ!

 ホント~に不幸な偶然なんだよ、嫌になるくらいにな。


 コンビニでツレと馬鹿話しててさ。コーラを一気飲みしてつい盛り上がって。 『どんと来いやあ!』と叫んだら・・・姉貴につかまったんだ。ちょうど良いわ、荷物持ちでいいから行くよ、って。


 お前も知ってるだろ、俺の姉貴。

 あの押しの強さは4トントラック並みだから。俺が勝てるわけがない。


 そのままずるずると連れられて、あのアパートに入って。

 そしたら、ものの数分で姉貴はアウト。

 ああ、あそこ、蜘蛛の巣とネズミだらけなんだよ。それも山盛りで。

 あの姉貴が『ぎゃあぁー!』ってすごい声出してさ。大笑いだよ。


 んで、俺一人残されて。逆にテンション上がってさぁ、一番奥に行ったんだよ。

 そしたらさ、そこになんと! 伝説の剣があったんだよ!

 どうしてわかったか、って? 書いてあったんだ、『伝説の剣』と。

 眉唾だぁ? 喧嘩売ってんのか、お前?

 俺もおかしいとは思ったよ。でも、実際にあったんだから仕方ないだろ?

 部屋の真ん中にどど~んと岩があって、そこにぶっ刺さってたの。


 そこまで来るとお約束じゃん。当然、やるよな?

 ああ。やったよ。そしたら抜けた。で、そのあと、魔王が出た。


 ビックリしたよ。何だこのドッキリは、って思ったさ。

 そいつが言ったんだ、『勇者よ、待っていたぞ』 何のことだよって思うだろ?

『お前は何だ』って怒鳴ったら、『剣に取り憑いた魔王じゃ。ふふん、倒せぬじゃろう』と、こうだよ。


 よくよく聞いたらさぁ、勇者と戦ってて負けそうだったんだと。でも死にたくなかったんで、最後に勇者の剣に取り憑いてそのまま転移したんだって。

 まあ確かに、魔王って言えばラスボスで、いっちばん最後まで残ってド派手な魔法をバンバン撃って。でもって消滅、がお約束だもんな。そう聞いたら哀れかも。

 でもさ、ドヤ顔で言うんだぜ? イラッと来ちまったよ。


 ん? それでって?

 ああ、元通りに剣をぶっ刺して来たぜ。岩に。

 どうしてって。いやだよ、あんな拗らせ魔王の相手なんか。

 俺らの世界に来た段階で誰が倒すってんだよ。勝手にやってろ、て思うだけさ。

 あ、何だったらお前行ってきたら? 抜けると思うよ。

 頼むぜ、『勇者』様?





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