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過酷な星

作者: 都 ボブ

自分主義で生きていませんか?

自分が他に与える影響も考えていきたいですね。

そんな時に読んで欲しいです。

悲劇的な大災害に記録的な異常気象、未知の病原体との戦いが終わらないこの星。その中でも、ガレキの隙間や砂漠の地下に暮らす我々はさらに大変な生活を送っている。

敵から身を守るためなのだから仕方がないのだ。

「俺たちいつまでこんな生活送ればいいんだよ」

「しょうがないだろ。あんな化け物たちに敵うわけがない」

昔から危険とされていた化け物たちが近年、より一層勢力をあげてきているのだ。

「しかも、小型の化け物にかぎって凶暴ってどうなってんだ」

「家があるだけでもまだ安心できるってのに、その家すらも壊しにくるって死活問題だよ」

「おまけに飯の調達でも一苦労だなんて。いつ尽きることやら」

あまりの生活の苦しさに話し出すときりがないないが、それ故に彼らはより一層集団で助け合うようにしている。

「化け物はどんな姿をしているんだ」

「なんだ見たことないのか。二足歩行の巨大生物だよ。あんな生き物もいるんだな」

「敵わないとはいえど、攻撃もするにはするんだろう。手段はあるのかい」

「ああ、若くて素早いやつは噛み付いたりして攻撃しているようだが、、」

「だがなんなんだね」

語尾を強めて聞いてはいるが、本当はわかっているようだった。

「あの力には勝てないようだ」

そういうと、顔に絶望の色を浮かべて落ち込んで家の方に体を向けた。

「もうじき日が昇る。奴らが動き始めるぞ」

「ああ」

そう言い残して彼らはそれぞれ家に戻った。しかし、彼らが家に隠れていても巨大生物は無差別に家を荒らしにくることがある。

こればかりは運に頼るしかないのだ。

ただ、家に帰った彼らもずっと困っているわけにはいかない。この星のこの場所には4つの季節がある。気候などの問題でかなり珍しいらしいのだが、もしかすると宇宙のどこかに似たような星があるのかもしれない、そんな星に行きたいなど流暢に考えている場合ではない。

彼らたちは寒い時期に外に出ることができない。暖かい時期に食料などの生活必需品を蓄えておく必要がある。つまり、巨大生物の動向にかかわらず生きるためには働かなければならない。

日がてっぺんに昇りかかった頃、奴らの叫び声が聞こえてきた。

「バレないように仲間の匂いをたどって前に進め」

集団の中でもリーダーに近いような位置にいる、先頭の者が言う。

「力で敵わない敵がいるのに、我々の視力がほぼないとは不条理ではないだろうか」

「そんなことは今に始まったことではない。今日の目標物はあれだ」

リーダーが声を出して示す。

「見たことはないが食物なのだろうか。他の生物でないだけマシか」

そして彼らは急いで目標物へと向かう。

すると突然、巨大な手が目標物をかっさらっていく。巨大な中でも割と小さめの手。

まるで、子供のような手。

「くそ、凶暴な方だ。一旦撤退しよう」

しかし、もう遅かった。

巨大な足が、いや靴を履いた足が彼らをぐしゃりと潰す。


そう、まるで人間がアリを潰すかのように。



この過酷な星が、地球であるかのように。

普段はアリの気持ちなど考えたことすらない。

でも、焦点を当ててみると奥深くて複雑。

これからも視野を広くして生きていきたいですね。

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