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回避出来た令嬢は?  作者: 明月 えま
第1章・新しい生活の始まり
8/63

思いついた不安は神のみぞ知ること。

とても短いのですが、次回よりしばらくリオン視点にする為、投稿させていただきます。

今回は、とてもネガティブです。明るい話や、ラブラブが好きな方、すみません。

籍も入れ、名前もレイローズ・グラートになっている。

神殿での結婚式の準備も、パーティーの準備もほぼ完璧。準備はとても楽しかった。後は当日を待つだけ。そんな状態になって、1人で午後のお茶を飲みながら、今までの事を思い出していた。約1年なのに、状況は大きく変わって、リオンの妻になっている。


リオンと共に暮らして、奥様と呼ばれる生活も、2ヶ月経つ頃にはずいぶん慣れた。


そんな時、ふと、気になってしまったのだ。


私は車に乗っていて、事故で死んだ。あんなに真っ正面から大型トラックに突っ込まれたら、絶対、生存は無理だ。


じゃあ。リオンは?


胸が苦しくなった所までしか覚えてないって話してた。


ふと、前世で読んだ小説ネタを思い出す。主人公が、病気の間異世界に行って、異世界を旅したり、英雄となった後に現実世界に戻るパターン。


もし、今、リオンが居なくなったら?


ゾッとする。

急に世界が色褪せていく。


リオンは、本当に転生者、なのだろうか?

まさか。意識だけ転移している可能性はないのだろうか。


転移者だった場合、日本人という記憶を持ったリオンの意識が日本に戻ってしまったら、私はどうなる?


リオンは、私の事を覚えていてくれる?


私を、愛してくれる?


分からない。

そうと決まった訳でもないのに、急に恐ろしくなる。


最近、リオンに依存していると自覚していたけれども、もしかしたら、急に失うかもしれないなんて。そんな事、考えた事も無かった。


あの人がいなくなったら。


私は。


私は・・・。


身体が急に熱を失う感覚。指先が白く、冷えていく。


確認しようにも、貴方は本当に前世で死んだの?なんて。そんなひどい質問、出来そうにない。質問したとして、私も、気がついたらこの世界で過ごしていたのに。彼に尋ねて、死んだ確証なんて、得られるのだろうか。


来週の週末には、ラトル教会での式も、披露パーティーも決まっている。


幸せになれる筈の私が、音を立てて壊れていくような気がする。幸せになれる筈の結婚式で突き落とされたら?


だって。私。悪役令嬢の取り巻き役だった。


この世界は、私が幸せになる事を許してくれるのだろうか?


転生する前に、神様やら女神様に会って、貴女、転生させてあげますよと言われるわかりやすいパターンならよかったのに。


この世界の神様は、ラトル様という一神教だが。こんなにストーリーと変わってしまったこの世界の事を、どう思っているのか。




気がつくと、空になったティーカップに口をつけていた。

空になったティーカップを見て、ふと、現実に引き戻される。


考えすぎだ。ネガティブな思考は良くない。


ふっと、小さくため息をついて、立ち上がる。


6月に入ったというのに、雲1つ無い、からりと晴れた空が窓から見えた。




沢山のパターンあるある。思いついてしまったら、気になりますよね。

人間、やる事が無いと、考え過ぎてしまうものです。

まっ、このあと、リオンが頑張りますので大丈夫ですよ。

・・・頑張らせないと。頑張れリオン。

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黎明 ルークスタッドの後日談、連載中 不器用令嬢、騎士になる カイウスの恋愛話、主に嫁視点を書いてます。  こちらもよかったら読んで下さい。
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