甘やかして、腕の中に。
女子会受けての、リオンの砂糖大放出です。
「で?今日はリリスティール嬢の所に行ったんでしょう?体調はよさそうですが。どうでしたか?楽しかった?」
ニコリと微笑むと、急に真っ赤になる彼女。
夕食後、自室で過ごす夫婦の時間。まだ、魔力が安定しない彼女を、膝に乗せる。
「どうしたんです?真っ赤ですよ?熱でも?」
額に額をわざと当てると、なお、真っ赤になって、ふるふる震えている。
「ちょっと、リオン、近い。」
「ええ、わざとですから。」
かわいいですねえ。こんなに毎日、スキンシップを重ねているのに、この人はいつまで経っても純粋だ。
「んー。リリスティールと、好みの話をしていたの。」
「好み?」
「・・・そう。」
消え入りそうな声で話す彼女。
「何の好みなんです?」
「男性が、どんな女性が好きなのかって・・・。」
目が潤んで、上目遣いで。
全く。自分が一番、煽っている事に気がついていないなんて。
「それは、私の、女性の好みが知りたいと?」
「・・・はい。」
唇を重ね、抱きしめる。
「そうですね。思慮深く、用心深く、己の立場を理解し、時に大胆で。かと思ったら泣き虫で。心配性で。華奢な体に、程よい肉付きで。無意識に私を煽ってくるような貴女が理想的ですよ。」
「なっ…!!!」
「私の好みでしょう?貴女以外、何があろと?」
耳まで真っ赤な彼女の耳元で囁く。
「その、潤んだ目で見てくる所など、絶対に他の男には見せられませんね。貴女は、私の庇護欲を強く刺激するんです。」
「可愛らしい。」
「どうして、結婚式も、他の男に見せないといけないのでしょうね。貴女の美しいドレス姿を目に焼き付けておくのは、この私だけでいい。」
「何を心配しているのです?」
「貴女の、全てが愛おしいと、何度も伝えた筈だ。」
「この髪一本すら、私のものにしたい。もう、絶対に逃がさない。」
「叫び出したいほどに。」
「狂おしいほどに。」
「貴女に溺れている。」
「貴女以外を見るなど、あり得ない。」
「貴女も、私だけを見ているといい。」
「決して解くことの出来ない術で、貴女の魂までをも縛ってこの手に手に入れた。」
「私は、狂っているのかもしれませんよ?この重い束縛に、貴女は自分で飛び込んでしまったのに。まだ私の愛を疑うなど。」
フッと笑みが漏れる。
「私の存在が貴女の体の芯まで刻まれるように、貴女を愛しましょう。」
髪をを撫でる。その、青銀に輝く髪にキスを落とす。数日前まで、不安定だった彼女が、落ち着いているのが一目で見て取れる、美しい髪。
「リオン…?」
緊張で強張った、柔らかな身体。甘い匂い。
柔らかな肌。
きっと、もう、手放すなんて出来ない。
この腕の中での温もりを、ずっと、この自分の腕の中に閉じ込めていたい。
「甘やかして、もう、貴女がどこにも行けないようにしましょうね。」
「愛しています。」
羞恥に、私の胸に顔を埋めることで、表情を見せないようにしている彼女。
「きっと、この世界にあるどんな言語でも、貴女への想いは表現出来ない。」
「何十年も時を共に重ねたら、2人で共にある事が当たり前になったら、こんな想いは、しないでよくなるものでしょうか?言葉は、不要になるものでしょうか?」
「わかっていますよ。私の想いが狂気じみているのは。貴女の不安につけ込んで、貴女を私に縛り付けた。」
「貴女が私に甘えてくるのも、2人になった時だけだ。1人でいると、貴女は常に凛と立っている。その、不安を全く表に出さないようにして。」
「もっと、私に甘えて、依存してください。何かあっても、貴女の帰る場所はここだということを貴女の魂に刻み込んで。」
「何度でも、貴女に伝えますよ。」
「愛しています。」
「貴女が、私の全てです。」




