弟達と①
俺は今俺の部屋がある屋敷の隣にある屋敷に来ている。俺は現在、父が在住してるところに一緒にいるが、ここの屋敷は領内の一角にある。自分の部屋から稽古以外で出るのも久しぶりなので少しテンションが上がっている。
ここには生駒吉乃さんや、奇妙丸、茶筅丸がいる。今日は兄弟と遊ぶ約束をした日で勘八も連れてきていると茶筅丸から報告を受けている。……地味にメールとかできないのって不便なだなって現代文明のありがたさを感じている。
「すいません!」
俺がいうと門番が顔を舐めるように見回した。
「坊主、ここは織田様の城内の屋敷!坊主がやすやす入れるところじゃないんだ!」
俺はムッとするが下の者達は知らなくてもおかしくないかと怒りを少し収める。
父、信長がこんな時のためにとくれた家紋の入った服を見せる。
「ここに、織田家の家紋が入っておるだろう!私は織田の長男ぞ!」
俺ができるだけの低い声で轟かせるまだ4歳なので可愛らしい声しか出ない。身長は130cmあるから大きく見えるはずなんだけどな!なんでガキ扱いするんだ、お前と大して身長変わらんだろ!
「お、よくできてるが坊主、これはやっちゃいけないぜ。今すぐ脱ぎな!」
こいつ……イライラする…
「あれ?あにうえさま!きてくれたんですね!」
ナイスタイミングだよ!
そうこの声は茶筅丸!俺の弟の一人だ。信長の次男である。丸々として体型と鼻水がトレードマーク。
「あにうえさま?」
門番がはてなマークを浮かべているところに生駒さんと奇妙丸もきた。
「我の客人じゃ」
「殿に言いつけますよ?自分が仕えている家の長男も知らないとね!」
流石に二人には権力があるようだ、流石嫡男とその母。
「も、申し訳ございません!」
ドタドタと走り去っていく男を憐れみの目で見る二人。怖いな。すると勘八が本を読みながら歩いてきた。
「あっ、あにうえ、もう着いたのですね……」
「勘八元気そうだな!」
「おかげさまで」
勘八は奇妙丸や茶筅丸と違う母の子供でいる。
そして俺は助けてくれた生駒さんのところへと歩む。
「このような場を設けていただきありがとうございます。こうでもしなければ会えないもので……」
丹羽、佐久間、前田らを中心に俺をどうにかえらくできないか?なんて考えるからこの歳で謀反を疑われている。だからこそこうやって弟達と会えるのは父や生駒さんがセッティングしてくれた時だけだ。というか流石に織田家中敏感すぎない?いくら昔弟さんが謀反起こしたからって、俺という……まぁ異質な存在が紛れ込んでたら警戒するか。妙に納得して、うんうんと心の中で頷く。
「いえいえ、私も子供達の嬉しそうなところをみれて幸せです。桜捨も崩していいのですよ?」
「いや、このままでお願いします。あと長男扱いはちょっと……」
俺が苦笑いをすると生駒さんはくすりと笑う。
「どんな関係でも信長公が見出した子供というのは揺るぎない事実。信長公だってその辺の捨て子を気分で拾うことなどしませんし。そして年齢も一番うえなのです、一番上の子供ですし長男でも問題ないのでは?」
信長同様この人も相当な変わり者のようだ。
人の暖かさは時に残酷である、だがこの人の暖かさは本物のようだ。




