子供がしたことですし②
ジャンル別1位、総合37位ランクイン!ありがとうございます!
楽しんでいただけていますかな?
「柴田殿ご到着です」
「通せ。誰か桜捨を別室へ」
小姓の一人が信長にそう伝えると俺を別室に移動させる。信長の周りには負のオーラのようなものが見えた気がした。
俺が柴田勝家を味方につけようと告げ口したら冗談では済まないことになった。相手を考えるべきだった。信長相手に俺の甘さが通じるはずがない。
会談後、柴田勝家をすぐ呼びつけた。そして1日ほどで到着した。
最近の俺は4歳とは思えないと言われることが多いが、こういう場ではまだ邪魔らしい。仕方ないと信長が用意してくれた兵法書を読み時間を潰す。
俺は信長の長男として扱われ、帰蝶さんの息子としての立場を得た。信長が何を考えているのかは知らないがまぁいい。ちなみに心の中では信長と言っているのがバレたら殺されるだろうなと礼儀作法を帰蝶さんに教えてもらっている。
その長子としての扱いが今回の勝家とのいざこざの理由だが。
この時代名前を呼ぶなんて無礼どころの話ではないが心の中では名前を呼んでいる。最初「勝家」て言おうとしたら藤吉郎が止めてくれたからいいけど、多分首飛んでたな、なんで今思う。
暇になって藤吉郎を呼び出す。
「藤吉郎、まだ終わらぬか?」
「は、殿は柴田殿に事情を詳しく聞いておるようです。内容ならそれがしが聞いてきますが?」
ニカッと笑うとより一層サルに見える。結構命がけのことしようとしてるけど確か藤吉郎て忍者説あったよね。まぁ内容は後で書記を務めてる利家に聞けばいいか。てか俺結構すごい人たちの上に立ってるよね。
父に聞いても返事くれないだろうし利家に聞こうと思って藤吉郎を説得する。
「流石にそれは良くないですね、というかバレたら藤吉郎殺されますよ?」
俺の言葉に藤吉郎はそうですなとか言って笑ってる。こいつ本当に天下統一したの?あっまだしてないのか。
天下人も今はただの家来だもんね。人て結構変われるみたい。
女好きなのは変わらないけどね。昨日もお市さんに近づこうとしてたし。俺の側近なんだから恥をかかさないでくれよ。この時代だと12歳て立派な大人なのかな?
それでも流石に引いてしまった。俺より8歳上のお市さんは俺にも優しく接してくれる。甥叔母の関係だけどたまにドキッとしちゃうんだよね。確か後数年もすれば浅井家に行くんだけど。綺麗だよね、織田一族全員。奇妙丸も生まれた時顔が奇妙だったからとか言われてるけど凛々しい少年だし、茶筅丸は元気一杯の童顔だけど整ってる。勘八はクールな感じな大人ぽいイケメン。
俺は前世とは違い整った顔をしている。自分で言うのもなんだが。だから織田家の中にいてもさほど浮いてるとは感じない。
「桜捨丸様、殿がお呼びです」
小姓がそう伝えると俺は尻をあげて先ほどいた部屋へと向かって行った。