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戯け②

この話の修正を行いました、更新ではなくすいません


それとストーリー進行に矛盾が生じてしまったので修正版を新しく出しました

不定期更新でストーリーが追いつくのは先になってしまうかもしれません、申し訳ないです

自分の表現能力に納得できていないのですが、徐々に感覚を戻していけたらと思っています


この作品は自分が納得できるエンドに持っていけそうだったら更新します



俗に言う三方ヶ原の戦い後、城内は案の定騒ついていた。


覚悟はできているつもりだったが、胸の鼓動が高鳴るのをとめられない。


いよいよ武田と本格交戦だと言う武者震いと共に感じる背後から心臓を掴まれたかのような恐怖。


自分もできることをしようと、信長との会見後、家中を見渡せるところまで来た。だが思っていた以上の騒めきに驚いている。そして自分自身が恐怖を感じていることにも。


慌ただしく過ぎていく時間の中で、空間の中で、ただ見つめているだけ。言葉を出そうとしても、喉に達する前に脳で止めてしまうような。


「成長されても、考え込んだ時の顔は変わりませんね」


ふと聞き慣れた声が耳に入り、反射で振り向く。そこに居たのは……


「久しぶりですね、お元気でしたか?」


一緒に仕事をしていた頃を懐かしむほどに、時は過ぎたのか。お互いの容姿服装も変わり、それをひしひしと感じる。


「お久しぶりです!」


丹羽長秀

織田に10代から使える家臣。昔仕事をしたということもあって、俺が個人的に安心する大人の1人だ。


「何か悩み事でもありますか?」


軽く微笑んだその目は細くなり、声色はとても優しい。


「いや城内がこんなにも騒つくとは思っていなくて……」


丹羽さんは周りを見渡してから、再度俺の目を見る。


「そうですね……徳川殿が出陣なされた理由は分からなくもないのですが……武田という名前に恐怖心を煽られたものが殆どでしょうね」


「徳川殿が出陣された理由?」


俺は首を傾げる。あの場面は誰が考えたって籠城だ。確かにプライドには触るだろうし、屈辱的なことであるが……何度考えても頭には籠城の2文字。しかも後世でもこの戦いは有名である。粗相をした天下人。それ以外の理由が……


「恐らく、あの状況なら私達は籠城を選ぶと思います。武田にあの兵力差で挑むのは得策ではない。しかしそれが言えるのは我々は織田方の人間だから」


俺の頭にはそれでもはてなマークが浮かぶ。織田であろうと何だろうと……あの場面なら……あれ?


「徳川殿は……出陣せざるを得なかった?」


丹羽さんはゆっくりと頷く。


「確かに籠城して武田が京を目指して去っていけば、織田と徳川で挟むことができます。しかし徳川殿は我らと立場が違う。同盟相手であり、一国の主人です。領地を持つものにしかわからない葛藤というのがあるでしょう。天下に徳川は臆病だと言われるのも許せないでしょうし、織田方との関係もある」


確かに主人としては自分の領地を荒らされた上に、神経を逆撫でされるのは堪え難い事実だろう。そして何より徳川は織田との関係を大事にしてくれている。信長との関係性を保つためには、信頼を無くすような戦い方はしないだろう……


「まぁ、徳川殿が違う理由で出陣されたということも考えられますが、繊細で優秀な彼のことです……何かしらの目的がなければ負け戦をするとは思いますけどね……」


……確かに桶狭間の様なシチュエーションでもあるため信長を模倣として戦ったとか、ただ単に腹が立ったとかもあり得るが……それを我慢できないほど子供であるとは考えにくい。


「久しぶりに話しましたが、相変わらず見事な観察眼ですね」


盲点だった。何でも知った気になって、自分の知識で物事を図ってしまった。


「客観的な視点を持つことが大事ですよ。それでは自分はここで」


丹羽さんが居なくなると、俺は自分の膝のあたりを見つめた。


なんでだろう……久しぶりに会えたのに……知らない人と会ったみたいだ。


信長の時もそうだ。


目新しい物を見つけて、はしゃぐ様子は幾度となくみてきた。


けど……あの時みた背中が未だに頭から離れない……


俺は周りを見る余裕もなく、部屋から出る。


……なぜだろう?


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