嵐の前のなんとやら④
遅くなりました
毎度毎度お待たせしています
コロナウイルスの影響で日常生活がごたついていまして、なかなか毎日、毎週、毎月というわけにもいかずこのような時間になってしまいました。
今回で平和回というか間の回が終わり
いよいよ終わりも見えてきそうです(多分時間は今まで以上ですが)
月明かりだけに照らされる我が住居は美しい。後数年もしたら自分の館や城を貰えたりするのだろうか?
織田家に直属だった時は弟の補佐という形で配属されていたが、自分の城は持ったことない。戦で手柄をあげないといけないだろうか?戦闘は苦手なので勘弁してほしい。
「……あの、太郎様、物思いにふけているところ申し訳ないんですが……流石に時間をとりすぎではないかと」
……本当に申し訳なさそうにというよりかは、どこか呆れた様子で物言う。
察してくれ、緊張だってするだろ。さっきあんなに綺麗だった人とこれから夫婦ってだけでも感謝なのに、一緒に夜を過ごしなさいだ?俺は俺の理性を信用できない。
「……わかりました。今日はもう寝ますね」
苦笑いとも言える微笑みを浮かべるもふるわず。観念して、たいして興味もない月明かりから目を離して寝床へと足を向ける。
この廊下が永遠と続けばいいのにと思いながら、また空へと意識を向ける。雲一つない夜空は、月の明るい光を黒が強調する。
これを風流だと歌にできた昔の歌人や貴族はよっぽど暇だったか、感性が豊かだったんだろう。綺麗だくらいしか出てこないよ。
くだらない思考を捨てて、再び歩みを進めると、本当にすぐ襖の前まで来てしまった。いつもならここで寝て休みたいという気持ちが強く、なんの躊躇いもなく襖を開けるのだが今日はなかなかその勇気が出ない。普段何気なくやることが自分を苦しめる日が来るとは。
右、左
左、右
手を右往左往させてようやく手をかけようとして、今度は人影に怯えてしまって手を引っ込める。すると横からさっきの人がやってきた。
「……そろそろ茶々様に失礼ですので勘弁してください」
小声で耳打ちすると、襖を開いて俺を突き飛ばした。
「ッ!」
己覚えていろよと一瞬目を鋭くさせたが、視界に入った少女……いや女性に目を取られてしまう。
「あ……いや……今夜は月が綺麗ですね」
茶々はまんまるとした目でこちらを見つめ続けている。流石に驚いたのか、硬直……しているのか?
「ふふ」
するといきなり手を動かしたかと思えば、小さく笑い出した。震える肩が華奢で抱きしめたくなる。そんな自分を諌めてからニコリと笑う
「すいません、変に緊張してしまって……その……記憶していた月とは随分とかけ離れていたので」
俺が申し訳なさそうに座ると、茶々は首をゆっくりと横に振る。
「……私も想像していたより逞しくて驚きました」
2人目があって、顔が一気に真っ赤になり、目が逸れる。それだから良いのかもしれない。そんな風に結論付けて再び目を合わす。
「私は……いつ戦に行くかも、いつこの身尽きるかわかりませんが……」
落ち着かない手を片方の手首に巻きつける
「貴女を愛し、守り続けるという気持ちだけは尽きません。どうぞこれからよろしくお願いします」
小っ恥ずかしいと普段なら言わないだろう。これは緊張のせいなんだ。これは緊張のせいなんだ。
茶々は再び真っ赤になって、首を縦に振る。
「私も……しっかりと支え続けます」
お互いにロマンチストなわけでも、器用な訳でもない。けどなんとなく、これを言わないと前に進めない気がした。
「では寝ますか……う……お休みなさい」
何故かくっついている寝床を凝視してから、冷静を装って言葉を交わす……手を出さない方が失礼なのか!?
「……すいません……もう少し時間が欲しいのですが……」
俺が細い声を出すと、何かを察してくれたのか茶々は微笑む。そして俺に先に寝転ぶように勧める。
茶々がいい子でよかったと腰を下ろし、寝転び目を瞑る。疲労もあるが戦に行くよりかは幾分気が休まる。
数秒して、背中に柔らかい物と、心地よい温もりを感じる。自分の本能が仕事をしたのがわかった瞬間、俺は茶々に聞こえないように溜息を吐き、意識を飛ばすことに専念した。
心やすまるはずの時間に、戦闘態勢以上の神経を使い結局眠れなかったのはいうまでもない……
ふけていく夜に反して、
俺の睡魔は夜に駆けていくのであった。
次回はもっと早く出せるように頑張ります
文字数も必然的に多くなると思っています。




