嵐の前のなんとやら③
お久しぶりです
結婚してないので想像で書きました……難しかった
ソワソワ……ソワソワ
そんな擬音が似合いそうなほどウロウロ、オロオロしているのは我が義父、藤吉郎である。
婚姻は本来なら到着して1日あけるらしいが、今回は短縮を要請した。なので夜に到着して、すぐ儀式に移れるように手配させてもらった。
それにしてもあと少しすると茶々が到着するとはいえ、結婚する俺より緊張してどうするんだとさっきから周囲も俺も苦笑いである。
俺が茶々と会えるのは婚姻の時。
その時も数名らしいし、今回は戦が起こりそうな緊張感の中なのでわがままを言って色々短縮させていただいた。
俺は別室で着替えて待機してくれと言われて、義父に落ち着いてくださいとだけ伝えてその場を後にする。
この白装束って言うの?
現代も花嫁、花婿は白だけどこの時代からそうなのかと少し感動を受け、この若年で結婚をすることに実感が生まれた。
現代では彼女すらいなかった俺が結婚かと笑う。しかも前より断然若いのに。そういえばあまり前世?のことを思い出したことがなかったなとポリポリと頭をかく。
首の筋を触って、頭をかいて、俺も大概落ち着いてないなと苦笑い。
元々着替えを手伝って貰うのに抵抗があるから、着付けを教えてもらって一から覚えた。偶にグチャグチャにきて怒られるが、ある程度は練習してなんとかなった。
まぁ信長は着付けグチャグチャでも気にしないと言うか、信長自身が着崩してるし。秀吉に関しては自分で着るのは嫌だって言うしで結構面倒くさい大人に囲まれたと思う。
こんなゆったりとくだらないこと考える日も悪くないと思いつつ、少しは気を引き締めないと失礼かと頬を少し戻す……もすぐに緩んでしまうのでしばらくこのままでいいやと今着ている着物を脱ぎだす。
そういえば大分筋肉がついてきたなと力こぶを作ってみる。針金のようだった幼少期より大分マシになったなと触ってみる。自己鍛錬の成果ではあるが、やはり環境に恵まれたおかげだなとしみじみ思う。
鬼柴田には敵わないが、織田家でもなかなかハイレベルな肉体を誇っていた。後何故か背も高く生まれたお陰で今では藤吉郎は勿論、信長より大きくなれた。二人ともそこまでデカいわけではないが、戦国時代の中では信長はそこそこの方だ。
いつかの戦で柴田さんの背中をみて、真の武将を追い求めてきた。
「太郎殿〜、そろそろですよ」
色々あったなと総括して、襖をゆっくりと開ける。この襖のように、決してゆったりとした道ではないかもしれない。
けど何故か心が躍るのは、きっと今日から人生を共にすることになる少女のせいだけではないはずだ。
高揚する気持ちを抑えつけて、いつもの冷静な面持ちを保つ。緩みそうになる頬も、紅潮しそうな耳も、全部無視して歩みを進める。
戦さ場の緊張感とはまた違った類のその感情との向き合い方を長らく忘れていた。
この襖を開ければ、彼女がいる。その言葉が脳内に流れるだけで、鼓動が早くなる。いつからこんなに初心になったのだろう。ヘタレとでも言うべきか。
襖を開けると、少人数が待っていて、俺は元々指定された席へと座る。
ふんわりとした、どこか懐かしい匂いがする。この匂いは……
昔俺が送った匂い袋の匂いとよく似ていた。
不意打ちにどう言う表情をしていいかわからず引きつった顔を、ほんのり赤く染まった顔をみせなければいけない。正面に腰を落とすと、瞳にうつった白に包まれた彼女は可愛くて、けど凜とした表情で美しい。悔しいけど、戦国の人間としては完敗だ。
ここまで浮き足立ってしまうとは情けないな……
途中盃を交わす三三九度の時に、盃を持つ彼女が美しくて見惚れたと以外は何事もなく済んで式を終えた。
茶々は顔が小さいのに、その大きく透き通った瞳が印象的で、長く伸びた艶のある髪の毛が日本人形のようなまとまった美しさを感じさせる。昔会った時も美しくはあったが、見ないうちにここまで綺麗になっているとは思わずに、そして自分の送った香りを身につけてくれているというロマンチックさが異様に雰囲気を盛り上げた。
まぁ式直後にソワソワしながら現れた父に呆れて、その雰囲気の余韻には浸れなかったが。そして余韻をぶち壊した張本人は仕事だと言っていそいそと主人の元へと向かっていった。騒がしい人だ。
そして真面目な儀式が終わった俺を待っているのは……
夫婦として過ごす初めての夜……正直言って昔一緒に寝たのとはわけが違う。あの頃は俺もまだ元服したて、茶々に至ってはまだ幼い幼い子供であった。今でも11歳と十分子供だが、6歳のあの頃に比べればかなり大人の女性になったなと思う。
……11歳
現世で考えたら16の男が11の女を襲ったというこの文章を読むだけでわかるだろう。確実に捕まる。成人前の5歳差というのは愛でどうにかなるレベルの年齢ではないのだ。
愛とか恋とか語る前に最低限のマナーを守らないといけない。だが……この時代ではそれも当たり前なのか……
いや流石にまだ手は出さないけどさ……わかるだろ?16年と前世分を合わせた俺の欲を信じられるか?
俺はすっかり暗くなった外をみて苦笑いする。
中途半端に欠けた月が、己の覚悟の浅はかさをみているようで情けなく、大袈裟に天を仰いだ。
茶々は結構現代よりの表現の美人にしてます
まぁそこはしょうがないよね……戦国美人の容貌を書いてもなかなかテンション上がらないだろうし




