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覚悟と定め②

最新話だと思われた方すいません、報告しなければいけないことがあるので再投稿という形を取らせていただきました。


自分は今年受験生です。正直時間がないので終わるまで活動休止にしたいと思います。いつまでも自分に甘えていられないと思いました。最新話を楽しみにしていると感想を送ってくださることもいたので5月まで様子を見ましたが、厳しいと判断しました。受験が終わるまで待っていてくださる方がいるかどうかはわかりませんが3月には復帰できるように頑張ります。

父は今鷹狩りに出ていると言われ、城内にある客室で待たしてもらうことにした。会いに行くと昨日のうちに連絡を入れていたにも関わらずこの適当さである。父の横暴さに悩まされ、救われた事を思い出して思わず笑みがこぼれる。


あの時生まれ落ちた地が尾張でなかったら……いや織田信長の土地でなければ、今の俺は居ない。

あの時桜の木の下で、俺を拾ってくれた織田信長という男が居たから今自分はここで身体中に血液をめぐらして、心臓の鼓動をクラッシックの音楽のように聞けている。


人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり


儚い一つの命をどういった思いで救い、育てたのだろう?


俺という存在をここまで育てた魔王は何を思うのだろう?


心の中で巡るのは偉大すぎる父への質問だけだった。どれだけ歩いても縮まりはしないのだろう。


何かが終わるから何かが始まる。


何も捨てることの人間は夢をすくい上げることはできないだろう。


襖が開き、父が帰った事を告げられ茶室へと案内される。


襖が開き、威圧感十分の父が顔を見せる。相も変わらず豪華な茶室である。金箔を使ってあるだろう屏風や、豪快な虎が描かれた襖。茶具も高級品であろう。数多くの名器を所持するのが戦国武将という印象だが本当にその通りだ。家康さんも結構父から貰ってたし。


「お前がわざわざくるのは珍しいな。何かあったか?」


穏やかな優しい声だった。


それが今の俺にとっては一番辛い言葉だと知っているはずなのに。


「父上も知っての通り、今織田家中は私を世継ぎにした方がいいという動きが強まっている。これは良くない動きです。私はあくまで養子の身です。父上が一番わかっているはずです」


弟と家督を争った父が一番わかっているはずなんだ。自分の上に兄がいながら身分の差で嫡男となった父だからこそわかるはずだ。


「……何が言いたい?」


先程までの柔らかい声とは明らかに違う低い声が茶室に響く。体が意図せずにビクッと痙攣した気がして、思わず引きそうになる。だがこれしきのことでビビるようでは夢を語っている暇はない。


「……私を羽柴殿の養子にしてください」


「……ならぬ」


父の目が一層細くなる。眉間のシワは何百人と怒号を飛ばした証とも言えるのだろうか?張り詰めた空気が今にも肌を切り裂きそうなほど尖っているように感じる。


ネズミと虎のような関係に持ち込まれれば一瞬でこちらの願いは消えてしまう。


「お願いします!織田家は天下を取るべき……いや天下が取れる!そんな家が俺なんか養子のために分裂していいわけがない。今ならまだ間に合うんです!」


実際のところ羽柴秀吉のちの豊臣秀吉は養子を何人かとったが、その度に実子が生まれ、殺し、恨みを買っている。


今回はケースこそ違えど家中はかなり大掛かりな動きである。前回の説き伏せて終わるほどではなく、本気で俺の方がというやつが出ているのである。


戦国の世に油断も情けも一切必要ない。



「私も織田のものだ!半端な覚悟でここにいるわけではございません!どうかこの申し出を受けてください」


俺は頭を深々と下げて次の言葉を待つ。この際日本刀が横に刺さろうと動かない。一度死んだようなものだ。何も怖くはない。


すると空気が少し穏やかになった気がした。顔を恐る恐るあげると、口角を少しだけ上げて笑う織田信長の姿がそこにはあった。


二人だけの空間が少しだけ惜しくも思ったが退室することにした。


ツキガケロウフウあらためソラシクムトです

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