初陣②
遅くなりました!本当にすいません!
最近月影としてツイキャスやりながら小説書いているので興味のある方は是非来てください!
徳川と今川の和睦が成立すると、武田信玄は父上に対し敵対を宣言。
まぁ京まででの足掛かりを手にする道に霧を発生させられたのだ。敵対もしたくなる。ちなみに父上は全く気にする様子もなく兵を集め出陣を決め、明日出発なので俺がいる清須城は独特の空気感で包まれていた。弟奇妙丸とその様子を眺めている。俺の初陣とも会ってかなりドタバタしているが自分の準備は終わっている。奇妙丸と会話しているときは心が浄化されるような感覚があって嫌いじゃない。
「兄上、無事帰ってくることを祈っています……て武士の子としては禁句ですかね?」
奇妙丸は苦笑いで空気を緩和させようとしたが、なかなかそうもいかない。だが気持ちは嬉しい。素直に受け取ろう。今の俺に必要なのは戦に行くという緊張感だけでいい。弟の言葉も笑い飛ばしはしない。真摯に受け取るのが筋だろう。
帰ってきてこの笑顔をまた見たい。こんなことをいうと男色を疑われそうだが、兄としての本能とはこういうものなのだろう。弟の笑顔を見たい、決しておかしくはないはずだ。
「わかった、勝利に貢献し、帰ってこよう」
活躍を誓い俺は自室へと策を考えるために向かう。
城の屋敷の一角を広めに使った俺の部屋は数多くの書物とともに色々な方々からの贈り物が置いてある。
徳川殿から貰ったもの、浅井殿、茶々、南蛮の物など様々で統一性はないが温かみがある。
状況を整理することにした。まず相手の大将とも呼べる北畠。
確か北畠具教は城に籠ってるんだよね。今川と徳川の和睦をまだ知らないみたい。これは好都合。利用して一気に叩くことも、兵糧の用意も少ないだろうから兵糧攻めもできる。だからこそ必要となる瞬時の冷静な判断。
俺はその日はしっかり眠りにつき、翌日直ぐに父上の待つ城へと兵を率いり登城した。すぐに軍議へと移ると言われ昨日考えた策を練り直す。
もちろん出陣前最後の会議では既に鎧等をつけての参加になった。参加者は父上、俺、柴田、その他の軍の長である。
「まず7万程の軍で伊勢国へと向かう。何か作戦や意見があるもの」
柴田さんが手を挙げ、口を開く。
「やはりここは一気に叩き再起不能にするのがいいでしょう!こちらは7万。多勢に無勢です」
俺はここでも慎重に発言することを決めた。ここで最初に注意しなければいけない点はこれだ。
「柴田殿の意見は尤もでしょう」
俺はここで一呼吸置いて、周りを見る。父上の睨みが怖い。柴田殿はもう自分を見て何も言わない。あとはじっくりと俺を見て言葉を待っている。
深く息を吸い、出来るだけ低い声を出す。こういう場でやってはいけないのは下手に出ること。俺の方が上だとアピールできる態度でなくてはならない。
「ですが!まずは諸城を攻略しながら南下し大河内城を包囲しましょう。幸い相手は我々が身動きが取れる状態だとは思っていない。つまり包囲してしまえば兵糧攻めができます。血を流さず勝つこと。天下泰平の世を目指すならば無用な戦いは避けるべきです」
俺の意見に頷くものが見えた。そして驚きの顔も見えた。威圧感がしっかり出せた証拠として受け取ろう。父上は頷くと不敵に笑い柴田さんを見る。
「そうだな、再起不能にさせるには叩くのもよかろう。だが無用な血は見たくない。それらを防いで勝利を収めることが天下を目指すには必要なことだ。出陣だ!」
父上の号令とともに城内は一気に騒がしくなった。俺らも馬に乗り、それぞれの隊に散らばる。
ちなみに俺は柴田隊。織田四天王とも呼ばれた鬼柴田とともに初陣!嬉しい限り!
柴田さんは味方を鼓舞すると父から任された城へと向かう。そこを落としてから大河内に合流しろとのことだった。
ーーーーーーーーーー
出発から一日、総勢1万の柴田軍はその城が一望できる山を登っていた。
「柴田殿、先日は意見を否定してしまい大変失礼しました」
すると柴田さんはこちらを振り返り笑みを浮かべる。
「いえいえ、とんでもない。私めが目の敵にしていた信継殿がこのようなお人だったとは。昔の自分が恥ずかしいです。これなら嫡男にという動きが起きるのも納得できます」
意外と優しい人なんだな。外見とその武勇から怖い人だと思ってた。実際クマみたいな顔してるし。けど嫡男の動きは間違いだよ。血を引いていない俺より奇妙丸の方が皆納得する。絶対にそうだ。
「それは光栄です」
再び登山に集中すると山の頂上に着いた。ちょうど日が昇る頃でかなり綺麗な景色だ。そして柴田さんは軍議を始めた。
俺は不参加でご飯を食べていたが、取り敢えず見晴らしのいい平野で一騎打ち。そこから城を攻めて、攻めて落とすといった簡単な作戦。
すぐ開戦となり相手兵士が向かってくる。俺は比較的前線の方で1000程の部隊を率いて戦っている。
すると相手兵士が馬に乗った俺に近づいてきた。思わず手綱を握る手に力が入るが、深呼吸をして槍に力を入れる。
「お命覚悟ー!」
まぁ若武者なら倒せると思ったよな。けど俺一応チート持ちなんだよね。君が一番最初に戦さ場で俺が殺した相手になりそうだ。
俺は長槍を振りかざす。一気に馬を回転させ相手兵士を5人程一気に倒す。身体能力の高さがモノを言う。呆気なく聞こえるだろうが、本当にあっけなかったのだ。
「俺に会ったのが運の尽きだったな」
俺が言い放つと周りの兵士も逃げて行く。それを逃すまいと軍を進行すると同時に本隊が突撃していき、結局ものの数分で相手部隊を壊滅させた。
「柴田殿、城に向かいますか?」
「ああ、だがその前にやることがあります。初陣の太郎様には分からぬでしょう」
というと柴田さんは後ろを向き味方に問い始める。
「まだやれるな?」
大声とともに兵士たちの返事が返ってくる。すると柴田さんは前を向き城へと指を指す。
「これからあの城を天下のために落とす!皆の衆ついて参れ!!」
熱い男だとは思ってたけどこれまでとは……すると城へと突撃すべく、山を下る柴田さんの馬を追い続々と兵士が下って行く。俺も馬を上手に使い近道をして柴田さんの後ろに着く。
「流石織田最強の呼び声の高い柴田殿。お見事です」
「とんでもない。まだまだ至らぬ点ばかりです。これが私流の戦い方です。太郎様がどのような戦い方をするかは太郎様次第ですよ」
城へ着くと先陣を切って中に入っていったものたちにより瞬く間に制圧され、俺は足軽を10名殺めてしまった。だがこれから何人殺すか分からない……戦国で生きるためにはこれに慣れなければいけない。殺さなければ殺される。父が教えてくれた言葉を反復する。
この日汚れた俺の手はもう二度と綺麗にはならない。
ならとことん天下のために汚してやろうと思った。それが自分がこの世に生まれた使命だと信じて。




