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上洛①

上洛


織田一門という扱いで行列の前にいる。

信長-奇妙丸-茶筅丸-俺の順番である。


父上は伊勢の北部も攻略。勘八は神戸家へ養子に出された。茶筅丸はこの後の伊勢攻略後に養子だっけ?記憶が曖昧だな〜


父上は北伊勢を攻略。その後明智光秀の仲介により上洛が叶った。この時はまだ信長と深い関わりもなく、謀反を起こしそうな感じでもなかった。真面目な感じで仕事のできる男て感じだった。本当に仕事失敗して怒られたのか?


足利将軍家の権力が弱い今でも、未だに足利家を尊重する武家などはいるもので、手出しをしない。特に上杉、武田がいい例である。


「兄上の荷物はなんですか?」


茶筅が弥太郎の持つ大きな風呂敷を指差す。流石に唐箕を持ってくるわけにも行かなくて、千歯こきと唐箕の設計図を持ってきた。


「農具の設計図と農具を小さくした見本です」


ミニチュアてやつだ。足利家の方がみて、気に入れば全国に広まるだろうしね。それと将軍様に特許みたいなのを貰えれば織田家が独占できる。例えば織田家が作った本物の者には家紋を小さく入れとくとかね。偽物防止てやつだね。


「太郎、茶筅無駄口を叩くな。この上洛で舐められたら終わりなんだからな」


上洛戦が終わった後に合流した俺たちには詳しくは知らないが、父上は疲れているのか?かなりイライラしている。ピリピリとした雰囲気の中行列は村へと差し掛かった。


すると後ろの方で悲鳴に近いものが聞こえ、俺たち先頭のものも振り向く。


「そこの女!可愛いじゃないか!」


「お、おいよせよ!殿様に見つかったら斬られるぞ!」


そこにはナンパをしている足軽とそれを止めている足軽がいた。止めている足軽はナンパされている女性の前に立った。すると父上がスッと馬から降りそれに近づいていった。


「おう!斬れるもんなら斬ってみろ!」


男が威勢良くいうと父上は黒い笑みを浮かべながら刀を抜いた。


「ほう、ではいくぞ!!!」


スパッ……


いい音がして父は足軽を斬った。


そして村の人に向かって頭を下げた。


「俺の兵が失礼なことをした。民に危害を加えるようなものは俺が許さん。わかったな!」




詫びた後、後ろを振り返り、残りの兵に向かって怒鳴った。


心優しい殿様。前世で聞いた悪魔や魔王は聞き間違いなんじゃないかと思うほどに、やり方は少々あれだが根は優しいんだと感じた。


「おお、これで平和になる!」


おいおいそこの村人。まだこんなもんじゃ済まないぜ。


「俺が目指すのは天下泰平の世の中、まだ先がある」


志半ばで死ぬ予定だけどね。どうやって阻止するべきか。まぁ今はそんな事気にせずに京を楽しもう。


俺たちはそのまま進んでいく。


にしても腰痛いな。ロングドライブならぬロング乗馬ですよ。尾張から京て150kmくらいだっけ?あれ?

わかんないな。休憩挟んでもキツイよ。


「兄上、大丈夫ですか?」


茶筅丸こいつ強者だな。奇妙丸でさえ腰痛そうにしてるのにケロッとしているんだけど。流石織田兄妹一の天然アンド体力馬鹿。


「ああ、乗馬には慣れてないからな〜。大丈夫だ、織田家の人間たるもの馬くらいのれんとな」


前からすごい威圧が来たので再び口を紡ぐ。助けてくれ。父上怖い!




京につく前に途中の宿で泊まることになっていたのでようやく馬から降りられた。腰痛いよ〜


「奇妙丸、茶筅丸、信継。誰かに呼びに行かせるから食事は全員でとるぞ。後信継は京で土産を買え。それを北近江に持っていけ」


はー……憂鬱だな


「返事は!」


「は、はい!」


怖い、怖い 昼間の人みたいに殺されちゃうよ。

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