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任命

元服から3日もせずに奇妙丸の清洲城入りが決まり、もちろん俺も同行。数日前にきた正装とは違うものをきて出席する。これが織田太郎信継としての最初の役目。この3日間は転居の準備くらいである。面倒見係は藤吉郎のまま普段は寧々さんがみてくれるらしい。まあずっと部屋にいることはなくなるだろうしある意味退屈しなくていいかもしれないね。


俺が父から授けられた役目は結構ある。


一、奇妙丸を脅かす者の排除


二、奇妙丸を支えること


三、それを自らの経験へと活かせるよう、できるものは全て吸収しろ


この三つが主である。にしても排除て言い方は怖いけどつまり奇妙丸を守れと言うことだ。織田家の中にも俺の存在を目の上のたんこぶのように邪魔もの扱いする家臣がいるようにあの年での城主就任には疑問を持つもの少なくはない。だからこその俺や丹羽長秀の清洲城滞在なんだろう。


「奇妙丸様、堂々と入城してくださいね。父上は居ませんが多くのものがみております。堂々と俺が織田家の嫡男だと世に示してください!」


俺が丁寧な言葉遣いで話すと常に文句を言う弟であったがこの時ばかりは空気を読むと言う大人な対応を見せて、


「ああ、もちろんだとも」


偉そうなのかどうかはわからないがいいだろう。にしてもこの服は腕の部分がピーン!なって嫌だな。動き辛いし、腕つりそう。


父の意図は分かっている。俺を奇妙丸の側に置く理由が。この時代その辺の優秀な奴拾ってきて自分の子供の側近などにするのはよくあること。それが一つの理由だろう。そしてもう一つは後継争いに苦い経験がある父だからと言うところだろう。奇妙丸を嫡男としてそれ以外は考えない。立場を明確にするための人事と捉えよう。


多分だがこの任務が終われば領地を頂いたり、養子に出されたりするだろう。




城に着くと沢山の家臣や農民たちが頭を下げていた。俺たちはその間をどんどん進んでいき入城する。おっと言い忘れていたが勿論馬に乗っている。だからこそ堂々とした格好で入らねば、民の不安などを煽るだけである。


「ここが清洲城か……」


俺が前世との記憶を混じり合わせ感動している。まるで二色足せば変わる絵の具のように変幻自在である。


「明日も頼んだぞ!」


俺がこくりと頷くと奇妙丸は笑い出す。それがおかしくて俺も笑った。


大きな宴会の横にて静かなお茶会。

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