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三河と尾張②

短いですがご勘弁です。

「「失礼します」」


俺と奇妙丸が入るといつもの身分によって席が分けられる形の部屋ではなく、平らな部屋であった。俺と奇妙丸は並んで父の隣に座り三河殿……松平元康さんと向かい合って座る。


「この度はこのような席に同席させていただき誠に光栄です」


とりあえず挨拶をと考えていた言葉を言う。それに続いて、奇妙丸も光栄ですと言う。


「いやいや、私が二人に会いたいと我儘を言わしていただきました。どうも、お初にお目にかかります源朝臣松平次郎三郎元康です」


のちに天下を取ることになる徳川家康……確かに威厳はある。

この頃は源氏なんだっけ?まだ三河守じゃないもんね…。


「奇妙丸です」


「桜捨丸です」


父はまず奇妙丸について話し始めた。10分ほど話すとその話のネタは俺に変わった。


「こやつは元々は捨て子だったところを拾ったのだ」


父がそう言うと元康は目を開けて驚く、


「おお、お広い心をお持ちですな」


「ところがこやつ、なかなか優秀でな、今日渡した千歯こきも実はこいつが考えたものだ」


やはりその話題かと思っていると元康が俺の方をじっと見ている。その顔からは驚愕という文字が書かれていると自信を持って言える。


「何と……あのようなものをまさか7ほどで作られるとは、羨ましい限りですな」


「武術、馬術、算術、漢字、和歌、なんでもそつなくこなす。末恐ろしいやつよ」


父に褒められるのは嬉しい。血は繋がっていないが俺の命の恩人であるのには変わりないからだ。末恐ろしい……この言葉に込められた意味を俺は知らない。ただ単に褒めているだけなのか、何かに利用しようとしているのか。


「私の息子にも見習って欲しいですな。まだ幼く連れてきてはおりませんが、是非いつか会ってやってください」


元康がそういうと四人での会談?が終わり俺らは退室する。ここから先はお酒と両家臣団が入るため奇妙丸と俺は着替えを済ませてそれぞれの屋敷へと帰った。


ーーー

この会談の目的は三河の松平、尾張の織田の同盟締結。信長と元康に親交があったため順調に進み、両家は長くこの関係を保ち続ける。この同盟をのちの世界では「清洲同盟」と呼ばれることになる。奇妙丸と桜捨丸が出席したことにより三河武士達は「織田の長男」?を恐れることになる。


話余談だが、この時信長から元康に送られた千歯こきは農民達の負担を軽くし、後の信長の人生を大きく揺るがすことを誰も知らない。


清洲同盟により織田信長は美濃制圧の一歩を踏み出したのであった。

次は美濃制圧編です

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