食いしん坊
食卓には、チャーシューが五枚乗っかった大盛りのラーメンがある。これだけでも十分美味しいのだが、私はまだ手をつけない。早く食べたいという欲求を押さえ、別に用意した牛丼を大盛りチャーシュー麺にぶっかけた。
さらにカレー、ハンバーグ、スパゲッティにチャーハン、最後にだめ押しと鰻の蒲焼きを乗せる。
器からは料理が溢れ、見映えは最悪だが、そんな事はかまわない。
腹の虫が「グウ~」と鳴り、自然と口からよだれが垂れた。もう我慢の限界だ。私は箸を取り、
「いただきます!!」
と、名前も知れない料理に食らいついた。
地球消滅の日。最後の晩餐、あれもこれも食べたい私を、人は意地汚い奴と責めるのだろうか…。




