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闇の中を踊る  作者: 東田 悼侃
17/20

決戦へ 1

かなり遅くなりました

ごめんなさいm(_ _)m

 最後の銃声が止んでから、十分近くが経過した。平林は、ウィリアムの生還を、ジリジリと待ち焦がれていた。さっきから同じ建物の前を何度もウロウロとしているせいで、周りの見る目がいたい。

焦燥する平林に呼応するかのように、建物の扉がく開かれた。万が一を想定し、平林はいつでも臨戦態勢になれるよう軽く身構えた。


「なんだ、グレイスさんですか」


出てきたのがウィリアムと知って、平林はホッと息をはいた。


「その男は?」


ウィリアムの背負う丸山に、平林が気付く。


「丸山 成辰だ。襲ってきたんでな、軽く痛め付けて捕まえた」


「はぁ....丸山 成辰を、ですか」


平林は、ウィリアムに呆れた。


<世界にも名の知れた殺し屋だぞ?軽く痛め付けて捕まえたって...>


「こいつを病院に連れていく。逃げ出さないよう、見張りもつけてな」


「わかりました。迎えを要請します」


呆れていても、仕事はきっちりこなす平林だった。







ホテルの自室で休息をとっているウィリアムに、山田から連絡が入った。


「どうした」


「前ウィリアムさんから指摘された警察内のスパイの可能性についてですが、それらしい人物を発見しました」


「やはりな。黒なのか?」


「おそらく。その人物を我々で一度追跡してみたところ、地元のヤクザグループ、しかも創牙狼の幹部のいるグループと接触している現場を見ました。仕事関係ではなく、プライベートでつながりをもっているようです」


「証拠はあるのか?そいつが確実にそうだという。今のだけじゃ、不十分にも思えるぞ」


「その人物が、接触した相手から黒いケースを受け取っていたとしてもですか?」


「そうか。警察内の情報を売っていたのか」


「おそらくはそうだと想定できます。いえ、ほぼ断定してもいいでしょう」


「そうか。なら、明日そいつに接触しよう。そいつから相手の情報を逆に引き出すこともできるかもしれん」


「いえ、それぐらいなら我々に任せて下さい。明日はきっとグループと接触すると思われます。そこを尾行すればいいだけですから」


「それで?俺に何をしろと?」


「近くで待機していて下さい。その人物に何か動きがあれば、すぐに連絡しますので」


「了解だ」


絶対に勝手に行動しないでくれとウィリアムに念押しすると、山田は受話器を置き、椅子から立ち上がった。


「さて、明日の人員を確保するか」


近いうちに訪れるであろう一連の結末に、山田は思わず身震いした。




「お前、結婚してたのか?」


翌日、ウィリアムと平林は、追跡調査の報告をパトカーの中で待ちながら、暇をもて余していた。


「ああ、これですか?」


平林は、ウィリアムに指された薬指を立てた。そこには、指輪が嵌まっていた。


「まあ、結婚指輪ではあるんですが....俺のじゃないんですよ」


「じゃあ、誰のだ?普通、他人の結婚指輪を付けるなんてないぞ」


「親父の形見です。俺がまだ小さいとき、事故で死んだらしいんです」


「事故?」


「ええ。親父は工事関係の仕事をしてたらしいんですけど、その仕事で、鉄骨かなんかの下敷きになったらしく。まぁ、俺の記憶にはないんで、母親から聞いた話なんですけど」


「そうか....」


ウィリアムは、何故か少し淋しそうな目で遠くを見詰めた。


「ウィリアムさん、平林さん」


無線から、山田の声が流れた。車内に緊張が走る。ウィリアムは無線機を取り上げた。


「ウィリアム・グレイスだ。何か動きがあったか」


「予想外です。追跡していた人物の向かった先は、どうやら創牙狼の総本山のようです。建物の入り口に多数の人が。全てここら一帯のヤクザグループの頭です。我々だけでは、これ以上近付くことも危険です」


「そうか」


ウィリアムは、山田から建物の場所を聞き出すと無線を切った。

「どうやら誘われているようだ」


ウィリアムが平林の方を見る。


「誰にですか?」


「創牙狼だよ」


ウィリアムは、首を回した。









「来たか、ウィリアム・グレイス」


創牙狼本部ビルの最上階に設けられた一室で、男は遅めの朝食を摂っていた。


「もういい。片付けろ」


男の一声で、部屋の扉が開かれ、数名の部下が入ってくる。片付けられる食器をよそに、男はナプキンで口を拭った。


「まさかこうなるとは....互いに考えもしなかっただろう」


男は、低く笑った。


「これもまた、運命...か」


男の笑い声は、部屋中に響いた。


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