プロローグ? 妄想は世界の平和?
「ねぇ!突然ですが質問です!あなたの生きてるそっちの世界はおもしろいですか!?」
突然出てきた"緋混じりの碧の髪の毛で、顔立ち整ってて、すんげーナイスバディー"な子がすんごく目をキラキラさせて放った一言。
ーーやめろ、期待と興味から来る輝く眼差し。眩しい、忌々しいくらい眩しいぞ。そして意味わからん、意味わからんがこの子めっちゃ可愛いんですけどぉ??
「ねぇ!ねぇってば!!きいてる??無視しないでよ!!失礼だとは思わないの!?」
ーーなにをおっしゃるのやら。突然出てきて、
「そっちの世界はおもしろいですか?」
とか意味のわからんこと聞いてきて失礼を人に申し付けるとな!失礼だとはおもんのかね!!
とかいう妄想返答を一人でしてると……
「もう、質問くらい答えてよ……」
ムスッと拗ねてその子は呟いた。
話は突然始まるもの。で、なんの前触れもないものだとおもう。ーーだから突然自分を語ってみたりもしたりする。
俺には特に何もなかった。
やりたいことばっかり。
で、結局なにもしないままの生活。はっきりいってウンザリしてた。うん。
"俺にはなにもできなかった"ただの才能なしの凡人だった。
そーだ。理解はしてた。
物語とか空想世界、妄想した中ならここでちょー可愛い子と運命的な出会いしたり。そんな出会った子とか救ったりして……
そんなこと普通にありえるがない。あったらもう俺今頃パラダイスだぞ…
(妄想しかできねぇじゃん……)
叶いもしないことを追いかけ、考えて、病んで……
ーーむ、負のスパイラルだ。負が渦巻いている……
「今日は寝るか」
誰もいない部屋の暗い天井に向かってそう一言声かけた。
「やばい……なんか寝れない」
いつもならすんなり寝る自分なのに一体何事だ。
ーーいや、1つだけ原因はあった。
今日めちゃくちゃ妄想幅広げてるんだ、今ピーク。たぶんこれ終わらないってくらいの妄想をよりによって今日していた。
ーーーーパチンッ
両手で頬を軽く叩いてベッドに潜った。
「もう、寝よ……」
そうしてそのまま深く眠りに落ちた。