使い魔は獣っ子ロリ巨乳
「この魔法陣の中心に立ちなさい」
父が言う。魔法陣の描かれたカーペットの上に立っていた。
父が言うには欲しい使い魔の姿を想像すればいいとの事だ。詠唱も勝手に頭の中に出てくる。
今は夜。部屋のリビングで椅子とか机なんかを横に除けた状態で魔法陣の中心に立ち、自分の持ちたい使い魔の事を想像する。
火を吐けるような使い魔が欲しい。だが強すぎても困る。強さはほどほどでいい。考えると自分の腰くらいの背の高さの犬を思い浮かべた。
今の自分の背の高さを考えてみると、五歳児の腰くらいの高さの犬なんて強さがたかが知れていそうだ。
もうちょっと高さは欲しい。自分の胸辺りの高さで考えよう。
闇の魔物を召喚するのだから色は真っ黒だろう。歯もサメのようにナイフのような歯がビッシリ並んでいるようなのがいい。
そう考えると詠唱が浮かんできた。
「地獄の狂犬よ。闇のような黒色の姿を現せ。炎を吐き出すその口は敵を飲み込み我の糧となる」
父はその詠唱に満足をしたようであった。うんうんと頷く。
どんな使い魔が召喚されるのだろうか、強すぎる使い魔であれば父が倒してくれると言うが、強すぎるような奴が召喚をされないように力をセーブしたつもりだ。
魔法陣が光りだした。俺の手から魔力が吸い取られているのを感じる。その魔力を使って使い魔は体を実体化させるのだ。
目の前に巨大な光の玉が生まれる。その中には使い魔が入っているのだ。俺は目を凝らしその使い魔の姿を見た。その使い魔はまるで王にでも頭を下げるかのようにして、かしずいてきた。
「ん? 人型?」
狂犬を望んだはずなのだが人型をした使い魔が召喚されてしまったらしい。さてどうしたもんかな、人型は総じて強い力を持っているのだという。これは父に追い返してもらう事になるだろうか?
光の玉が消えその使い魔の姿がはっきり見えるようになった。
俺に向けてかしずくその姿を見、俺と父は呆然とした。
「お初にお目にかかります私は犬神のほのと言います」
犬神と言った。そうか俺は確かに犬型の使い魔を呼んだのだ。この見た目は仮の姿なのである。
「犬の姿になれる?」
そう聞くとほのは印を切った。忍者や陰陽師がするようにしてやるのを見て懐かしい感じになる。
ドロンと煙を巻き上げたほのは黒い犬の姿になる。
「これでよろしいでしょうか?」
ドーベルマンのような姿をした黒い犬。ほのの本来の姿であるらしい。想像をしたように、背の高さは、五歳である俺の胸辺りの高さである。
「くちを開けてみて」
そう言われるとほのは口を開けた。まるで、肉食獣のような、ナイフのように鋭い歯がびっしりと生えている。
「火は使える?」
そう言われるとほのは口を開けてそこから炎の弾を打ち出す。その魔法は父によって消滅させられた。
「魔法を撃つなら外でしてくれ」
俺は父からそう言われ外に出ていった。
ほのの事は大体わかった。闇の属性だけあって、他の属性からの攻撃には強い。だが、虫は嫌いらしい。弱点とかそういうものであるのだろうかどうかは、本人に聞いてみた。
「私虫が怖いんです」
犬の姿のまま怯えた顔になって言ってきた。
元々、虫に対する対策としてほのを呼んだのだ。肝心な時に虫から逃げ回って使い物ならないじゃどうしようもない。
俺の頭にふと魔法が浮かんだ。
この世界の魔法というのは、必要になったら、その瞬間に頭に浮かんでくるものである。
「魔界の虫よ、弱きものを喰らい尽くせ」
その魔法は闇の世界の虫を呼び出す魔法だ。
俺の目の前に黒い穴があいた。そこから虫が飛び出てくる。
「きゃあああぁあぁぁあぁあぁ!」
ほのはその虫を見ると魔法を放った。
ほのの口の前に丸い魔法陣が浮かび、そこから火炎放射器のような炎が吹き出してきたのだ。
ほのの口から吹き出した炎は虫たちを焼いてポトポトと落としていった。
「いやぁぁぁぁぁああああ! 虫怖いぃぃぃいい!」
そう言いながらも火炎放射で虫を次々と落としていく。虫はほのの炎に吸い寄せられているようですらあった。
『虫って光のあるところに集まるからな』
ほのの情けない叫び声はともかくほのは虫の対策として使えるようである。
俺は体から力が抜けているのを感じ膝をついた。
「ほの! もうやめろ! 虫は帰すから!」
そう言い虫を元いた場所に帰すため穴を作った。
虫たちはそれを見て俺の作った穴にどんどんと飛び込んでいき、あたりに虫はいなくなった。
「もう! どうしていきなり虫なんて呼んだんですか!」
ほのは言う。そしてドロンと煙に包まれ人間の姿になる。
「魔力が切れました」
そりゃそうだろうさ。あんだけ炎の魔法をやたらめったらに撃ちまくっていたら魔力も足りなくなる。
なるほど。ほのの使う魔法は俺から力を吸って発動をするらしい。
ほのが魔法を使ったら俺の魔力が減る。使われすぎると立っていられなくなる。魔力が枯渇すると体にどっと疲れがこみ上げてくる。
「虫が本当に苦手なのか? 知りたくてな」
「苦手ですよ! 怖いし数が多いし汚いし!」
聞くと俺は考え始めた。これは、上手くない。
魔力は遠慮なく使われるし魔法の魔力効率も悪い。当人も虫が嫌いなのだという。
まじまじと、ほのの事を見つめるのにほのは何か悪いものを感じたようだ。
「大丈夫です! 私はお料理とか得意ですから……」
どうもほのは契約を切られたくないらしい。
今のほのはアタフタとして次の言葉を考えているような状態だ。
だが、この原因がわからないと、何とも言えない。もしかしたらほのは普通で俺の魔力や経験が足りないから上手くほのを扱えていないだけという事もありえる。
この辺はよく調べたほうが良さそうだ。
すぐにほのとの契約解除など考えないほうがいい。
「なあ、ほの。ずっと犬の姿でいる事はできないのか?」
俺はほのにそう聞く。ほのはもう一度印を切った。そうして、煙の中に消えていく。だが、その時の、ほのの姿は犬に変わってはいない。
「魔力が足りません。失礼ながら、ご主人様の魔力が枯渇しているようです」
確かに今は立っているだけでも精一杯の状態だしな。
これは由々しき自体だ。
俺はほのの姿を見る。
服装は黒い着物。赤い帯が体に巻かれており足元は草履である。この姿は昔の日本の子供のような服装だ。
続いて顔は子供っぽいどんぐり眼に黒く艶やかな髪。頭には犬の耳が生えているいわゆる犬耳キャラだ。そしてその見た目には不相応の胸元。着物を押し上げ存在を強調している。
そんな言い方なんかしても分かりづらいだろう。
いわゆる獣っ子ロリ巨乳だ。
こんなものを使い魔にしたのだとバレたら、まだディラッチェにエロガキ呼ばわりされるだろうしフェリエは本気でキレそうだ。
そう思うものの、ほのに見つめられると彼女の事を裏切るのは気が引けた。
俺はこの子を自分の使い魔にする事にする。