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適当男の転生軍師  作者: TUBOT
学園編
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学園編 十歳に成長した俺たち。

「学校ってどんなところでしょうか?」

 フェリエがそう言って外の様子を眺める。

 あれから五年の月日が経った。

 学校に向かう馬車に乗っている。

「ロドム様。私不安です。みんなと一緒の勉強についてこれるでしょうか?」

 俺の隣にいるシィが言う。

 昔から背は低かったものの今の身長は俺と同じくらいだ。

 男と女では背の伸びる時期にズレがあり、十歳では女の子の背の方が大きい事も考えると、シィの身長は大人になっても低いままであろう。

「一緒に勉強をしただろう? 俺たちはむしろ他の子よりも進んでいるくらいなんだから」

 俺はそうシィに言う。

「ロドム様。メイドに手を出すのは下賎なことですわ」

 向かいに座っているフェリエが言う。フェリエは肩に鳩を乗せていた。その鳩はフェリエの使い魔である。

 魔力の内在量の高いフェリエは、強力な使い魔を手に入れることができた。その使い魔の強さはうちのほのと比べようもないくらいだ。

 何度も、ほのとその使い魔が戦いほのは負けている。その結果の理由には属性の相性というのもあるだろうが根本的な強さが段違いである。

 フェリエは今の身長は俺よりも高いくらいだ。

 もっと成長をしたら百七十くらいの高さになるのではないだろうか?

 十歳とは思えないほどにスラリとした体をしていて見た目は十四歳位に見える。

 俺の見た目は見た目通りの年齢。十歳の俺ではフェリエと釣り合っているようには見えない。

 このまま成長をすると大きくなった頃には、フェリエよりも身長は低いままになるだろう。

 俺はフェリエの事を見上げる存在になってしまうかもしれないのだ。

 この二人は髪型も対極である。緑の髪をしているシィは短くしているのに、フェリエは長くのばし髪を頭の上で結っている。

 お互いに相手の事を意識して、短髪と、長髪に分かれて争っているのだ。

 フェリエとシィはお互いににらみ合っていたところ、シィが口を開く。

「お嬢様とは思えませんね。発想が下品です。私とロドム様の間には何もございませんよ」

 シィはそう言う。フェリエはシィの事を睨んで鋭くなった目をさらに鋭くしてシィに言い返す。

「下賎なメイドは何をやらかすか分からないですから、金と地位に目がくらんで色目を使う恥知らずなメイドも多いといいますわ」

「ケンカならここでやらなくていいだろう? 授業中に公然と取っ組み会える機会なんていくらでもあるんだから」

 俺が間に入って二人の言い争いを止めた。

 つうか十歳同士の会話じゃないな。昔からませた子供たちだと思っていたが、五年経って落ち着くどころか、生々しさがアップさえしている。

 そうするとシィとフェリエはお互いに顔を外した。まったく同時にそっぽを向くなんて、ある意味この二人は仲がいいのではないかと感じてしまう。

「こんなものは仲がいいとはいいません」

 シィがそう言う。

 あれから五年もあれば俺の心を読む魔法の正体は分かってくる。

 ミラースムーンという魔法らしい。

 シィの目の前には真実を映す鏡みたいなものが出ているらしい。

 その鏡を通して見たら相手の考えている事が大体分かるといったものだ。

 それを聞いたとき俺はとんでもない魔法だと思った。人の心を読めるなんて魔法としては犯罪級だろう。

 シィの前でうかつな事を考えることができないじゃないか。、

「ロドム様? うかつな事とはどのようなことでしょうか?」

 俺の考えを読んだシィは言う。

「別に何でもないよ」

 そう答える俺。フェリエもいるんだ。余計な事は言わなくていい。

 シィとフェリエの口論は止まった。窓から外の様子を眺める。

「あれが、ハルディン魔法学校」

 俺はそう言う。シィとフェリエは俺の眺めている窓にまでやってきて、顔を思いっきり窓に押しつけながらハルディン魔法学校の姿を見た。

 まるでお城のような外観。お城とは違って窓が多く、あの建物の中は日の光が差し込んで明るそうだ。

「ほら見てみなよ。よさそうな所じゃないか」

 必死に話題を変えようと思ってそう言った。シィは俺の魂胆は当然わかっているだろうが、とりあえず何も言ってこなかった。


「ようこそハルディン魔法学園に」

 そう言って俺達の事を待っていたデイナが言う。

 デイナは今は十三歳だ。体も女の子らしくなってきていて、俺から見たらお姉さんといった感じに見える。

「ロドム様。いいえ。ロドム君って、呼んでいいですか?」

 デイナはそう言ってくる。俺の視線の高さに合わせるためにしゃがんで言ってくる。

 そして服の胸元が垂れ下がり、俺の目には下着につつまれているデイナの胸元が見えた。

 俺はそれから目をそらす。

 それで、俺が何を考えているかに、気づいたデイナは、胸元を押さえて驚いていた。

「ごめんごめん。私もうかつでしたね」

 そう言い、はにかみながら笑うデイナ。ついでに、俺の腕をつねるフェリエとシィ。両側からつねられて俺は結構痛かった。

 デイナの後ろには今は十五歳になっているディラッチェがいた。

「お出迎えありがとうございます。ディラッチェ様」

 一応頭を下げてそう言う。

「そりゃそうだ。『せっかくやってきたのに、出迎えもなかった』なんて、後で言われても面倒だからな」

 ディラッチェは言う。デイナはそれを聞いてフォローをし始めた。

「ディラッチェ様も、ロドム君がこっちにやってきてくれて嬉しいって言っていたじゃないですか。雪辱を晴らしたいんですよね?」

 デイナがそう言うがディラッチェはデイナから顔を外した。

「恥ずかしがっているんですよ。ディラッチェ様も……」

 デイナは言う。面倒げな顔をしたディラッチェはそれから何も言わなかった。

「ディラッチェ様。私はロドム君達を学校の案内に連れて行きます」

 デイナがディラッチェに向けてそう言うとディラッチェは頭を縦に振り了承する。そしてディラッチェは自分の部屋に戻っていった。

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