みんなでお風呂
「本当に入る気か?」
シィとほのにそう聞いた。
「何か問題でもございますか?」
シィが言う。もうすでにメイド服は脱いでいて下着の状態だ。それでも五歳の体である。そこまで欲情をそそるようなものではない。
「さぁ! 早く入ろうご主人様!」
ほのが手を掴んで風呂場にまで俺を引っ張っていった。
「いっちばーん!」
そう言いほのはフロに飛び込んでいく。お湯は思いっきり飛び俺にも大量のお湯がかかる。
「ほの。まずは体を洗って」
ほのを風呂から引き上げて座らせた。
この時代に石鹸というものはない。体を洗うのには粉を使う。石鹸のつくり方を知らないのはいけなかった。
「ほのちゃん。まずはロドム様の体を洗うんですよ」
遅れて入ってきたシィが言う。
シィは一糸まとわぬ姿だ。それに俺の体は全く反応をしない。
「ほのちゃん。背中を流してあげましょうね」
シィが言うとほのは粉を手にまぶし水で濡らし始めた。
「そーれ」
そう言いながらほのの手は俺の背中をゴシゴシした。
女の子の小さな手で背中を触られると、なんかこそばゆい感じがする。くすぐったくて気持ちよくてなんかいい感じだ。
「それでは」
シィは顔を赤らめながら言った。
「私は前の方を」
シィは石鹸を塗った手を前に出し、俺の方に迫ってきていた。
「ちょっと待ちなってシィ! 自分で洗えるから!」
「だめですよー。奥様からしっかり私が洗うように言われているのですから」
シィは俺の体に手を這わせた。シィの手はなんかくすぐったい。
「ロドムさまー。我慢しないといけませんよー。なんて言っても体を洗うためですからね。今日一日の汗をしっかりと落とさないといけません」
そう言うシィ。なんか目が尋常ではない。それに息も荒いしシィの手が体を這うと俺は少し声がでてしまう。
「シィもうちょっと
俺は情けなくこんな事しか言えなかった。
シィはさらに息遣いを荒くした。
「うへへ~。ロドム様。体を綺麗にしましょうね~」
俺が言ったら、シィはさらに俺の体に手を這わせる。そうしているとシィはさらにゴシゴシする手を早めた。
「どうですか? 気持ちいいですか? 綺麗になってますか?」
そう言うシィ。シィの手が体を這うのに耐えた。
「シィ。もうやめて」
五歳児相手にそんな事を言ってしまう。その言葉はさらにシィを興奮させるのである。
「大丈夫ですよ。もっとゴシゴシしないと綺麗になりませんからね」
「ほのもやる! なんか二人で楽しそうにしている!」
後ろのほのもそう言い出した。そしてほのは俺にのしかかってきた。
「まて。ほのの場合は胸が」
俺がそう言うが二人の耳にはもう俺の声は入っていないらしい。楽しそうにしながらほのは前にまで手を伸ばしてきた。俺の体を無遠慮に触り始める。
背中にほのの胸が当たる。こんなに柔らかいのか。ほのの胸って。
「もういい……」
俺がそう言ったところに俺の頭にお湯がかけられた。
「体を洗うのは終わりにしましょう。湯船につかりましょうね」
シィはそう言い出す。
「いま始めたばかりなのにー」
そう言うほのは不満そうだ。シィはそのほのに顔をぐぃっと近づけていった。
「あなたが始めたからですよ」
そう言ってニコリと笑ったシィ。怖いよこの子。フェリエとシィのどっちが怖いかな?
ほのはシィの言葉の意味がわからないようで不満顔だ。俺から離れる直前に俺の頬にキスをした。
「ご主人様また今度ね」
そう言うほの。もうないと願いたい。多分もうないと思われる。シィが俺とほのの事を見ながら笑顔で闘志を燃やしている。それが怖いんだって。怒っているのはわかるんだけど笑顔をしているとことか。
「ほのちゃんも綺麗にしましょうね」
そう言いシィは思いっきりほのにお湯をかけた。お湯をほのに叩きつけてでも居るような強さでかけていた。
ほのはそれを浴びると体を震わせた。犬が濡れた体から水を払うときのように見える動きだ。
「シィも一緒に入ろう」
そう言いほのは、俺とシィの手を取って風呂桶にまで引っ張っていった。
そう言いながらほのはさっきのように風呂桶に飛び込んでいった。
「ねぇ、ご主人様さっきはほのとシィのどっちが気持ちよかった?」
ほのが言い出す。おいコラ。ほかの人が聞いたら誤解を受けそうな事を言うんじゃない。
「そうですねー。ロドム様。どちらの方がよかったですか?」
シィまでそう言い出す。
「両方ともくすぐったいだけで気持ちよくなかったよ」
この言葉は完全に本音だ。五歳の体でそんな事まで覚えたくないし、五歳児の体はそういうものを感じないようにできているのだろう。
シィとほのに両側から挟まれている状態だ。
二人共俺の腕をとっていた。シィの方はまったく育っていない洗濯板なのだが、ほのは胸が発達しているため柔らかい感触が腕にあたる。
それだけで俺の心臓はバクバクと鳴っていた。
ほのとシィはあれから仲良さそうにしている。
シィは、どれだけほのに凄んでもほのはあっけらかんとしているだけなのだと気づいたのだろう。
シィは俺の事を見る。さらにぎゅっと胸を腕に押し付ける。
それを見るとほのもさらに俺の腕をとる腕に力を込める。ほのの方はヤバい。
その柔らかい感触がより強く感じられるようになった。
両側から責められる俺。
早く風呂から上がりたい。風呂は好きだがこんな緊張感のある風呂はゴメンだ。
フロから出ようとしたが、両側から引っ張られフロ中に引き釣り込まれてしまう。
「早く上がりたいんだけど」
「そうですね。肩までお湯に浸かって百まで数えましょう」
俺が言ったのに対しシィが言う。
「百ね。それくらいなら持ちそうだ」
のぼせかけている状態である。百くらいなら耐える事ができるだろうと思い数を数え始めた。
「いーち、にーぃ」
俺はシィとほのと一緒に数を数え始めた。
頭がすこしクラクラしてくる。あと百だけだ。それくらいなら耐えられる。どんどんカウントは進み八十にまでなった。
そこまでくるとキツくなってくる。俺はあと二十で上がれるんだと考えてカウントを続けた。
「ご主人さま…
カウントが九十あたりになるとほのが言ってきた。
「また入ろうね」
そう言ってほのはさらに胸を押し付けてきた。
その感触に俺は頭に血が上っていくのを感じる。視界がどんどん暗くなっていく。意識も遠くなっていく。
「ご主人様!」
「ロドム様!」
意識が亡くなる直前二人が俺に向けてそう言うのが聞こえてきた。
おれは風呂でのぼせてしまったのだ。