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第六十二話 紗彩の心中

駅に着き、意外にも電車がすぐに着くくらいの時間だった。切符は往復で買っていたから問題もなく、すぐに電車に乗ることができた。


「それにしてもこんなところで深桜の生徒会副会長に会うとはな」


「そうですね。偶然だとしても驚きました」


「ああ」


さて、今度は黒坂と再戦か。正直憂鬱だが僕にも全くの無関係でもない。高須の野郎は愛奈のことは恐らく諦めていないだろうし、前のことからして奴は僕を消そうとしてきてもおかしくはない。前はあいつのプライドをズタズタにした自信もある分、余計にだ。


「それにしても苦幻夢を使用できる人って本当にいたのですね。そこにも驚きました」


確かに苦幻夢は実際に使えるものではない。舞が驚くのも無理はない。苦幻夢は本当に夢で見るものだ。それを現実で見させることができる。ファンタジーでもない限り有り得ないことだったけど新崎は使える。正直言って使えるのが謎だけど味方ならまだありがたいな。少なくとも害がない分みんなに何かなくて助かるな。


「そう言えば冬美達は大丈夫なのか?もうそろそろ退院するころだと思うが……」


ふと入院してる冬美と工藤を思い出す。室川は二人のとこに毎日顔を出しているらしい。学校に来てない理由は二人の看病みたいなものらしいが。


「ま、僕達はただ待っていればいいか。多人数で押し掛けるのもよくねーしな」


「そうですね。先輩方が戻ってくるのを待ちましょう」


嫌な予感もそこまではしない。仮に五神将がやって来ても僕が対処すればいい話だからな。まぁ棗は多分大丈夫だろうがな。問題は暁、青葉、黒坂の三人か。黒坂はまだいいが暁と青葉が問題だな。青葉は戦闘狂だし暁は未だに謎だらけだ。


「戻ってきたらどこかに遊びに行くのもいいかもしれないな……」


「そうですね。行くとしたらどこでしょうか?」


「んー、そうだな……」


顎に手を当てて考えてみる。冬美達が喜びそうなところ。やっぱ無難にカラオケとかか?いや、恋華は女は買い物が好きって中学の頃に言ってたような……。


「……思い浮かばんな。これはあいつらに直接聞いた方がいいかもな」


「クスッ、きっとお兄様とご一緒させてもらえるだけで喜びますよ。少なくとも会長さんは」


「……」


いや、冬美だけならそうかもってのは思ってたけどさ。結構前に告白されてるから考えてはいたが……。

色々考えたら疲れてきた。少しだが睡魔も襲ってきてる。


「ふぅ……。舞、僕は少し寝る。何かあったら起こしてくれ」


「はい、お兄様。おやすみなさいませ」


僕は電車のイスの背に体を預けて目を瞑り、軽く寝ることにした。何かあっても舞がいれば教えてくれるだろう。そう判断して眠りについた。


ーー

紗彩side


茂実村で世刻兄妹に会って疑問を聞き、ようやく確信を得ることができた。やはり高須が言ってたことが誤りだったみたいだ。それにしても……。


「我ながらよく冷静さを欠いてたとはいえ世刻君に勝てたわね……。自慢できるんじゃないかな」


一度会ったときは彼は怒りで動きがわかりやすかったけど再開してみたら勝てないことを本能で悟った。五神将と戦うのにどう考えても彼は必要だった。高須はなんとかできてもその後ろにいる黒坂虎雄は私じゃどうしようもない。苦幻夢を使えるとはいえ、あれはいくつかの条件がある。


まず第一に相手の精神力。弓月や冬美のように強い意志があるとその相手には効かない。五神将に対しては彼らの自信や意志のせいでやはり効かない。黒坂虎雄にやろうとして効かなくて返り討ちにあったし。だから本格的に戦うなら私に勝ち目はない。


次に信頼相手。これは信頼というよりも恋愛感情も関係している。家族を信頼してるっていう条件ではこれは使えない。強い想いを抱いている相手がいなければ苦しさはそこまでないからそうなると苦幻夢の幻覚を見せられない。


他にもあるけど必須なのはこの二つ。高須は雨音愛奈に対して病んでるほど愛しているのはわかる。だから実は苦幻夢は簡単に使えるが、彼の速さのせいで使う前に止められてしまう。そうなると終わりだ。


「それに、黒坂も黙っているとは思えないわね。先手を打ってきそうだし気を付けなきゃ」


私はなんとかして高須に一矢報いようと誓った。





ア「どうも、アイギアスです!」

秋「秋渡だ」

舞「舞です」

星「……星華です」

秋「はぁ……。最近更新えらく遅くねーか?」

ア「……察してくださいよ」

星「……でも遅かった上にこの短さはひどい」

舞「まぁまぁ、いいではないですか。更新しないよりはいいと思いますよ?」

秋「確かにな」

ア「そういえば秋渡君、美沙さんとデ……ゴホンッ。買い物は行ってきたのですか?」

秋「ああ、行ってきたぞ」

舞「えぇっ!?」

星「……よく美沙と買い物行くね?」

秋「ああ。……だがな」

ア「どうしたんですか?」

秋「いや、お洒落するのはいいんだが……周りからの視線が刺さりまくっててな。正直居づらかった」

舞「アイドルですから目立ってしまいますからね」

秋「指摘したんだが美沙が『それよりも早く行こ!』って言ってきて意味なかったんだよ」

星「……それは大変」

ア「いや、単に秋渡君との時間を取られたくなかっただけだと思いますよ」

舞「一理ありますね。というか言われてみればそうとしか……」

ア「あれだけ同じ異性といて大丈夫なんですか?」

秋「……プロデューサーに恋人って言ったらしくてな。プロデューサーももう僕のこと知ってるから納得しやがった」

舞「むむむ……これはのんびりはしていられませんね……」

星「……私も頑張らないと」

ア「今回はここまでのしておきましょう」

秋「そうだな。それじゃ……」

ア・秋・星・舞「また次話で!」


ーー

オマケ

幸「……私、最近出番ないなぁ。本編で秋渡さんに会いたい……」

愛「……私もです。秋渡さん成分が足りません」

幸「私も動かなきゃ秋渡が盗られちゃう!」

愛「秋渡さんは誰にも渡しません!」



秋「クシュン!……風邪か?変な悪寒もするし、なんなんだ?」

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