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第五十三話 秋渡vs雷紅達

秋渡side


ーー

舞達の所に行く少し前。僕は金髪達とスモークが張られた所で戦っていた。だが僕はあまり長くこいつらと遊ぶ気はない。理由は簡単だ。あまり遅くなると舞達が危険になりそうだからだ。まぁ赤髪くらいなら明菜と室川が対処できそうだけどな。冬美と工藤も目を覚ましているから動けるならなんとかなるだろう。けどその前にこいつらを片付けるか。できれば一人も突破させたくなかったんだがな……。


「なんて無駄のない動きなの!?」


「は、速い……」


茶髪と緑髪が肩で息をしていた。金髪は疲れているだろうがそれを表に出していない。素直に凄いと思う。あれだけ僕に攻撃されても殺気もそこまで衰えていない。金髪は何度も攻撃を仕掛けて来てはいるが、それは全て捌いている。というよりも金髪が疲れて来ているから正直言って防御するのも回避するのも簡単だ。


「はぁ……はぁ……。当たら……ない……」


金髪はとうとう限界が来たみたいだな。僕は全く疲れていない。茶髪と緑髪も既に限界に近いだろう。青髪はさっき気絶させたからもう完全に戦力外だ。もうこいつらには勝ったも同然。


「わかっただろ?お前らじゃ僕には勝てねーよ」


「はぁ……。勝つ処か傷一つ……付けられて……ないわよ……」


茶髪が息を荒くしながらも言ってくる。金髪も足が限界なのかついにその場に膝をついた。僕はそれを淡々と見ていた。茶髪と緑髪もこれ以上何かをすることはないだろう。ふむ、殺すと後が面倒だし気絶させておくか。僕は一歩前に踏み出す。それに気付き、一気に警戒をしてくる三人だが、武器を持ち上げる力すらも残っていないらしい。


「……どうやらここまでのようね。有栖様、仇を取れず……申し訳ありません……」


金髪はもう降参した感じで大の字に横になった。僕は側にある武器を拾う様子もないし横になりながら息を苦しそうにしている金髪を見る。見た感じは完全に諦めているように見える。だがもしものことがあるから油断はしない。だが金髪は首だけを持ち上げ、僕を見てくる。


「殺すなり犯すなり好きにしたらいいわ。抵抗もするだけ無駄だし」


「……私達はここでおしまい。だから殺るなら殺りなさいよ」


「犯すなら犯すでもいいわ。気が済むまでやればいいし」


金髪が言ったのと同時に茶髪と緑髪もそれぞれ言ってくる。僕は三人の言葉は無視をして金髪に近付く。側に来たらしゃがみこみ、金髪の顔を見る。


「……お前らは殺されたいのか?犯されたいのか?」


「……女性の敗者にはその選択以外にあると思う?」


「僕は最初は殺そうと思ってたがよくよく考えたら害にならないなら気絶させるだけでいいんだわ」


「貴方、本気で言ってる?また命が狙われるかもしれないのよ?」


僕は金髪の目を見ながら話す。金髪も僕の目を見ながら話している。僕は不意に目を閉じ、青葉を思い出す。あいつは間違いなく僕を殺すためにまた来るだろう。それに比べたらまだ全然マシだ。


「既に僕は青葉と殺り合って奴に深手を負わせた。だからまたあいつは僕を殺しに来る。敵の数が少し増えるだけだ」


僕はそれだけ言って立ち上がろうとした。しかしなぜか金髪が僕の腕を掴んできたので立ち上がれなかった。


「……なんだ?」


「一つ聞きたい。貴方は他の五神将と敵対してるの?」


ああ、青葉と殺り合ったから五神将同士なのになぜ戦ったのかが気になるのか。そりゃそうか。五神将は暁の下に全員いるイメージが強いからな。


「僕は単に僕の家族や友人と決めた連中に危害を加えるやつを倒すだけさ。暁はなんか気に入らないから問答無用で倒すけど。」


「……………………………………………………………………そう」


それだけ言って金髪は目を瞑り、腕を掴んでいた手を放した。それにしてもこの金髪はいきなりどうしたんだ?茶髪と緑髪も見ると驚いた顔をしてるし。こいつらは本当にどうしたんだ?まぁいい。それよりも舞達の所に行くか。僕は今度こそ立ち上がった。そして保健室に向かって歩き出す。


「……気絶させるんじゃなかったの?」


金髪の言葉に僕は足を止めて振り返る。金髪は未だに立ち上がろうともしない。僕は今のこいつらを気絶させても結局後処理がめんどいことに気が付いた。気絶させたらこいつらどうすりゃいいんだ?警察だと後々めんどくさいし、校長はいねーし。肩越しに金髪を見る。


「……後々が面倒なだけだ」


「……せめて何かしてよ。このままだとなんか惨めだし」


「……何かしてほしいのか?」


「う……、へ、変な意味じゃないわよ!?た、ただ負けたのに何もされない方が嫌なだけだし……」


「……変わってるな。じゃあ……」


僕はすぐさま金髪に近付き、彼女の頬を引っ張る。柔らかいな。


「ひゃわっ!?」


……なんか今最初に覇気のある声からは程遠い声が聞こえたんだが……。


「(思ったよりもよく伸びるな)」


愛奈のはあいつが抱き付いて来たときに当たるからなんとなくわかった。まぁそれはどうでもいい。とりあえず少し弄ったらすぐに離れた。金髪を見ると頬を紅潮させてさっきよりも息が荒くなっていた。


「はぁ……はぁ……」


「……満足か?」


「あ、いや、もう……ちょっと……」


「なぁ」


僕は金髪ではなく茶髪と緑髪に聞く。


「……私達にもしたら?」


「いや、そうじゃなくてこいつ、普段もこうなのか?」


「「そんなわけないでしょ!」」


声を揃えて教えてくれた。ふむ、普段はさすがに違かったか。ならよかった。けど気のせいじゃなきゃなんか少し興奮してるようにも見えるんだが……。


「そうか。まぁいい。じゃあ僕は行くわ」


「……炎真を甘く見ないことね」


「……いや、あいつは楽だ」


「どうしてよ!?」


「黒坂と戦ったことがあるからな」


僕の言葉に五神将が出た瞬間、茶髪と緑髪は息を飲んだのがわかった。奴の銃の扱いについては有名だ。あの改造銃はヤバイからな。まぁ黒坂に関しては他にもあると思うがな。さて、そろそろ行くか。


「じゃ、お仲間さんをここにまた連れてきてやる」


それだけ言って僕は四人の所から保健室へ走った。四人を残してだが戦意喪失してるこいつらが保健室に来ることはないだろう。



ア「どうも!アイギアスです!」

恋「恋華です!」

星「……星華です」

美「美沙です」

恋「ちょっと!私達最近出番全くないじゃん!」

星「……秋渡は何をしているの?」

ア「なぜか五神将との戦いよりも長引いてしまっているんですよね……」

美「うーん、さすがにそろそろ出番が欲しいなぁ……」

星「……この戦いって放課後だよね?」

ア「はい、そうですよ。ですが敵の数が数ですからね……」

美「秋渡君ならそんなに時間かからないと思うんだけど……」

ア「それはそうなんですけどね」

恋「それよりも昔の秋渡ならそもそも誰かのために動くことなんてあんなになかったんだけどな……」

星「……そうなの?」

恋「うん。私は幼馴染みだから助けてくれたんだろうけど他の子にはそんなに手を貸さなかったから」

美「そうだったんだね……」

ア「ですが恋華さんは守る辺りはさすがですね」

星「……秋渡が恋華以外を助けなかったのってただ単に面倒だからじゃないの?」

恋「私もそう思ったんだけどね。なら別に私も放置してもおかしくないでしょ?」

ア「確かにそうですね……」

美「やはり普通の人とは違うということかな?」

星「……真実は秋渡だけが知る」

美「でも昔から守られてるっていうのは羨ましいな……。そういうの、なんだか憧れるよ……」

星「……秋渡なら本当に白馬の王子になれる」

ア「王子よりも帝王や皇帝とかになりそうですが……」

恋「そんなものは秋渡から願い下げすると思うわよ。そろそろ締めようか」

ア「そうですね。では……」

ア・恋・星・美「また次話で会いましょう!」

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