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第五十一話 圧倒的な力の差

秋渡side


ーー

気配で冬美と工藤が目覚めたことがわかった。まぁ舞がしっかりと色々説明してくれてるだろう。明菜も少しは舞に手当てしてもらったはずだ。ならば僕のやるべきことはこいつらの撃退、または殺すことだな。


「くそぅっ!なんだこの男の強さは!?」


「まるで五神将と戦ってる気分よ!」


金髪と茶髪が五対一にも関わらず傷一つ付いていない僕に焦りを感じ初めていた。正直に言ってガードを続けて相手が疲弊するのを待ってもいいんだがそれだと長引く。僕は刀を強く握り、そして今回ほぼ防御に徹していたのだがついに攻勢に出た。さっきまでの動きなどから誰から潰せばいいのかがわかった。僕は真っ先に青髪を狙った。 正直最初に狙うのは誰でも良かった。こいつらの得意なことは全員での連携プレーだ。ならば一番に誰を狙えばいいか。それは誰でもいい、が正解だ。


「覚悟しろよ?」


僕はさっさと青髪の背後に回る。


「なっ!?速い!?」


僕は振り返って来たところを狙って頭を、いや顔か。顔を掴んでそのまま床に叩き付けた。青髪はもがこうとする間もなく僕にやられていた。


「がはっ!?」


青髪はそのままヒクヒク痙攣をしてからやがて気絶した。金髪達は分からなかったがそれでも味方がやられたことを理解する。僕は青髪の顔から手を離す。そして残り四名と対峙する。一人削るだけでも違うだろう。さて、次は誰にするかな。僕はゆっくりと歩き、近付く。四人は……特に赤髪が後退りする。しかし金髪は諦めていないらしく、後退りしながらも何かを考えているようだった。


「(いや、もう何をするかは考え付いたようだな)」


金髪は懐から手榴弾みたいな物を出し、ピンを抜いて僕の手前に投げてくる。それは地面に当たると同時に多量の煙を出してきた。スモークグレネードか……。また面倒な……。だが僕はスモークグレネードの方よりも四人の動きの方を見ていた。だがすぐに煙で前が見えなくなる。最後に見えた時は四人が分散した所だった。


「やるなぁ。だが……」


僕は刀の切っ先を左に向け、突き出す。ガキンッ!と金属がぶつかる音がした。


「気配がわかれば問題ないな」


そう、僕は左から迫ってくるのを気配で感じた。だが気配を感じてる中で気になることがある。僕に接近しているのは三人だということだ。一人はどんどん離れて……。


「!あいつらの所か!?」


気配的にあの金髪か?いや、今ぶつかった音からして違うな。剣とぶつかった感触がした。となると青髪もありえないから後は……。


「赤髪か」


銃で攻撃してきたあいつなら遠距離から攻撃できる。明菜も対接近戦の方が戦略を組み立てられる。そうなると遠距離相手だとナイフを投げるしかないだろう。


「(さすが元々仲間だっただけはある。明菜の弱点を理解している)」


そうなると赤髪だけは近付けさせないようにしたい。だがここでこいつらを放置すると追ってきて逆に危険だ。どうする……。


「ふふ、例え貴方に今勝てなくても明菜を排除すれば今回はいいわ。あまり喋られるのは困るから」


煙のどこかからか金髪の声がする。そして後ろから緑髪の槍が飛んできた。それを僕は刀で弾く。するとすぐに槍を引っ込めた。一撃離脱か。今の状況だとめんどくさいな。だがこいつらは僕の場所を把握しているから赤髪を追うことができない。追おうとすればすぐに攻撃し、動かなければ時間をおいてから順番に攻撃してくる。


「そろそろ到着する頃かしらね……」


金髪の含み笑いある言葉が聞こえる。確かに僕はここで随分と足止めを食らってしまった。こうなると三人を倒して行かないと行けない。スモークグレネードの効果が切れ、三人と対峙する。と、ここで気が付いた。


「お前ら僕を保健室から遠ざけたな?」


僕はスモークグレネードをくらう前まで立っていたであろう場所から随分遠くにいた。攻撃を弾いた時に少しずつ押されたみたいだな。やれやれ、中々やるな……。


「しゃーない、お前らを倒してから保健室に行くか」


「ふふ、例えそれが出来ても手遅れよ。あの子によって全滅してるのだから」


「ふ、それはないな。僕が行く必要もないかもしれないな」


口角を上げる金髪に対して僕もニヤリと笑う。それを見て金髪は睨んできて、茶髪は理由を聞きたそうに僕をじっと見つめ、緑髪は目を見開いていた。僕はそれには答えない。代わりに、


「さぁ、続きを始めようか!」


保健室にいる仲間達をを信じてこいつらの相手をするとしようか!僕は床を蹴って突撃する。一撃で出来れば全員沈めたいが恐らくそれは無理だ。ならばまずは戦力を削る所からだ。金髪の攻撃は回避して茶髪と緑髪をさっさと倒すことにしよう。


「ふふ、お仲間は大丈夫なのかしら?有栖様に付けられた傷もある子もいるのでしょ?」


「心配ないな。お前らこそ赤髪の所に行かなくていいのか?あいつ一人であれだけの人数を相手にするのは些か無謀だと思うぜ?」


「それこそご心配なく。一つ教えてあげるわ。あの子の銃、実は変形型の物なのよ。銃で遠距離から攻撃できる上にナイフで近距離戦闘もできる。そんな子が負けるわけないわ」


「……なるほどな」


明菜が相手なら明菜のナイフは銃で迎撃して近接戦ならばナイフに変形させて戦うか。確かに遠距離重視の明菜には辛いだろう。だが、


「悪いが明菜以外に強い奴はいるぜ?知らないのか?ここの生徒会長サマのことをよ」


冬美が復活したからには負けないだろう。まだ怪我の調子が良くないことを差し引いても勝てるだろう。棗や黒坂との戦闘で相手の速さは恐らくだが遅く感じるだろう。それに、工藤と室川もいる。簡単に負けないはずだ。あいつらは連携プレーも得意だ。凛桜との戦いではそれが働かなかったが、明菜と対峙して勝ってる。ならば心配はいらないな。

さて、僕は僕でやるべきことをやるとしますかね。


「さて、お前らには最初ただ退いてもらうだけでよかったんだけどここまでこっちに被害を被せて来たんだ。それなりの覚悟をしてもらうぞ?」


僕は目を細め三人を睨み付ける。そこに何かを感じたのか、三人とも顔を青くして僕を見てきた。ふむ、消えてもらうなら名乗っても何の問題もないか。ならばさらにこいつらには恐怖を覚えてもらうか。


「さっき名乗れって言ってたよな?いいだろう、名乗ってやる」


僕は金髪を見ながら刀を下ろす。そしてニヤリと笑い、そして手を胸に当てる。


「僕は世刻秋渡。深桜高校二年だ。そして……」


一旦区切り、そして一番効果のある言葉を言う。


「最後の五神将だ」



ア「こんばんは、アイギアスです!」

秋「秋渡だ」

恋「恋華です!」

冬「冬美です」

ア「とうとう秋渡君は五神将とうことを話しましたね」

恋「え!?だ、誰に!?」

秋「ふ、読者の方は見ればわかるよな?」

冬「話したのね」

秋「まぁどうせすぐに消すから問題ないだろう」

ア「さりげなく物騒なことを言いますね……」

恋「そ、そうね……」

秋「それはそうと恋華は最近うちに来なくなったな」

恋「え、あ、うん。舞ちゃんの邪魔になるかな、って思ってさ」

秋「いや、それはないな。前お姉様って呼ばれてただろ?」

恋「……そうね」

冬「ふふ、こういう風に聞いているとあなた達って本当に兄弟みたいね」

秋「確かにそうかもな」

恋「昔から一緒だったしね」

ア「羨ましいですね。こんなに可愛い子と幼馴染みだなんて」

恋「えっ!?わ、私そんな可愛くないわよ!」

秋「いや、そんなことないだろう」

恋「え?」

秋「はっきり言うが恋華は普通のアイドルよりも可愛いと思うぞ。美沙は確かにレベルの高いアイドルだが少し他のアイドルを見たら恋華の方が可愛いって思ったぞ」

恋「……ふぇ。あ、ありがとう、秋渡……」

冬「いいなぁ……。私もそう言われてみたいな」

秋「というか僕の身近の女子はみんな可愛いだろ」

冬「え?」

秋「やれやれ、周りがレベル高いやつ全員ってのは中々に照れるな」

冬「秋渡君の照れてる所見たことないんだけど……」

恋「私は昔ならあるよ」

ア「お話が盛り上がってる所申し訳ないですがそろそろ終わりますよ」

恋「あ、うん」

冬「わかったわ」

秋「やれやれだ」

ア「では!」

ア・秋・恋・冬「また次話で!」

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