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第四十七話 明菜との対話

僕は明菜の近くで椅子に座り横になっている明菜を見る。明菜は僕を見返している。だがそこに狂ったような影はない。殺気もないことから敵対することはないようだ。


「それで、何が聞きたいの?」


「答えないんじゃなかったのか?」


「あなたの言うプライドをズタズタにするって言うのがどうやるのかが怖いからそれなら答えるわ。それに……」


明菜は僕の内ポケットにある明菜のナイフを見る。


「私を縛っていた人も死んだし」


その言葉とは裏腹に寂しさよりも少し安堵した顔をしている。そんなに櫻井は嫌だったのか。


「ならまず一つ目だ。なぜ僕達を襲った?」


「命令だったから。誰からのか、ていうのは答えなくてもいいよね?」


「ああ。なんとなくわかる」


そんな命令を明菜にしたのは間違いなく櫻井だな。縛っていた人って言ってたし。だが櫻井も裏で誰かに命令されていた可能性もある。明菜は目を閉じながら何かを考えているのか、そのまま黙っていた。取り敢えずこの質問はこれだけ聞ければいいだろう。


「じゃあ次の質問だ」


僕がもう次に移ったことに驚いたのか、あるいはちゃんと聞くためなのかはわからないが明菜は目を開けて僕を見てきた。それを受け止めながら僕は次の質問をする。


「お前らのリーダーは誰だ?」


僕は最も聞きたかったことを聞いた。これで暁と言われたら正直ヤバい。あいつは五神将の中でも最強だ。そうなるとさすがの僕も辛い。奴の強さは最強と言われているが奴の底は本人以外は知らないはずだからだ。


「リーダー?」


明菜が疑問を持つ顔をした。ひょっとして明菜は知らないのか?だとしたら櫻井を生かしておくべきだったかもしれないな。僕は少し考えながらもなお明菜に聞く。


「……知らないのか?」


「いや、そのリーダーはあなたが殺したじゃない」


「……は?」


僕が殺した?ということはつまり櫻井を中心とした組織だったのか?だとしたらこいつから聞くことないじゃん。というか聞いてもリーダー潰しちゃってるから意味ない。だがひょっとしたら暁が関わっている可能性もある。……その前にこいつは暁のことを知ってるよな?


「お前、暁春樹って知ってるか?」


ーー

明菜side


世刻秋渡に尋問のために捕まった。だけどおかげで助かったとも取れるかもしれないわね。私はこの学校の生徒会を少し甘く見すぎていた。特にあの関澤冬美という生徒会長は。そういえば今気付いたけれど関澤冬美って結構強いって話だったわね。まぁそんなことは今はどうでもいいか。私は捕まったから櫻井有栖に殺されると思っていた。けどその櫻井有栖は世刻秋渡の手によって殺されたらしい。櫻井有栖の武器はホーミング能力が付いている二丁銃だったはずだからそう簡単には倒せないのに。けど元々人を利用しまくっていた人だし、ここで死んだのは今まで殺してきた人達の仕返しみたいなものなのかもしれない。

さて、そんな櫻井有栖を殺した世刻秋渡だけど……。


「(思っていたよりもずっと話しやすいのね……)」


以前屋上で対立した時は殺すことしか頭になかった。けれどもいざ今尋問されてる中なのに話していると心が落ち着く気持ちになる。不思議な男ね。

そんなことを考えていた最中に世刻秋渡からされた質問。


「お前、暁春樹って知ってるか?」


私は思わず世刻秋渡を反射的に見てしまった。なぜこのタイミングでその男の名を!?忘れたいのに忘れられない五神将最凶と言われている男。そして……。


私の両親を殺した卑劣な男の名。


私は無意識のうちに唇を噛んでいた。けれどもそれをすぐにやめて世刻秋渡を見る。


「知ってる」


簡単に私は答えただけだった。正直あの男がどうやって両親を殺したのか、どうやって接近してきたのか、どうやって街を襲ったのか、どうして私達が住んでいた街を襲ったのか。全て謎に包まれている。

私の答えに世刻秋渡は「そうか」と答えただけ。何を聞きたいのだろうか。ひょっとしてあの男に仕えたいのだろうか。だとしたら阻止したい。


「なぜそんなことを聞くの?」


私は阻止するために世刻秋渡に聞く。嘘を見逃さないためにも。そして少しでも私と会話らしい会話をしてくれ、あの男と組ませたら危険過ぎる男を敵にしないためにも。



秋「こんにちは」

舞「こんにちは!」

秋「突然ですまないが実は今回は後書きはすぐに終わらせる」

舞「楽しみにしていた方は申し訳ございません」

秋「というわけでもう終わらせるぞ」

舞「はい」

秋・舞「また次話で!」


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