第四十五話 校長室調査
校長室へ向かった僕達。二人はどこの行くのかは知らないのにちゃんと付いてくる。さすがに二人が僕の足に付いて来れるわけがないので二人のペースに合わせて走る。別に急いで確認したいわけじゃないしな。だが櫻井が表で校長を演じていたのなら本物がどこに行ったのかは気になる。殺されてることはないと思うのだが……。
「お兄様、どこに向かっているのですか?」
さすがに気になったのか、舞がとうとう聞いてきた。移動しながらでも答えるか。室川も僕の方を見ながら走り続ける。
「校長室だ」
その答えに二人は頭に?マークを浮かべたかのような顔をする。そこに行く理由がわからないんだろうな。僕はフッ、と軽く笑うがすぐに顔を引き締める。そして二人に説明をする。
「櫻井がずっと校長としてここにいたのなら本物の校長はどこに行ったのかと思ってな。だが学校のどこかに監禁してたら清掃員や見回りの教師にいずれ見付かるだろう。だが校長室なら基本入ることを禁じることができる。入ってくる数が少なければ誤魔化しも隠すことも簡単にできるだろ?」
二人にざっくり説明したら舞はまだ少しわからないという顔をしているが室川はなるほどと言った感じで頷いている。
「簡単に言うと本物の校長は校長室で閉じ込められてる可能性が高いってことだ」
それを舞に伝えたらやっと理解できたと言うように頷いた。
ーー
さて、そうこう話していたら校長室に着いた。僕は後ろに立っている二人に目で入るぞと伝える。二人は理解し、頷いた。僕は校長室のドアノブを捻り、押して中に入る。……見た感じ僕が櫻井に誘われた時と変わりはない。二人も僕の後から入ってくる。
「……何もないわね」
室川がぼそりと呟くが僕も同意見だ。不思議なのは人の気配がないこと。おかしいな?確かにあの時は気配がしたんだが……。誰かが連れ出したか?
「念のためここで色々と調べてみよう。何かわかるかもしれない」
「はい、お兄様」
「了解」
僕達はバラバラになって校長室に何かないかを探す。あの時確かに人の気配があった。だから絶対に何かあるはず。僕はまず舞と室川にはそれぞれどこを調べるかは二人に任せた。僕自身は作業用の机の周りを、舞は本棚を、室川は来客用の机付近を調べる。引き出しなども調べるが出てくるのは書類やら校長の娘の陽菜の写真ばかりだった。つまりは特に発見はない。
「世刻君」
どうしたものか悩んでいたら室川から声をかけられる。僕は室川の方へ向く。
「何かあったのか?」
「これを」
そう言って室川が渡してきたのは一枚の紙。それを受け取りざっと書いてあることを流し読む。そこに書かれていることは……。
「……深桜高校の危険人物一覧?」
タイトルはそう書いてあった。恐らく櫻井が書いたものだろう。ひょっとしたら明菜が報告に書いた可能性もある。だが今はそんなことはどうでもいい。僕は書いてある人の名前を見る。
~~
以下の人物はここ深桜にて確認できる危険人物一覧である。赤字の者は特に危険なので最優先に対処すべきものだ。
・関澤冬美
・室川綺羅
・工藤結衣
・世刻秋渡
・世刻舞
・水嶋恋華
・風間星華
・雨音愛奈
・木上美沙
以上である。なお、世刻秋渡に関しては残る一人の五神将の可能性があるので最も警戒すべき相手である。
~~
僕はざっと読んでみてこれは僕と交戦したことがある人物ということが予想できた。そうでなければ僕の強さはわかるはずがない。だからそうとしか考えられなかった。
「危険視されてるのは冬美と世刻君の二人ね」
室川は紙の赤字で書かれてる名前を見てそう呟く。だが僕は疑問を抱いている。確かに危険視されてるのが僕と冬美なのはわかる。だが愛奈と美沙の名前が上がっているのは何故だ?そこがわからない。
秋「どうもこんにちは、秋渡だ」
ア「アイギアスです!」
星「……星華です」
秋「なんかこの作品、どんどん恋愛から離れていないか?」
星「……私もそう思う」
ア「えぇ、自分でも思っています……」
星「……学園系だよね?これだと」
ア「最初はそのように書いていましたからね。ですが少し書いてたら恋愛要素もあったので恋愛の方がいいかな?って思ったんですよ」
秋「確かに恋愛要素はあるな。ここ最近はそんなことなくなってるように思えるが……」
ア「一応また出しますよ。苦労するのは秋渡君ですがね」
秋「……何故だ」
星「……確かに秋渡は苦労する」
秋「……」
ア「まぁその時は頑張ってください」
秋「他人事だと思いやがって……」
ア「とりあえず今回は早いですがここまでです。それでは、」
ア・星「次話でまた会いましょう」
秋「……なんか、メチャクチャ嫌な予感がする」