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第四十二話 秋渡vs櫻井

秋渡side


ーー

放課後。

僕は帰りについて皆に聞いたのだが、集まりは良くなかった。恋華は買い出しがあるらしく、終わると同時に帰ったというのを恋華のクラスメートから聞いた(なぜか顔を赤くしていた)。星華はそのままふらりと帰った。夕飯を作らなきゃいけないらしい。愛奈は雨音家のことで久英さんに呼ばれたらしく、泣きながら帰っていった(冗談ではなく本気で泣いてた)。美紗は仕事があるので途中で帰った。橋本と相澤も部活のために行ってしまった。


「今日は集まりが悪いですね、お兄様」


唯一一緒なのは舞だけだ。まだ冬美はわからないから生徒会室には行くがあまり期待はできないだろう。だがしかし舞の言った通り今日は集まりがかなり悪い。愛奈と美紗はまぁ仕方ない。いや、考えててもしょうがないか。


「とりあえず冬美の所に行くぞ」


「はい、お兄様」


僕は舞と共に生徒会室へ向かった。ただなぜか胸騒ぎがする。


ーー

生徒会室に着いた。着いたのだが……。


「なんだ?なぜこんな臭いが?」


「う……。この臭い、苦手です……」


舞は思わず僕にしがみついてきた。同時に動揺もしているのか震えてる。だが僕も少し動揺していた。なぜなら……、


「なぜ中から血の臭いがする……?」


僕はとりあえず冬美達を確認するためにドアを開けた。そこには……。


「櫻井?」


櫻井校長がいた。冬美、室川、工藤、明菜の四人もいるが全員倒れていた。そして室内だが血がかなり飛び散っている。冬美達の武器にもいくつか付いているが、そんなに多くない。だがそれよりも僕は舞を伴ったまま入ったのは間違いだと思った。現に舞は顔を青くして今にも倒れそうな状態になっている。直接見たわけじゃないが恐らくあの二人のことを思い出してしまい、こうなるんだろうな。


「あら、これは予想外な客が来たわね」


校長室で話したような話し方じゃない。これがこいつの素か。しかし想像よりも動くのが早いな。


「何をしてやがる。いや、何をしやがった」


僕は怒りをあまり隠さずに問う。しかし櫻井はただ笑うだけ。癪に障るなこいつは。


「見ての通りよ?明菜には何もしてないけどね」


だがそれでも明菜がやっただろうワイヤーが落ちている。つまりは明菜と戦った後に櫻井が乱入してきて冬美達を倒したのだろう。見た感じ気を失っているが息をしているのはわかる。が、冬美だけは傷が深い。手当てしないとまずいな。それには……、


「そうか。ならさっさと消えろ」


櫻井がいては妨害をされる可能性がある。そうなるとその間に冬美の怪我が悪化する可能性がある。それだけは避けなければならないのだが……。


「ふふ、まさか……」


櫻井は薄く笑った後に僕を見、冬美を見て、


「消えるとでも?」


とハッキリ言ってきた。戦闘は避けられない、か。だがどうする?舞もだが冬美のタイムリミットがあまりない。


「お兄様」


どうするか考えていた時に舞が話しかけてきた。先程のような青さは残っていない。そればかりか今やろうとしていることを許可してほしいと言ってるようにも見える。舞の目がそう語っていた。


「……どっちがいい?」


僕は敢えて選択肢を与えた。直接見たことはないが五神将の兄弟なら強さはあるだろう。あの二人がしっかりとしてればな。なので選択肢を与えた。戦うか救護するか。


「本当は戦う方ですが万が一がありますので救護に回ります。なのでお兄様は」


舞は櫻井を見てそのまま横目で僕を見る。それは僕の強さを承知しているために僕に託すということだ。……決まりだな。


「任せろ。舞も手当てを頼む」


「はい!」


力強い返事。そして同時に僕達は動いた。僕は刀を抜いて櫻井に接近する。舞も冬美の所に。櫻井はクスクス笑いながらも銃を取り出した。そして僕に発砲。躊躇いもなく眉間を狙ってきたがそれを避け、そして斬りかかる。


「ふふ……。ただの弾だと思ったら死ぬわよ?」


僕は弾を見たらそれが僕の方に追尾しているのに気が付いた。また避けたがやはり追ってくる。


「ちっ」


僕は舌打ちをして弾を避けながら櫻井に接近する。しかし櫻井は見越していたのだろう、僕から距離をとって四発撃ち込んできた。これを全て回避するのは簡単にはできない。今は合計五発の追尾弾が撃たれている。しかも標的は全て僕だ。舞の方に行かないのはせめてもの幸運だがこれをかわし続けるのはさすがに辛い。しかも櫻井は銃に弾を装填しているから弾丸の数が増えてしまう。


「さぁ、どうする?この数から室内で逃げ切れるかしら?」


不敵に笑い銃を二丁取り出す。まだあったのか……。そしてそれぞれ十発ずつ、計二十発の弾を撃ち出してきた。これで合計二十五発。さすがに避けれないな。どうする……。


「あらあら、いつまで持つのかしら?」


「くっ……」


ついに避けきれずに何発かの弾が腕と足に被弾してしまい、血が出てきた。同時に体勢もぐらつき、頬と肩と腹に弾がかすり、血が流れる。うん、痛いな。


「お兄様!」


舞が心配になったのか声を上げる。あまり心配させたくないし怖がらせたくないがこうなりゃ仕方ない。全部……。


打ち落としてやる!




ア「どうも!アイギアスです」

秋「秋渡だ。櫻井との戦闘だな、今回は」

ア「そうですよ。校長と激戦(?)ですよ」

秋「なぜ(?)なんかついてんだ?」

ア「いや、だって……ねぇ」

秋「……それはそうと今回ここには僕とお前だけか?」

ア「いえ、もう一人いるのですが……」

幸「すみません、お待たせしました」

秋「お、幸紀か。なら安心して進められるな」

幸「え?安心って……」

ア「うわー、さすが天然タラシ……」

秋「ん?なんか変なこと言ったか?」

ア「いえいえ、何も言ってないですよ?」

秋「なら目を逸らすんじゃねぇ」

幸「ぽわー……」

秋「幸紀、帰ってこい」

幸「はっ!?私は一体……って秋渡さん!?」

秋「ん?なんだ?」

幸「あの……その……」

秋「どうした?」

ア「近いですよ……」

秋「あー……、すまん」

幸「い、いえ……」

ア「もうくっつけよ、二人とも……」

幸「ぴゃーっ!?」

秋「おい、幸紀が困惑しただろ……」

ア「……なんであなたはそんなに冷静なんですか」

秋「性格的に、か?」

幸「はわー……」

ア「なるほど」

秋「そろそろ終えるか」

ア「ですね」

秋「幸紀、終わるぞ」

幸「え?あ、はい!」

ア「それでは」

ア・秋・幸「また次話で!」

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