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第三話 最強生徒会長

更新しました。

その日の放課後、相澤と橋本は部活に行った。僕は部活には入っていないからさっさと帰る。カラコンもさっさと外したいしな。


「や、秋渡。もう帰るの?」


玄関に着くなり恋華に会った。


「ああ。やることねーしな」


「そうなの?なら一緒に帰ろうよ!」


「別にいいけど」


普通は男子と帰りたがる女子はいない。五神将以外は女子より弱いから友人同士なら問題ないしな。


「んじゃ、帰る……「世刻君」か…?」


いきなり人の言葉を遮り話し掛けてきたやつがいた。せめて全部言わせろよ…。てか誰だよ。


「え……?」


ん?なんか恋華がすげぇ驚いた顔をしてる。


「関澤…会長…?」


関澤?ああ、三年生でこの学校の生徒会長にしてこの学校最強の関澤せきざわ冬美ふゆみか。

振り返って僕は彼女と対面した。

見た感じは美少女だ。髪は長めで肩より少し下まで伸びてる。色は藍色をしている。目は髪の毛と同じく藍色で鋭く、並の男子なら怯えるレベルだな。んで顔立ちも整っていて、出るとこは出てる。……まぁそこはどうでもいいか。

問題はなぜ生徒会長が直々にしかも僕のところに来たのかだ。


「世刻君、少し時間をくれないかしら?」


凛とした声で言ってくる。一体なんなんだ?


「秋渡、なにやったの?」


「なんもしてねーよ」


恋華の方を少し見てすぐに否定する。まぁ強いて言えば遅刻してることだな。だがそれなら教師が真っ先に言ってくるだろ。だからわからねーんだ。


「大丈夫よ。彼はなにもしてないから」


「じゃあなんの用だよ」


一つ上だが僕は敬語なんて使わない。堅苦しいからなんか嫌いなんだよな。


「とりあえず付いてきてほしいの」


チラリと恋華を見る。恋華は行った方がいいと目で合図してきた。なので僕も恋華に仕方ないから先に帰ってくれと目で伝えた。恋華は頷いたから了解をしたのだろう。


「わかった」


僕は先に歩き出した会長さんのあとを恋華に見送られながら付いていった。

少し歩くとすぐに生徒会室前に着いた。


「入って」


僕は言葉に従って中に入った。けど中には誰もいなかった。仕事で別のとこにいんのかね。


「それで、用事ってなんだ?」


とりあえずさっさと用事を終えて帰りたい。


「では単刀直入に聞くわ。世刻君、生徒会に入ってくれないかな?」


「断る」


即答した。


「断るの早くない!?」


そりゃそうだ。だって…、


「この学校の生徒会って他はみんな女子じゃねーか。なんでその中に僕が入らなきゃいけねーんだよ」


そんなん耐えられねーよ。ぜってー他の役員も反対するだろ。


「え、ダメ……?」


弱々しく言う関澤会長。


「てかなんで僕なんだよ。副会長とかも絶対に反対するだろ」


「え?副会長はいないよ?」


「……は?」


我ながら変な声が出た。は?副会長がいない?


「だって校長先生が『いい機会だから副会長は男子にしてみましょ!』って笑顔で言ってきたから」


「待て。百歩譲って校長がそれを言ったのはいい。けどなんで僕なんだ?三年から選べよ」


なんでよりにもよって二年から選ぶんだよ。おかしいだろ。


「それが……、みんな嫌がって入ってくれないのよ…」


三年の男子はきっと地獄を見ると思って逃げたな。うわ、だせぇ。


「んで、二年から選んだのはなんでだ?」


「二年生の中で女子をまったく恐れてない男子がいるって聞いたから。そしたら君だった」


はぁ…。誰だよんなこと言ったのは…。でもとりあえずは、


「ちっ、少し考えさせてくれ」


あ、やべ、舌打ちしちゃった。


「舌打ちするほど嫌なの?」


「めんどくせーからな」


聞かれたからには正直に答えた。生徒会だろ?しかも女子のみな上に全員三年だろうし。余計に入りたくない。


「でも考えてはくれるんでしょ?」


「一応な。ただ期待はしないでくれ」


実はほぼ答えは決まってるものだ。まあ想像つくと思うけどな。


「とりあえず帰るわ」


「あら、お茶を出そうと思ったのに」


関澤会長が言ってる通り、茶葉を淹れようとしてるところだった。でも僕は、


「それに関してはすまん。けど今日は買い出しに行かなきゃいけねーんだ」


「そう……。なら私も付いていこうかしら」


と、同行しようとしてきた。


「なんでだよ…」


「単なる暇潰しよ」


そのまんまの意見を言った。それでいいのか、生徒会長さんよ…。


「ま、好きにすれば?ただなんか言われても知らねーぞ」


「大丈夫よ。仕事は終えてるし」


僕が言ったのはそこじゃねーよ。けどもうめんどいから鞄を持って生徒会室から出る。会長さんも付いてきてる。てかなんか嬉しそうに笑ってる。


「なんで笑ってるんだよ?」


「なんか楽しそうじゃない?こういうのって」


「いや、別に?」


速攻で否定。だって僕は視線が痛そうだし。だから少し恨む感じで会長さんを睨んだ。のだが会長さんはなにを思ったのか、こちらの視線に気付くとニコリと笑みを返してきた。畜生、少しかわいいと思った自分が恨めしい。


その後のスーパー。

えっと、必要なのはこれと、これと、これと、これだな。メモを見ながらカゴの中に必要なものを次々に入れていく。


「世刻君器用だね」


横から会長さんが話し掛けてくる。別に普通だと思うがな。


「何度もやってれば自然と慣れるからな」


と返しておいた。無反応よりはマシだろ。


「そっか。……私もなにか買おうかな」


「なにを買うんだ?」


付いてきただけだと買い出しはないだろうから飲み物とかくらいにしかならないだろう。


「飲み物とお菓子かな」


その二つを聞いた僕は思わず吹いた。


「な、なによ…」


少し怒った会長さんにすまんといいながら僕は答えた。


「会長さんって思ってたよりは子供っぽいのな」


それを聞いた会長さんは顔を赤くした。


「いいじゃない、別に…」


そっぽを向いて言う会長さん。が、すぐに向き直ると、


「それより、その会長さんって呼び方はやめてくれない?」


「なんでだよ…」


「なんかやだ」


「あっそう。ならなんて呼べばいいんだ?」


「普通に関澤か冬美って呼んで」


二択だけ?しかも呼び捨てのみ?なら短い方にしよ。


「わかったよ、冬美」


名前で呼ぶと嬉しそうに笑う会長さ……いや冬美。


「私もこれからは秋渡君って呼ぶね♪」


何故か嬉しそうに言う冬美。


「好きにしろ」



スーパーで買い物を終えて帰り道。冬美はまだ付いてくる。てか関係ないけど荷物重い。


「なんでまだ付いてくるんだよ?」


「だって家がこっちだし」


「そうか……」


結局家の近くまで冬美は一緒だった。疲れたよ。

別れて鍵を開けて家に入る。


「ただいま」


つっても誰もいないけどな。

とりあえず食品を冷蔵庫に入れてから着替える。そのあとに洗面所に行ってカラコンを外す。鏡には僕はもう見慣れた金色とサファイアのような濃い青色をした瞳を見る。けどすぐに離れて夕食の準備を始めようとした。

その時にインターホンがなった。


「インターホン?恋華はインターホンを押さないから他の誰か?」


疑問を浮かべなからもとりあえず出る。


「なんだ?」


そこにいたのはセミロングの黒髪を後ろで束ねてポニーテールにしていて、背は少し低めだが、それが逆にかわいさを出していた。出るとこは残念だがあんま出ていない。顔は整っている。けど無表情。ってこいつは、


「星華か。どした?」


そこにいた少女は同じクラスの風間星華だった。


「……これ、あげる」


くれるって、あれ?これ、弁当箱だよな?


「なんで?」


思わず呟いた。小さな声だったはずなのだが星華には聞こえたらしく、


「……昼に帰って作った物のあまり。沢山作り過ぎちゃったからお裾分けしてる」


「昼に見なかった理由はそれか。わかった。ありがたく貰うよ」


「…ん」


手に持っていた袋を渡してくる。それを受け取った。量があるのか少し重い。


「……秋渡」


不意に呼ばれる。


「…なんだ?」


「……どうして目の色が学校の時とは違うの?」


「!」


しまった!さっきカラコン外したの忘れてた!

でも見られたからには正直に言うしかねーよな…。


「元々僕はこういう目なんだよ。学校ではカラコン入れてるけどな」


星華はどういう反応をするだろうか。怖がる、か?


「……綺麗だね」


と言った。って、は?綺麗?


「そうか?」


「……うん」


「そか、ありがとな」


思わず星華の頭を撫でた。恥ずかしそうに頬を赤くしてた。

僕はそれにふっ、と薄い笑みを浮かべた。


「……もう帰るね。親が心配しそうだし」


「わかった。気を付けてな」


手を振ると星華は少し振り返してから去った。

今日の夕食は星華が持ってきたこれだな。すぐに食べた。かなり味が染み込んでいて旨かった。



どうも、アイギアスです。

生徒会長が登場しました。最強と詠われていますがそれはあくまで五神将がいなかったらです。……どーでもいいですね。


今更ですが感想等お待ちしています。


次回はやっと戦闘が入る予定です。

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